ニッケル地金2年3カ月ぶり2万㌦台 国際相場
ステンレス鋼の原料になるニッケル地金(じがね)の国際相場が一段と上がっている。指標となるロンドン金属取引所(LME)では5月9日、1㌧当たり2万㌦前後で推移し、約2年3カ月ぶりに2万㌦台に乗せた。
これは、インドネシアが1月にニッケル鉱石を禁輸した後、調達代替地として人気を集めていた有力産地、ニューカレドニアでブラジルの資源大手、ヴァーレのゴロ製錬所が廃液の流出事故を起こし、5月8日、操業が止まったためだ。操業再開が遅れればさらに需給が締まる可能性もあり、値上がりにつながった。
ニッケルの需給は、ウクライナ情勢の緊迫化によりロシアからの供給が滞るのではと懸念されており、供給不足は今後も続き、価格もまだ上がるとみられている。