国連が7月11日発表した推計によると、世界人口の年間増加率が統計を遡れる1950年以降で初めて1%を割り込み最低となったことで、3年ぶりに世界の人口推計を改定した。
世界人口の増加率は2020年に初めて1%を割り込み、2022年は0.83%まで落ち込んだ。世界的な少子高齢化や、新型コロナウイルス禍の影響によるもの。
国連は2022年11月15日に世界人口は80億人に達すると予測、2086年に104億人でピークを迎えるとみる。前回推計ではピークは2100年の109億人としていたが、時期を大幅に前倒しした。
これは主要な働き手である生産年齢人口(15〜64歳)の比率が高い「人口ボーナス」が、経済成長の重要な源泉だったが、急速な少子高齢化でこれまでの好循環が幕を下ろそうとしているためだ。
この端的な例が中国だ。同国の人口は2019年の前回推計では2032年から減少に転じると見積もっていたが、10年前倒しし、すでに2022年から減り始めている。2023年に中国を抜くインドも、2063年の17億人弱でピークを迎える。