「アホック知事」誕生巡り早くも賛否両論飛び交う
インドネシアジャカルタ特別州のジョコウィ知事が闘争民主党(PDIP)の大統領候補として転身すれば、知事に昇格するアホック副知事の言動、政治手法を巡り、そしてその出自が華人という側面も加わって、首都では早くも賛否両論が飛び交っている。
アホック副知事は、旧来の州内にはびこる汚職構造にメスを入れ、抜本的に改革を掲げるジョコウィ知事とのコンビで州政にあたってきた。それだけに守旧派と目されるような勢力とは、様々な場面で対立、反発や反感を招いている側面がある。そうした対立勢力からの反発が顔をのぞかせることが十分予想されるのだ。
同国の地方自治法では知事が辞任した場合、議会の承認を経て副知事が昇格すると規定されている。同副知事もそうした流れを前提に、地元日刊紙に対し、知事に昇格した場合、後任の副知事にPDIPの女優出身のリク国会議員を迎えるとの考えも披露している。
だが、情勢次第で実はそんな思惑通りに事が運ぶとは限らない。議会がこれに”待った”をかけることもできるのだ。州議会は民主党が多数派を占めている。議会が抵抗すれば昇格を引き延ばすことができる。首都の交通渋滞解消策として掲げたタナアバン露天商の撤去・移転を巡っては開発統一党(PPP)のルルン州議会副議長と対立している。加えて、首都においてはムスリムの保守層には根底に華人に対する根強い反発があるといわれ、波風が立つ要素には事欠かない。