核拡散防止条約(NPT)再検討会議は8月26日、ロシアの反対で最終文書を採択できず、2015年の前回会議に続き決裂した。
米国・ニューヨークの国連本部で行われていた、4週間にわたった再検討会議の議論は紛糾を極めた。その過程で最終文書案から「核の先制不使用」政策を核保有国に求めるなど先進的な内容が削減されていく中、各国ともぎりぎりの交渉で妥結を目指していた。その結果、一時は「合意できそうだ」という見方が広がった。ところが、ロシアは土壇場で「ノー」を突きつけた。
核軍縮の進展に向けて、再検討会議は12年ぶりに成果を出すことに失敗した。これにより、核軍縮がさらに停滞することは確実だ。