インドネシア禁輸の影響でニッケルが1年ぶり高値
ステンレスの原料になるニッケル地金の国際相場が続伸し、約1年ぶり高値を付けた。国際指標となるロンドン金属取引所(LME)のニッケル地金価格は3月20日、1㌧当たり1万6000㌦前後で推移し、2013年末から15%上昇している。19日には一時1万6385㌦まで買われ、13年4月2日以来の高値を付けた。
ニッケル鉱石の主要輸出元だったインドネシアが供給を停止し、地金の供給先への先細り懸念が根強いためだ。これを受けて、太平洋金属、住友金属鉱山、日本冶金工業など国内のニッケル製錬各社は、フィリピンやニューカレドニアなど代替産地から鉱石の調達を進めている。
インドネシアは鉱石の生産量で約6000万㌧(ニッケル純分1%換算)と世界で約2割のシェアを持ち、13年の日本の輸入量の5割強を占めていた。