花王 回収したCO2活用の植物工場「SMART GARDEN」

花王マテリアルサイエンス研究所は3月14日、佐賀市の清掃工場から排出されるCO2を回収・精製できる設備を利用し、独自の植物工場「SMART GARDEN(スマートガーデン)」を構築したと発表した。スマートガーデンでは使用電力や水使用量で環境負荷を低減しつつ、植物を効率よく栽培することが可能。
具体的には①スマートガーデンではCO2を光合成を促進させるほか、植物に与えることで生長速度が約20%向上することを確認②水を繰り返し循環利用することで、露地での栽培品と比較して水使用量は約40%にとどまっている③使用する電力すべて地熱、水力発電といった再生可能エネルギーにすることでCO2の排出を削減している。
さらに栽培した植物からエキスの抽出まで一気通貫で行い、高純度・高効率な植物エキスを得ることができる成分制御技術を開発した。

JR北海道 3/15で道内無人駅5駅が廃止 地元で駅に別れ  

JR北海道の今春のダイヤ改正で、道内の無人駅5駅が3月15日を最後に姿を消した。地元自治体から維持管理負担による駅存続の声はなかった。廃止となったのは宗谷線の初野駅(所在地:美深町)と恩根内駅(同)、石北線愛山駅(同愛別町)、石勝線滝の上駅(同夕張市)、函館線中ノ沢駅(同長万部町)。
維持には除雪費など年間100万円ほどの経費が必要で、JR北海道は極端に利用客の少ない無人駅の廃止を進めている。廃止となる15日、駅では地元の人らがお別れのセレモニーを催し、長年地元とともに歩んできた駅に別れを告げた。

中小企業賃上げ4.42%, 32年ぶり高水準, 賃上げ機運広がる

連合が3月15日発表した2024年春季労使交渉の第1次集計で、中小企業の賃上げ率は4.42%(1万1,912円)に達し、32年ぶりの高水準となった。大企業を中心とする経済界の賃金引き上げ機運が中小企業にも広がりをみせ、物価と賃金が持続的に上がる好循環、長かったデフレから、適度なインフレへの光が差し込み始めた感がうかがえる状況となっている。
組合員数が300人未満の労働組合の結果をまとめた。賃上げ率は前年の同時期から0.97ポイント上昇した。産業別では機械、金属など中小の労組を中心に構成する「ものづくり産業労働組合JAM」の賃上げ率が15日時点で4.09%と前年実績を0.57ポイント上回る。月額1万1,302円の引き上げで、1999年の結成以来過去最高となった。

日揮HD UAE向け大型低炭素LNGプラントの先行役務受注

日揮ホールディングス(本社:横浜市西区)は3月14日、海外EPC事業会社、日揮グローバルがフランスのテクニップエナジー並びにアラブ首長国連邦(UAE)NPCC社と共同で、アブダビ国営石油会社(ADNOC)向けLNGプラント新設プロジェクトのEPC役務の先行役務を受注したと発表した。
同プラントの建設場所はUAEアブダビルワイス工業都市。役務内容は新設LNGプラント(年産480万トン✕2系列)に係る設計、機材調達、建設工事(EPC)役務の先行役務。
新設するLNGプラントでは、プラント操業時のCO2排出低減に最大限配慮。中東および北アフリカ地域で初となる、また世界でも事例の少ない低炭素LNGプラントとなる予定。

ペットボトル再生工場完成 岡山・津山市で水平リサイクル

プラスチックのリサイクル事業を手掛けるヴェオリア・ジャパン(所在地:東京都)、三井物産(本社:東京都千代田区)、セブン&アイ・ホールディングス(本社:東京都千代田区)の3社は3月14日、共同で設立した合弁会社「サーキュラーペット」(所在地:岡山県津山市)の使用済みペットボトルを原料に戻す「水平リサイクル」工場を完成させ、竣工式を執り行った。本格稼働は今春を予定。
新工場は、これまで難しいとされてきた汚れやキャップが付いたままの廃ペットボトルの処理が可能。飲料業界が取り組む環境負荷の低減に向け、目標に掲げる「ボトルtoボトル」の加速が期待される。サーキュラーペットによると、国内で使われるペットボトル原料は年間約57万トン。工場では330ミリリットルボトル16億本相当の約2万5,000トンの生産を見込む。

日産自・ホンダ EVや車載ソフトでの提携検討で覚書

日産自動車(本社:横浜市西区)とホンダ(本社:東京都港区)は3月15日、自動車の電動化・知能化に向け、戦略的パートナーシップの検討を開始する覚書を締結したと発表した。具体的には自動車車載ソフトウェアプラットフォーム、バッテリーEVに関するコアコンポーネント、商品の相互補完など幅広いスコープで検討を進めていく。

大阪高裁 住民側の即時抗告「棄却」関電の美浜原発3号機

大阪高裁は3月15日、運転開始から40年を超えて稼働している福井県・美浜町の関西電力・美浜原発3号機をめぐり、市民グループが運転差し止めを求めた仮処分申し立てについて、市民グループの即時抗告を棄却した。今回の判断を経て、美浜3号機の運転は継続することになる。
美浜3号機は1976年に運転を開始。原発の運転年数は原則40年と定められているが、2016年に国の原子力規制委員会から20年の運転延長を認められたため、現在も稼働している。

鹿島 大阪万博でCO2排出7割削減したコンクリートでドーム

鹿島は3月13日、2025年大阪・関西万博の会場に、製造時や現場施工時発生する二酸化炭素(CO2)排出量を7割削減したコンクリートを使用したドームを建設すると発表した。万博会場の西ゲート付近に建て、環境教育のための展示施設として使用される。鉄筋コンクリート造りで、高さが5.45m、幅23m、奥行きが18mの楕円形とする。
低炭素コンクリートと、同社がNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「グリーンイノベーション基金事業「CO2を用いたコンクリート等製造技術開発」プロジェクトの一環としてデンカや竹中工務店などと共同開発した、CO2の排出量よりも削減効果の方が大きいコンクリートを組み合わせる。全体でCO2を約17.9トン、従来比で7割削減した。

三菱商事, 三菱ふそう, 三菱自 6月にEV関連サービス新会社

三菱商事は3月13日、三菱ふそうトラック・バスおよび三菱自動車と共同で、電気自動車(EV)関連サービスのプラットフォームを運営する新会社を6月に設立すると発表した。新会社「イブニオン」には三菱商事と三菱ふそうが各35%、三菱自動車が30%出資する。出資額は非公表。オンライン上で充電設備や車両の価格や性能などをワンストップで比較できるサービスを8月から提供する。消費者やディーラーの需要を開拓し、EVの普及につなげる。

SUBARUとアイシン 次世代電動車用eAxleで協業開始

SUBARU(スバル、本社:東京都渋谷区)とアイシン(本社:愛知県刈谷市)は3月12日、両社の車両並びに変速機開発に関する知見・ノウハウを持ち寄り、AUBARUが2020年代後半から生産開始するバッテリーEV(電気自動車)に搭載するeAxleを共同開発・分担生産することで合意したと発表した。高効率・軽量コンパクトをコンセプトに、両社で最適な部品調達先、生産スキームを検討していく。
eAxleは、バッテリーEVなどでモーターを主動力とするクルマが「走る」ために必要な主要部品を一つにまとめ、パッケージ化したもの。主にギア、モーター、インバーターなどの部品で構成。