ミャンマー改憲で与野党対立 野党が署名300万人
ミャンマーで憲法改正を巡る与野党対立が激しくなっている。最大野党の国民民主連盟(NLD)が、亡夫が英国人で英国籍の息子のいるアウン・サン・スー・チー党首の大統領選出馬を阻む、59条「外国籍の親族のいる者の大統領選出馬を認めない」規定の改正を求めて300万人の署名を集める一方、与党が主体の国会の特別委員会はこのほど、同規定の改正を認めないことを決めた。2015年の大統領選挙を前に政治的な混乱が強まる懸念もある。日本経済新聞が報じた。
NLDは5月下旬、全国で署名キャンペーンを始め、これまでに人口の5%にあたる330万人分の署名を集めた。キャンペーンは19日まで続き、署名は国会に提出。国会論戦につなげたい考えだ。
テイン・セイン大統領は今年1月、演説で59条に関連した改憲を容認する姿勢を示したため、野党側の期待は高まった。この状況に冷水を浴びせたのが6月中旬の国会の特別委員会の動きだ。大統領資格要件の規定を改正の論点に含めないことを決めたのだ。
改憲には75%超の国会議員の賛成が必要。国会議員の8割を占める与党議員と軍人議員が59条改正に賛成する見込みは低く、スー・チー氏の大統領選出馬も遠のいた。15年後半に予定される総選挙と大統領選挙まで残された時間はわずか。かといって、NLDが強硬手段に訴えれば、政治情勢は一気に不安定化しかねず、それはNLDが望むところではない。