パプアで戦没の日本兵遺骨134柱が70年ぶりに帰国へ

パプアで戦没の日本兵遺骨134柱が70年ぶりに帰国へ
 太平洋戦争中にニューギニア島パプア州で死亡した日本兵の遺骨134柱が70年ぶりに帰国する。厚生労働省の遺骨帰還応急派遣でインドネシアを訪問していた戦没者遺族らは3月21日、中央ジャカルタの在インドネシア日本大使館で、パプア州サルミ県(24柱)とジャヤプラ近郊のプアイ村(110柱)で収集した遺骨計134柱の拝礼式を行った。遺骨はインドネシアの法医学専門家の鑑定を受け、骨の特徴や所持品から日本兵のものと確認された。
 拝礼式には戦没者遺族6人と厚生労働省の担当者で構成される派遣団のほか、鹿取克章大使や大使館職員が参列し、日本兵の冥福を祈った。厚生労働省によると、所持品や印鑑などで氏名が分かる場合は遺族の同意を得てDNA鑑定し、身元を確認するが、今回は氏名判別につながる遺留品は見つからなかった。遺骨は5月に千鳥ヶ淵戦没者墓苑(東京都)で行われる同省主催の拝礼式で納骨される。
 同省によると、インドネシアでは日本兵約8万4000人が死亡したが、帰還したのは半数にとどまる。パプアと西パプア両州には死者約5万3000人のうち約2万人分の遺骨が眠っているとされる。当時の状況を知っている元日本兵の高齢化や、現地の地形の変化などで、遺骨発見は難しくなりつつあるという。