伊藤忠 核融合エネルギー米スタートアップBLF社と提携

伊藤忠商事(本社:東京都港区)は3月7日、核融合エネルギー関連スタートアップのBlue Laser Fusion Inc.(本社:米国カリフォルニア州パロアルト、以下、BLF社)の第三者割当増資を引き受けるとともに、フュージョンエネルギー関連ビジネス、およびBLF社が開発するレーザー技術を応用した関連ビジネスにおける戦略的業務提携契約を締結したと発表した。
BLF社は、高輝度青色発光ダイオードの発明でノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏が共同創業者の一人として2022年11月に設立されたスタートアップ企業。自社で開発を進めるハイパワーレーザーを用いたレーザー方式核融合炉の商用化を目指している。

コマツ ナトリウムイオンバッテリー搭載フォークリフト

コマツは3月7日、ナトリウムイオンバッテリーを搭載した電動式フォークリフトのコンセプトマシンを開発し、3月から取引先顧客の現場で実証実験を開始すると発表した。ナトリウムイオンバッテリーを搭載するのは同社として初めてで、フォークリフトへの搭載は世界でも先駆的な取り組み。
ナトリウムイオンバッテリーは①エネルギー密度は低いものの、急速充電が可能②サイクル寿命(充放電を繰り返せる回数)が長いことから、ランニングコストの低減が期待できる③地球上に豊富に存在するナトリウムを用いるため、安定した調達が可能で、将来的にコスト削減が見込まれるーなどが利点。
同社は電動式フォークリフトの選択肢を増やすことで、あらゆる現場の電動化を加速させ、環境負荷低減とカーボンニュートラルの実現に貢献する。

23年の国際特許出願 前年比1.8%減 減少は14年間で初

世界知的所有権機関(WIPO)によると、2023年の特許の国際出願件数は前年比1.8%減の27万2,600件にとどまった。前年に比べ出願件数が減るのは、この14年間で初めて、
国別では中国が引き続き1位だったが、件数は6万9,610件と前年比微減だった。2位の米国は5.3%、3位の日本は2.9%それぞれ減少した。世界的な金利上昇によりイノベーションへの投資資金が回りづらくなっていることが主な要因としている。

JFEエンジ さいたま市と電池交換式EVパッカー車の実証

JFEエンジニアリング(本社:東京都千代田区)は3月7日、さいたま市と2023年5月に締結した協力協定に基づき、廃棄物焼却施設で発電した電力の有効活用による地域の脱炭素化と、レジリエンス性向上に資するエネルギー循環型ごみ収集システムの構築に向けて同日、同システムの共同実証試験を開始したと発表した。これに伴い電池交換式EVパッカー車の出発式を執り行った。
さいたま市の廃棄物焼却施設クリーンセンター大崎から廃棄物発電による電力供給を受け、隣接する東部清掃事務所にEV電池を自動交換する電池交換ステーションを設置。電池交換式パッカー車は2台以上の複数台運用する。同ステーションではわずか約58秒で電池交換が可能で、EVの課題とされている充電時間に制約されず、ごみ収集を行うことができるとしている。

パナソニックIS 飲食・物販両店舗に対応の施設用POS開発

パナソニックインフォメーションシステムズ(以下、パナソニックIS)は3月7日、同日より飲食店舗と物販店舗のどちらの運用にも対応した施設POSシステムを発売すると発表した。従来のPOSシステムは飲食店舗用、物販店舗用などの業態に特化した製品が一般的。しかし、両方の店舗を抱える集客施設にとっては「POSシステムの管理運用に手間がかかる」「売上データの分析がし辛い」などの課題が発生していた。
こうした課題を受け、飲食、物販店舗の両方のどちらにも使い勝手の良い集客施設に向けPOSシステムを開発したもの。導入費用は、POS端末一式費用1台あたり30万円から、導入支援サービス費用は1施設あたり225万円から。別途月額ライセンス費用、サーバー利用料が必要。

西松建設 アサヒ飲料と協業しカーボンネガティブコン開発

西松建設は3月6日、アサヒ飲料とともに製造過程でのCO2の排出量がマイナスとなるコンクリートの開発に着手したと発表した。これはアサヒ飲料の「CO2を食べる自販機」により、大気中のCO2を吸収した特殊材を活用し、コンクリートに練り混ぜることによって、CO2排出量がマイナスとなるカーボンネガティブなコンクリートを実現するもの。両社は十分な強度を持つコンクリート材料となることを確認し、今後実施工への適用に向けた取り組みへ進める。
日本国内での生コンクリート年間出荷量は約7,500万㎥(2022年度)とされる。例えばこのうちの0.1%を開発中のコンクリートに置き換えるだけで、毎年27万本の杉の木と同等のCO2削減効果が見込まれる。これは森林の広さで東京ドーム約77個分に相当する。

エーザイ ADの血液診断実用化へ米C2N社に22億円出資

エーザイ(本社:東京都文京区)は3月6日、米国子会社エーザイ・インクがC2N Diagnostics LLC(本社:米国ミズーリ州セントルイス、以下、C2N)による米国におけるアルツハイマー病(AD)の血液診断の実用化並びに、アクセス、アフォーダビリティおよび利用の拡大に向けた取り組みを支援するため、同社に最大1,500万米ドル(約22億円)を出資すると発表した。C2Nに出資することで、正確かつアフォーダブルな血液によるアミロイドβ(Aβ)診断法をさらに前進させる取り組みを支援し、脳内Aβ確認の新たな選択肢を提供する。

SkyDrive スズキと磐田市で「空飛ぶクルマ」製造開始

「空飛ぶクルマ」および物流ドローンの開発を手掛けるSkyDrive(本社:愛知県豊田市)は3月7日、スズキ(本社:静岡県浜松市)の協力のもと、製造子会社Sky Works(所在地:静岡県磐田市、スカイワークス)を通じて、スズキグループの磐田市の工場で空飛ぶクルマの製造を開始したと発表した。
スカイワークスは、従業員の約半数がスズキからの出向で自動車の組立の経験・知見が豊富。2023年9月から空飛ぶクルマの試作および組立手順書の作成など準備を進めてきた。
同工場ではまず大阪・関西万博で飛行を計画している「SKYDRIVE(SD-05型)」、その後、顧客に販売していく製品を順次製造していく予定。

イオンウエルシア九州 生鮮品まで揃える調剤の出店推進

イオン九州と、イオン傘下のドラッグストア国内最大手ウエルシアホールディングス(HD)の共同出資によるイオンウエルシア九州(所在地:福岡市)は、調剤薬局の機能を備えたドラッグストアと生鮮食品や日用品まで品揃えスーパーを融合した業態「ウエルシアプラス」の出店を強化、推進する。
同店舗の出店場所は駅前ではなく、利用者の生活圏、住宅地に近い郊外が中心。調剤で訪れた顧客が、日々の買い物を同時に済ませられる利便性に配慮したものだ。同社はウエルシアプラスを2023年4月に福岡県大野城市に初出店し、同県朝倉市や熊本市などで現在5店舗を展開しており、2030年に売上高1,800億円を目指す。