台湾の蔡英文総統は2022年1月1日、新年の談話を発表した。最大の懸案の中国との「両岸問題の解決には、軍事的な衝突は絶対に避けなければならない」と述べ、軍事衝突は中台の「経済の安定に影響を与える」と指摘した。そのうえで、中台が「人々の生活に配慮し、国民感情を安定させる努力をしてこそ、双方が平和的に問題に直面する土壌ができ、解決策を見い出す余地と雰囲気が生まれる」と述べた。蔡氏の談話は例年に比べると、中国への直接的な批判は抑えられ、中国に自制を促すことに重点を置く内容となった。
中国は2021年、台湾への軍事的圧力を強め、防空識別圏に延べ約1,000機の戦闘機など軍機を送り込んだ。侵入回数は1年で230日以上に上り、台湾人の中国に対する感情が一段と悪化している。