イの製紙大手が原生林伐採の批判受け森林保護策を発表

イの製紙大手が原生林伐採の批判受け森林保護策を発表
 原生林伐採に対する批判が高まっていることを受けて、インドネシア製紙大手でシンガポールに本拠を置くアジア・パシフィック・リソーシズ・インターナショナル(APRIL)は、2019年末までに熱帯雨林の伐採を全面的に中止するなどとした新たな森林保護策を発表した。ただ、環境保護団体などからは懐疑的な声も上がっている。ジャカルタポストなどが報じた。
 APRILが発表した保護策では、インドネシアの大規模農園の新設を14年までで凍結するほか、19年以降は熱帯雨林の伐採を全面的に中止する。また、森林再生事業にも注力し、14年は再生予定面積を200平方㌔㍍を400平方㌔㍍に拡大する方針だ。19年以降は既存の自社農園で育成した植林のみを原材料に使用するとしている。
 国連によると、インドネシア国内で排出される二酸化炭素(CO2)の70%は、森林伐採が原因で発生しているほか、同国の原生林の約40%が製紙業の大規模農園に転換されたという。またAPRILの主力工場や農園が集中するスマトラ島リアウ州では、1982年以降で4万平方㌔㍍の熱帯雨林が失われており、昨年、シンガポールやマレーシアなど近隣諸国に被害が及んだ煙害の原因となった山焼きも同社関連企業が発生源の一つだったといわれ、同社への批判が高まっていた。