調味料各社が「ハラル」対応 ムスリム訪日客増加で
食品各社が、大幅に増加しつつあるムスリム(イスラム教徒)訪日客に対応、香辛料や調味料などで「ハラル認証」をクリアした商品で需要取り込みの態勢を整え始めている。味の素の子会社ギャバンは「ハラル認証」を取得した香辛料を5月に発売。キューピーも認証をクリアしたマヨネーズを年内にも売り出すという。
ギャバンはマレーシアで製造したブラックペッパーとホワイトペッパーの2点を売り出す。日本に輸出するため2013年12月に2億円を投じて異物混入検査機など品質管理の設備を増強した。価格は通常品と同じ1㌔㌘約3000円~3500円。ムスリムの利用が見込まれる国際空港周辺のホテルや和食店などに売り込む。
キューピーもマレーシアの自社工場で生産した商品を逆輸入する。マレーシアで販売している200~300㌘の家庭用サイズの商品を飲食店に販売する計画だ。このほか、ちば醤油(千葉県香取市)が13年10月からハラル対応のしょうゆを販売。1㍑当たり540円と一般的な商品と比べると約8割高いが、ムスリムの食事宅配サービスや機内食向けに好評という。
観光ビザの発給要件の緩和や格安航空会社の増加により、13年に日本を訪れたムスリムは約30万人を超えている。また、ハラル・ジャパン協会(東京都豊島区)によると、在日のムスリムも約19万人に上っている。