アジアに官民で発電設備 30社共同で受注計画

アジアに官民で発電設備 30社共同で受注計画

日本政府はアジアへの発電設備の輸出を増やすため、三井物産や東京電力など約30社と共同で受注計画をつくる。安倍晋三首相が表明した国際協力機構(JICA)などを活用した投融資も使い、資金面でも支援する。政府主導で「日の丸連合」をつくり、急拡大するアジアのインフラ需要を取り込むのが狙い。
宮沢洋一経済産業相が5月23日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)貿易相会合で表明する。アジア各国・地域で進む発電所や都市開発計画のうち、高効率の火力発電設備など日本企業の高い技術力を生かせる案件に絞り込み、官民共同で受注計画を売り込む。
第1弾として、スマトラ島やジャワ島など約100カ所で、3500万㌔㍗(KW)分の発電設備の開発計画を進めるインドネシア向けの計画をつくる。入札を検討中の日本企業約20社の受注計画を政府が集約して一本化。6月以降、インドネシア政府との協議で計画を示し、日本勢による大型案件の受注獲得を目指す。
インドでも、IT(情報技術)で省電力化をめざすスマートシティー(環境配慮型都市)を、国内100カ所に建設する計画がある。政府は日本企業の参画をめざしてインド向けの作業部会を設置。電力使用量を抑える省エネ設備や太陽光などの発電設備、電気を一時的にためる蓄電池などの受注を目指す方針だ。タイやミャンマーでも大規模な発電所の建設構想がある。
日本政府は2010年時点で3.8兆円だったアジア向けを中心としたエネルギー設備の受注実績を20年までに9兆円に倍増させたい考えだ。日本経済新聞が報じた。

インドネシア政府 17年に携帯電話年3500万台目指す

インドネシア政府 17年に携帯電話年3500万台目指す

インドネシア政府は国外メーカーに対し、スマートフォンなど携帯電話分野への投資を促し製造施設の設置を推奨しており、2015年の投資額は3億㌦(約363億円)に達するとみられている。こうした積極的な誘致策により、17年に携帯電話のインドネシア国内生産台数を3500万台とすることを目指している。ジャカルタポストなどが報じた。
インドネシア工業省によると、スマートフォン世界最大手の韓国サムスン電子は今年1月、西ジャワ州に2000万㌦を投じて建設した工場を稼働させたほか、広東欧珀移動通信(OPPO)や海爾電気集団(ハイアール)の中国勢も携帯電話の製造工場をインドネシア国内に建設する意向を表明している。

三菱重工 インドのM&M社と農業機械事業で提携

三菱重工 インドのM&M社と農業機械事業で提携

三菱重工業は5月21日、農業機械事業でインドのマヒンドラ・マヒンドラ(M&M)と提携すると発表した。M&Mが30億円を出資し、三菱重工グループの三菱農機(島根県松江市)の株式の33%を保有する。三菱農機が10月1日付で実施する第三者割当増資をM&Mが引き受ける。現状は三菱重工業の子会社が100%出資しているが、増資後の議決権は三菱重工67%、M&Mが33%となる予定。
三菱農機はM&Mに対し、トラクターのOEM(相手先ブランドによる生産)供給や歩行式田植え機の技術供与などを行っている。国内農機市場の漸減傾向が続く中、M&Mとの提携範囲を広げ、農機需要が広がるアジアや北米、アフリカなど海外市場に活路を見い出す。

村上製作所 初の海外拠点タイで送風機製造・販売

村上製作所 初の海外拠点タイで送風機製造・販売

村上製作所(大阪府高槻市)はタイ・チョンブリに進出、100%出資のタイ子会社、2014年7月1日創業した「タイムラカミ」で送風機や搬送用などのロボット省人化自動システムの産業機械などの現地製造・販売を始めた。生産拠点としては本社工場に次いで2カ所目、初の海外拠点となる。タイムラカミの3年後の売上高は約10億円を目指す。タイムラカミの資本金は約6660万円。敷地面積は5920平方㍍で、工場の延べ床面積は1800平方㍍。

ミスミ ベトナムにFA機器部品の新工場 3極体制へ

ミスミ ベトナムにFA機器部品の新工場 3極体制へ

ミスミグループ本社(東京都文京区)はベトナム・ホーチミン市に、FA(工場自動化)用機械部品などの新工場を設ける。国内外のFA需要拡大を受けシャフト、位置決めピンなどの主力商品を短納期で供給する体制を整える。ベトナムおよび日本、中国と合わせた3極生産体制を強化し、グローバルでの拡販につなげる。今秋にも稼働する。ホーチミン市内の既存工場に隣接する用地を取得した。延べ床面積1万5000平方㍍前後の新工場を建設し加工機などを導入する。総投資額は土地代含め約60億円。日刊工業新聞が報じた。

音響機器各社 東南アから国内生産回帰

音響機器各社 東南アから国内生産回帰

日本の音響機器各社が国内生産への回帰を進めている。高級オーディオなど国内市場の販売比率が高い分野の製品群を中心に生産を国内へ移す。円安により事業の採算性が改善したと判断した。自動車や電子部品に続き、音響機器でも国内生産の動きが加速しそうだ。
JVCケンウッドは海外での高級オーディアの生産から撤退し、国内生産に移管する。マレーシア工場を閉鎖し、今夏から同社の山形工場での生産を始める。パイオニアは2015年度下期から市販向けカーナビの主力機種「カロッツェリア 楽ナビ」の日本市場向け生産のほぼ全量をタイ工場から日本国内の生産拠点に移管する。楽ナビの出荷台数は年間約35万台で、15年度下期に5割強を日本に移管する予定。クラリオンも国内市場向けの製品について海外からの生産移管を検討している。日本経済新聞が報じた。

NSKニードルベアリング 50億円投じ韓国に新工場

NSKニードルベアリング 50億円投じ韓国に新工場

日本精工傘下のNSKニードルベアリング(群馬県高崎市)は約50億円を投じて、韓国・西安市に新工場を建設する。AT(自動変速機)に組み込むベアリングの生産を2017年春に始め、現地の自動車メーカーなどに供給する。燃費改善につながる変速機の多段化が進み、使用するベアリングの数量が増加しているのに対応する。日本経済新聞が報じた。

伊藤園 インドネシアで茶系飲料販売強化

伊藤園 インドネシアで茶系飲料販売強化

伊藤園は、東南アジアや米国で茶系飲料の販売に力を入れる。このほどインドネシア向けに、新しい茶系ブランドを立ち上げたのに加え、今年2月に買収したコーヒー豆生産・販売の米子会社を通じて、外食チェーンにも茶系飲料を売り込む。
インドネシア向けの新しい茶系ブランド名は「Kiyora(きよら)」で、現地の小売業を通じた販売を始めた。伊藤園として東南アジア向け茶系ブランドは初めて。 ジャスミン緑茶(330㍉㍑で32円程度)やミルクティー(330㍉㍑で64円程度)など4品目ある。インドネシアで採れた茶葉を使い、現地の消費者の嗜好を踏まえ商品化した。現地の紙パック入り飲料大手との合弁会社を通じ、同国内の小売店などに売り込む。
同社は昨夏から、ジャカルタ市内で試験的に茶系飲料を販売していた。その結果、販売動向が好調なことから、4月から順次、同国全土に販路を広げ同国向けの茶系ブランドを通じて、健康志向の高い消費者の需要に応える。日経MJが報じた。

郵船ロジ 運送・倉庫業務でハラル認証を同時取得

郵船ロジ 運送・倉庫業務でハラル認証を同時取得

郵船ロジスティクスは5月20日、マレーシア法人のTASCO(セランゴール州)が同国政府から、ハラル食品の物流に必要な運送・倉庫業務の両方の認証を同時に取得したと発表した。ハラル輸送で運送・倉庫2つの認証を取得した日系物流企業は初めて。
ハラル認証の対象は食品に加え化粧品、医薬品。同社はハラル物流のワンストップサービスの構築を目指し、マレーシア国内企業とともに、日系の食分野企業などの輸送も支援する。

東京電力 タイ発電公社とLNG事業の協働に向け覚書

東京電力 タイ発電公社とLNG事業の協働に向け覚書

東京電力は5月21日、タイ発電公社(EGAT)とLNGの調達から輸送、供給、発電までのバリューチェーン事業に関する協働に向けた覚書を締結したと発表した。LNGバリューチェーン事業の海外展開は、同社としては初めての取り組み。今後両社はこの覚書に沿って、相互にシナジー効果を発揮できるよう情報交換や人材研修を行っていく。
なお東京電力は、4月30日に中部電力と共同で設立した「JERA」は、世界最大の燃料調達から発電までのバリューチェーン事業構築を目指しており、今後必要な準備が整い次第、この事業をJERAへ移管するとしている。