貧困状態の子ども 先進43カ国で6,900万人以上 ユニセフが報告書

ユニセフ(国連児童基金)は12月6日、日本や欧米などの先進国の子どもの貧困が全体として減少しているものの、なお貧困状態にある子どもがいぜん6,900万人以上に上るとする報告書を公表した。これは、OECD(経済開発協力機構)やEU(欧州連合)に加盟している43カ国を対象に調べたもの。
2014年から2021年にかけて子どもの貧困率は全体でおよそ8%減少した。ただ、それでも2021年末時点でいぜんとして6,900万人を超える子どもが貧困状態にあると指摘している。
日本の子どもの貧困率は、2014年までの3年間の平均が18.2%だったが、2021年までの3年間の平均が14.8%に減少し、調査が行われた各国のうち8番目に改善が進んだとしている。

東京・千代田区の英大使館跡から弥生時代の集落跡 28棟確認

東京・千代田区によると一番町のマンション開発用地の英国大使館跡地から弥生時代の集落跡が見つかったことが分かった。今回見つかったのは三菱レジデンスなどが再開発を進めている土地で、縄文時代のものを含めこれまでに竪穴式住居跡が28棟確認された。調査は2024年3月まで行われる。しかも調査対象となっている約7,700㎡のうち、まだ約3,700㎡しか調べておらず、今後新たに遺跡が見つかる可能性が高い。
考古学の専門家は、都心部でこれだけの規模の集落跡が見つかったことについて、「弥生時代後期の前半において、これほど住居数のある集落が発見された例は関東南部ではほとんどない。当時の暮らしぶりが分かり、学術的に重要だ」と話している。ただ遺跡としては現地に残すことは難しい見込みで、調査後に埋め戻されてマンション建設が始まる予定。

大麻の医薬品利用解禁 使用罪を新設 改正法が成立

大麻草原料の医薬品の利用を認める改正大麻取締法が12月6日、参院本会議で可決、成立した。2024年にも施行する。大麻の主要成分の一つ、カンナビジオール(CBD)は害がほとんどなく、海外では抗てんかん剤として利用されている。日本でも治験が実施されており、今回の法改正に伴い医療現場で実際に利用できるようになる。
大麻に関する現行法では、これまで大麻の所持や栽培の禁止にとどまっており、今回使用罪も新たに創設された。主に若年層による乱用への対策として7年以下の懲役刑も規定する。2022年には大麻関連の検挙人数の約7割が30歳未満だった。

日本の15歳の「読解力」世界3位に回復 OECD81カ国・地域で

経済協力開発機構(OECD)は12月5日、世界81カ国・地域の15歳69万人を対象に2022年に実施した学習到達度調査(PISA)の結果を公表した。日本は「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」の3分野いずれも前回2018年調査から改善した。最も大きく改善・回復したのが読解力で、前回過去最低の15位から3位となった。科学的リテラシーは前回の5位から2位へ、数学的リテラシーは前回の6位から5位へそれぞれ順位を上げた。

クロマグロ22年度漁獲量で京都府61㌧で2年連続で関西首位

気候変動と海流の変動に伴う水温上昇も影響しているのか、水産資源の構図に異変が起きている。2022年度のクロマグロ漁獲高で京都府が61トンと5年前の5倍に上り、2年連続で和歌山県を抜き、関西では2年連続で首位となった。京都府では、日本海の舟屋で知られる伊根湾で地形を生かしてクロマグロの養殖が行われ、養殖としては最大級の100kg前後のマグロを扱い、「京まぐろ」と名付けたブランド化も始まっている。

東大 白亜紀の草食恐竜の食性の時代変化を解明 歯の傷の分析で

白亜紀(約1億5,000万年前から6,600万年前)の草食恐竜はどんな植物を食べていたのか?東大と、沖縄科学技術大学院大学、英国リンカーン大学のメンバーを含めた国際共同研究グループは世界で初めて、白亜紀の生態系で重要なメンバーであった鳥脚類恐竜の食性変化を明らかにした。これは歯の微細な傷(マイクロウェア)を分析し、歯の摩耗を促進させる植物を食べるような変化があったことを調べ上げたもの。この成果は、12月1日に古生物学の学術誌『Palaeontology』に掲載された。
今後、同様の手法を鳥脚類以外の草食恐竜にも適用することで、恐竜と被子植物がどのように関係しながらも、進化してきたのかを、明らかにできると期待される。

インドネシア・マラピ火山噴火で登山者11人死亡, 行方不明者も

複数のメディアによると、現地時間12月3日午後2時54分ごろ発生したインドネシアスマトラ島マラピ火山の噴火で登山者11人が死亡した。登山者の捜索にあたっていた地元救助隊が確認した。このほかに、12人がいぜん行方不明になっているが、同地では小規模な噴火が続いていて危険なため捜索は中断されている。同救助隊によると、噴火当時は75人が付近にいたという。当局はマラピ山の警戒レベルを上から2番目に高い水準に設定し、火口から3km位内への立ち入りを禁止しているという。

香港の民主活動家, 周庭さん カナダに事実上亡命 SNSで声明

香港の民主活動家の周庭さんが27歳の誕生日にあたる12月3日、SNS上でカナダに事実上亡命したことを明らかにした。SNSに公表した声明で「現在カナダのトロントにいて、香港に戻らないことを決めた」としている。
周辺さんは、2019年の大規模な民主化要求デモなどでリーダー的な役割を果たし、日本をはじめとした海外のメディアにも民主化要求の情報発信の一端を担った。そのため2020年、違法な集会を扇動したとして禁錮10カ月の有罪判決を受けた。そして翌年出所した後も、警察への定期的な出頭を求められるなど政治的な発電を一切できない状態が続いていた。

アフガンの医療・農業支援の中村哲医師死去から4年 福岡で追悼

アフガニスタンで医療支援と農業復興に尽力した医師の中村哲さんが、アフガニスタン東部で凶弾に倒れてから12月4日で4年となる。福岡県大牟田市で2日、その功績を伝える展示がある文化施設の周辺に竹灯籠が並べられ、自宅で追悼行事が開かれた。中村哲さんの遺志を継ぎ、事業を続ける福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」の関係者はじめ、県内外から集まった人たちが中村さんの遺徳をしのんだ。