介護就労外国人2000人超えたが在留期限切れ830人も

介護就労外国人2000人超えたが在留期限切れ830人も

 介護施設の調査や国際厚生事業団などの集計によると、介護職に就くため来日する外国人(インドネシア人、フィリピン人、ベトナム人など)が累計2000人を超えた。だが、日本との経済連携協定(EPA)に基づき来日した候補者で、日本の介護福祉士の国家試験に合格できないまま、所定の3年間の在留期限が切れ、やむなく帰国した外国人は約830人にも上っている。これではとても、今後予想される日本国内の膨大な数の介護従業員不足の解消策とはなり得ない。

 EPAに基づき日本語や介護の研修に公的支援を受けている外国人は約1540人となっている。内訳はフィリピン人が約670人、インドネシア人約750人、さらに2014年度から新たに受け入れを開始したベトナム人が約120人だ。

 また、EPA以外ではフィリピンの民間団体が仲介となり来日したフィリピン人女性約590人が30都道府県の施設で働いており、合計で約2130人となっている。EPA以外の外国人は公的支援を受けられないため、渡航費や借金などで金銭的にも苦しい立場にある。介護環境を充実させるためにも、外国人に今後どのような支援を行っていくかが課題になりそうだ。また、母国で介護福祉士の資格を持った外国人の活用を含め、極めてハードルの高い、EPAに基づく現行制度の緩和、見直しなど、現実的かつ抜本的な介護要員確保策が求められる。