新日鉄住金など鉄鋼大手の車鋼板 アジアで8割生産

新日鉄住金など鉄鋼大手の車鋼板 アジアで8割生産

 新日鉄住金、JFEスチール、神戸製鋼所の鉄鋼大手3社は、アジアでの自動車用鋼板の生産能力を引き上げる。合計で2017年にも年間1100万㌧規模となり、13年末から約8万㌧増える。13年時点で3社合わせた日本国内の生産能力は年間1300万㌧。そして17年前後まで横ばいで推移する見通しだ。顧客の自動車大手がアジアで現地生産を増やす中、日本国内に匹敵する規模に能力を高める。

 新日鉄住金はインドで約400億円を投じて、現地タタ製鉄と合弁で建設を進めてきた新工場が5月中に稼働する予定だ。生産能力は年間60万㌧で、トヨタ自動車やスズキなど現地工場に鋼板を供給する。JFEは持ち分適用会社のJSWスチールに技術供与し、4月に新工場が稼働した。

 インドネシアではJFEが16年の稼働を目指し新工場を建設。新日鉄住金も国営クラカタウ・スチールと年産能力40万㌧規模の合弁工場の新設に向けて最終協議中だ。アジア展開が遅れていた神戸製鋼所も、中国で鞍山鋼鉄集団と合弁の新工場を16年にもつくる。いち早くアジアでの生産拠点を整備することで、日系自動車大手の要望にきめ細かく対応しシェアを守る。日本経済新聞が報じた。