新型コロナウイルス感染症の医療ひっ迫を防ぐ切り札として期待されていた飲み薬の利用が進まず、供給余剰となる懸念が強まっている。これは、この飲み薬の処方対象が重症化リスクの高い患者に限られるなど使い勝手の悪さが”足かせ”となり、購入に慎重な国や地域が多いためだ。
英国調査会社の分析によると、飲み薬は米ファイザー、米メルク、塩野義製薬の3社で年内に合計1億5,800万人分生産される見通しだ。これに対し、各国政府などによる購入が決まったのは5,800万人分で、約1億人分の供給先が決まっていないという。