22年出生数79.9万人 国の推計を11年早く80万人割れ

厚生労働省は2月28日、2022年の出生数(速報値)が前年比5.1%減の79万9,728人にとどまったと発表した。80万人割れは比較可能な1899年以降で初めて。また、国の人口推計より11年も早く80万人を割り込んだ。その結果、7年連続での過去最少の更新となった。
出産期にあたる世代の人口減少に加え、新型コロナウイルス禍での結婚や出産を控える人が増えたことが主要因として挙げられる。出産数の減少に歯止めをかけるため近年、結婚・出産・保育・子育てまで抜本的かつ切れ目のない環境の整備の必要性が指摘されながら、具現化できていないことをうかがわせる。

パナソニックHD 中国で高齢者向け居住区を開業

パナソニックホールディングス(HD)は2月26日、中国江蘇省宜興市で現地企業の雅達国際ホールディングス(HD)と組み、高齢者向けの街づくりの企画段階から参加した「雅達・松下社区」を整備し、住民の入居が始まったと発表した。
同居住区は全部で1,170戸。販売価格は300万元(約6,000万円)からで、およそ半分が売れているという。高齢化が進む日本で培った住空間の設計ノウハウと、空調や住宅設備などの自社製品を組み合わせ、中国向けに構成し提供している。
これを機に同社は高齢者向けや単身者向けなど中国各地で地域ニーズに合わせた空間提案を進めていく。

公営住宅に学生入居広がる 高齢化の自治会に新風

自治体が管理する低所得者向けの公営住宅に、近隣大学の学生を受け入れる取り組みが全国に広がりをみせている。現在、自治会活動への参加を条件に単身学生の公営住宅への入居を認めているのは、国の承認を受けたうえで、東京都、石川、富山、長野など計9都県。
これらの都県では、学生たちが共用部の清掃や草むしり、除雪、ごみ当番、月1回、資源ごみの回収、自治会イベントの運営などに取り組んでいるという。
入居住民の高齢化や空室の増加で公営住宅の自治会活動の停滞が課題となる中、学生には安い家賃で住める利点があり、地域コミュニティの活性化を促す新しい動きとして注目される。
国土交通省によると、公営住宅に住む65歳以上世帯の割合は、2020年度末で約59%。前の入居者が退去してから1年以上経過した空き家戸数は全国で約4万6,000戸(2020年度末時点)に上り、2015年度末に比べて2倍以上に増えている。

国連人口基金 被災の両国で妊娠中の女性35.6万人

国連人口基金(UNFPA)によると、トルコ・シリアの両国で妊娠中で緊急の医療サービスを必要とする女性が、約35万6,000人に上ることが明らかになった。内訳はトルコで約22万6,000人、シリアで約13万人。このうち3万8,000人以上が3月に出産する予定という。
彼女らの多くが地震で大切な家族や自宅を失い、キャンプなど避難施設に身を寄せている。冬の寒さに加え、食料や清潔な水の入手が難しく健康が脅かされている。

EPAに基づく3カ国の介護福祉士候補者の滞在延長

日本政府は2月21日、閣議で経済連携協定(EPA)に基づくインドネシア人、フィリピン人およびベトナム人看護師・介護福祉士候補者の滞在期間を延長することを決めた。
この決定により令和2年度・3年度に入国した、これら3カ国の看護師・介護福祉士候補者のうち、滞在期間中に国家試験に不合格になった者について、一定の条件に該当した場合には、追加的に1年間または1年6カ月の滞在期間延長を認めることになる。

1月「後継者難」倒産36件 5カ月連続で30件超

東京商工リサーチのまとめによると、2023年1月の後継者不在による「後継者難」倒産(負債額1,000万円以上)は、前年同月比12.5%増の36件で、1月としては2年連続で前年同月を上回った。また、5カ月連続で30件を超えた。
倒産要因別にみると、代表者の「体調不良」が19件(構成比52.7%)、「死亡」が16件(同44.4%)で、この2要因で「後継者難」倒産の97.2%(前年同月84.3%)とほとんどを占めた。
産業別では最多が「サービス業ほかの12件(前年同月比140.0%増)で、1月では初めて2ケタに乗せた。このほか製造業6件(同20.0%増)、小売業4件(同33.3%増)、情報通信業2件(前年同月ゼロ)の4産業で前年同月を上回った。

加藤厚労相 22年の出生数「77万人前後」の見込み

加藤勝信厚生労働相は2月5日、2022年の出生数について、「77万人前後になるのではないか」と述べた。これは11月までの出生数が前年の同時期と比べ5%減少していることをもとに見込みを語ったもの。
2021年の年間出生数は81万人(日本人のみ)で、統計開始⑤初めて80万人を割り込むことになる。近年の少子化傾向に、新型コロナウイルス禍で結婚や妊娠を見合わせるケースが増え、出生数源に拍車をかけた。

厚労省 看護師・介護士の処遇・賃上げ実態検証へ

厚生労働省は看護師や介護福祉士の賃金底上げに向け、医療法人や介護事業者への監督を強める。2023年度以降事業者に経営状況の報告を義務付け、処遇改善の取り組みを検証する。医療・介護分野の深刻かつ慢性的な人手不足を受け、これまで進めてきた報酬改定や事業者への補助に対して、現場に行き渡っているのか分かりにくいとの指摘を受けたもの。

40歳以上の53.4%「フレイル」新田ゼラチンが調査

新田ゼラチン(本社:大阪府八尾市)は2月1日、全国の40歳以上の男女600人を対象に行ったアンケート調査の結果を発表した。「フレイル」とは、健康な状態から要介護状態に陥るまでの中間的な段階で、運動機能や認知機能等の低下により生活に支障が出ること。
調査結果の要点は①コロナ禍で在宅時間が増えた人が感じている課題は「運動不足」が56.5%で1位②1年前より68.7%が「体の健康を意識」、59.7%が「心の健康を意識」するようになった。③40歳以上の53.4%が「フレイル」または「プレフレイル」に該当④「フレイル」の認知度はわずか11.0%⑤地域別で「フレイル」が最も多かったのは「関西」。「フレイルフリー」が多いのは「九州・沖縄」⑥40歳以上の70.2%が適切な運動を実施できていない⑦「フレイル」の86.5%が「将来の体の健康に不安」、79.0%が「将来の心の健康に不安」⑧将来「誰にも頼らず自分で何でもできる」ことを理想とする人が50.8%−−など。