日イ共同でインドネシアの希少コーヒーの識別法発見

日イ共同でインドネシアの希少コーヒーの識別法発見
 日本とインドネシアの研究チームが10月7日までに、世界で最も高価なコーヒーの一つとされ、まがい物が横行しているインドネシア産の希商品「ルアック・コーヒー」について、成分分析によって「本物」と識別する方法を見つけ、米専門誌に発表した。チームによると、信頼性の高い識別法が考え出されたのは初めて。チームは国立インドネシア・コーヒーカカオ研究所が提供したコーヒー21種類のサンプルを分析。各サンプルを特殊な方法で気化させ、アミノ酸や糖などの含有率を調べ、ルアック・コーヒーに特徴的な成分比を発見した。
 ルアック・コーヒーは、インドネシアに生息しコーヒーの果実を食べるジャコウネコ(インドネシア語でルアック)の排せつ物から、消化されずに残ったコーヒーの種子(豆)を取り出し、洗浄、乾燥後に焙煎してつくる。インドネシア輸出業者団体によると、主にスマトラ島、ジャワ島、バリ島で生産される。年間生産量は推計20~30㌧と希少品のため、東京では1杯数千円で提供している店もあるという。だが、愛好家に人気があることから、まがい物も横行。ルアック・コーヒーに普通の安いコーヒー豆をブレンドなどし、本物と偽って販売する不正業者が後を絶たないといわれる。現在は熟練した検査員が味や香りを頼りに判別しているが、人手に限りがあり、信頼性のある科学的な識別法が待たれていた。

バタビア・アイヌの交流軸の新作取材で津島佑子さん初訪問

バタビア・アイヌの交流軸の新作取材で津島佑子さん初訪問
 作家の津島佑子さん(66)がこのほど、新作の取材で初めてインドネシアを訪れた。それは、17世紀、アジア広域で交易を展開したオランダの東インド会社の測量船が、バタビア(ジャカルタ)を出発し、日本の北方でアイヌ人と交流していた。そんな史実に基づく、日本の鎖国時代、バタビア、長崎、北方のアイヌの人々などを絡めた壮大なスケールで描く小説になるはずだ。そのため、小説の舞台となるオランダ植民地時代の面影が残る旧市街コタ周辺などを巡り、東インド会社の痕跡を丹念にたどった。
 オランダの東インド会社は1602年、バタビアで設立された世界初の株式会社とされる。植民地経営や外国との条約締結、自衛戦争遂行など準国家的な権限を持ち、バタビアを拠点に香料貿易を独占、コーヒーの強制栽培にも乗り出していた。
 小説の核に想定されているのは、江戸幕府の鎖国時代に日本の北方ルートを探索した東インド会社の測量隊だ。カストリカム号とプレスケンス号の2隻は1643年、バタビアを出発。国後島と択捉島の間の海峡を通り、サハリンまで行き、根室の海岸では2週間ほど停泊、船舶修理や食料補給などをした。人なつっこいアイヌの人々と鮭や木材などの物々交換も行われたという。
 津島さんは滞在中、インドネシア大学で開かれた講演会で震災以降、日本の作家が直面する困難な状況や早死にした文豪・太宰治に次女として母子家庭で育った女性の家族観などについて語った。

 

域内に活動拡大を 秋野政務官がスラバヤごみ処理施設視察

域内に活動拡大を 秋野政務官がスラバヤごみ処理施設視察
 環境省の秋野公造政務官は9月26日、日本の福岡県北九州市と東ジャワ州スラバヤ市の協力で建設された廃棄物の中間処理施設を視察した。ベトナム、マレーシアの高官も参加した。同施設は北九州市の西原商事がごみの分別工場と堆肥化処理施設を建設した。秋野政務官は、施設を拡大しスラバヤ市のごみ問題の解決に貢献することを目指し、ASEANの他の都市にもこのような取り組みを拡大していきたい-と話した。スラバヤ市のリスマ市長は、開かれた日・ASEAN閣僚級対話で同市の環境都市の取り組みを紹介したほか、10月下旬に北九州市で日本政府と経済協力開発機構(OECD)が開く国際会議に出席し、同市の活動を発表する。

2年目のインドネシア派遣開始 経産省のインターン制度

2年目のインドネシア派遣開始 経産省のインターン制度
 経済産業省の若手社会人・学生派遣事業「国際即戦力育成インターンシップ事業」で、2年目のインドネシア向け派遣が始まった。同事業は年々重要性が高まる人材のグローバル化を後押しする試みの一つ。インドネシアに派遣が決まったのは19人。9月27日には25日までに派遣された15人の懇親会が南じゃかるた・スミットマスの日本食料理店「バサラ」で開かれ、経産省の赤羽一嘉副大臣が訪れ激励した。
 今年度の事業は海外産業人材育成協会(HIDA)と日本貿易振興機構(ジェトロ)が実施。アジアを中心とする開発途上国へ20~35歳の学生や社会人を派遣し、インフラ輸出を支える人材の育成や両国の関係強化を図る。予算は昨年の2倍の7億5000万円まで拡大し、1人当たりの滞在費補助は月13万円。派遣者数も昨年の86人から今年は200人まで引き上げる計画だ。一次募集で104人が決定、現在二次募集している。

「日・イは運命共同体、友好を深めたい」次期駐日大使

「日・イは運命共同体、友好を深めたい」次期駐日大使
 次期駐日インドネシア大使に決まったユスロン・イフサ・マヘンドラ氏(55)はこのほど、今後の日本・インドネシアの関係について所信を披瀝した。じゃかるた新聞によると、同氏は日・イの政治や経済、社会など多岐にわたる分野について、流暢な日本語で説明。今後の両国関係について「日・イは運命共同体として互恵関係を構築し、さらに友好関係を深めていく必要がある」と強調した。
 同氏はインドネシア大学政治社会学部卒業後、1990年、筑波大に留学。同大で法学修士号、国際政治経済学博士号取得。日大国際関係学部講師、日刊紙コンパスの東京支局長を務めるなど計13年間にわたる日本滞在経験を持つ知日家。
2003年の帰国後、メガワティ政権で工業商業相補佐官。04年、月星党(PBB)から出馬し、国会議員に初当選。国会第1委員会副委員長として防衛を担当した。同氏は10~11月に着任の予定。

チキニで千葉大学生と地域住民らがつくった図書館を披露

チキニで千葉大学生と地域住民らがつくった図書館を披露
 じゃかるた新聞によると、千葉大の学生らが地域住民らと中央ジャカルタ・チキニで建設を進めていた図書館が9月22日、披露された。住居が密集する東南アジアの都市部の新しい建築モデルをつくろうと奮闘していた吉方祐樹さんや上田一樹さん、澤井源太さんら千葉大学の学生やチキニの住民らが集まったほか、住民に日本の”おもてなし”を知ってもらおうと、石州流野村派家元の堀一孝氏を招き、図書館で茶会を開いた。
 吉方さんらは千葉大学大学院で都市デザインを研究する岡部明子研究室に所属。図書館の建設は、岡部准教授が参加する総合地球環境学研究所のプロジェクト「メガシティが地球環境に及ぼすインパクト」の一環で、ジャカルタの中でもとくに住宅が密集するチキニの建築モデルを考案。図書館は2階建てで延べ床面積約25平方㍍ほどと小さいが、1階と2階を結ぶ吹き抜けをつくり、壁を白く塗り、光を反射するようにするなど、密集地区で快適に過ごせる工夫が施されている。日本では建築賞「SDレビュー」に入賞している。

 

六本木ヒルズでインドネシアフェス 2日間で2万人来場

六本木ヒルズでインドネシアフェス 2日間で2万人来場
 在日インドネシア大使館は9月21、22の両日、東京・六本木ヒルズで「インドネシア・フェスティバル2013」を開催した。日本・インドネシア国交樹立55周年の節目を迎えた今回は、2日間で昨年より9000人多い2万人が来場。大使館や企業、団体のブースが設置された会場に日本人、在日インドネシア人が詰め掛け、都心にさながら”リトル・インドネシア”が出現した趣だった。
 華やかなオープニングパレードで開幕。インドネシア各地の伝統舞踊はじめ、日本人バリ舞踊家・長谷川亜美さんが結成したバリダンスグループ「バスンハリ」などが踊りを披露。一見場違いな、六本木の高層ビル群の間で、多彩なインドネシア文化が来場者に紹介された。
 インドネシアからも歌手マイク・モヘデさんや、ロックバンド「チョクラット」元ボーカルのキカンさんらが懸け付け出演。ジャカルタを本拠に活動するアイドルグループJKT48のメンバー3人が「恋するフォーチュンクッキー」を歌い会場を盛り上げた。また、8月に「インドネシア・パレード」を実施した宮城県気仙沼市の商工会議所青年部のメンバーも会場で、東日本大震災後、同市を訪れたユドヨノ大統領の写真パネルやバロン(獅子舞)、オンデルオンデル(厄除け人形)を展示し、震災をきっかけに生まれた両国の市民交流を紹介していた。

日本・インドネシアの”懸け橋”JCCを外務大臣表彰

日本・インドネシアの”懸け橋”JCCを外務大臣表彰
 インドネシア語教室や生活セミナー、日本語教室を開講するジャカルタ・コミュニケーション・クラブ(JCC)は9月18日、日本とインドネシアの友好関係強化に寄与し、功績を残したとして、平成25年度外務大臣表彰を受けた。在インドネシア日本大使館公邸で行われた表彰式には、JCCのデシ・ジュニタ校長や甲斐切清子代表、日本語教師の渡辺彰吾さんら10人のスタッフが出席し、鹿取克章駐インドネシア日本大使から表彰状を受け取った。
 JCCは1997年に日本語学校として創立。教室での授業だけでなく、正月や七夕会、ジャカルタバスツアーなどのインドネシア人と日本人の受講生をつなぐ交流の場を設けてきた。インドネシアは日本語学習者数が世界2位で、創立以来17年間で約7000人を超えるインドネシア人と日本人の卒業生を送り出してきた。

工学分野で4大学と日系企業が産学連携の強化図る

 工学分野で4大学と日系企業が産学連携の強化図る
 国際協力機構(JICA)とインドネシア教育文化省が産学連携の強化を図っている。両者は「ASEAN(東南アジア諸国連合)工学系高等教育ネットワーク事業」を推進している。同事業に参画しているのがインドネシア大学(UI)、バンドン工科大(ITB)、ガジャマダ大(UGM)、スラバヤ工科大のインドネシアの主要国立4大学工学系学部。各種研究テーマごとに研究室を分類し、各研究者の経歴や研究施設の概要もまとめた「研究室ダイレクトリー」を作成。ASEAN域内で遅れをとるインドネシアの大学と日系企業の共同研究や人材育成など、協力関係構築を後押しする。
 9月18日には南ジャカルタのスルタン・ホテルで、JICAと教育文化省がセミナーを共催。日本およびインドネシアの企業関係者や大学関係者200人が参加し、インドネシアの企業と大学が工学分野での共同研究や人材育成で産学連携を促進する方法を話し合った。

愛媛・和歌山大学生が西ジャワ州ブカシ市の子供らと交流

愛媛・和歌山大学生が西ジャワ州ブカシ市の子供らと交流
 じゃかるた新聞によると、愛媛大学と和歌山大学の国際協力サークルの学生ら10人が9月15、16の両日、西ジャワ州ブカシ市のバンタルグバンごみ処理場近くの小中学校「アル・ファラー」を訪問した。日本語クラスの生徒を中心とする4~6年生の小学生37人が交流会に参加し、日本文化の紹介や料理、運動会などを通して交流を楽しんだ。
 小学生たちは当初、日本からの見慣れない客に多少緊張した様子だったが、1時間もすると大学生に折り紙を折るように求めたり、日本語で自己紹介しようと話しかけたりするまでに打ち解けた。大学生らが昼食にハヤシライスを振る舞った後は、白玉団子を一緒にこねるなどお菓子作りや、運動会などを通して、さらに盛り上がりをみせた。最後は小学生らによるアンクルン(竹製の伝統楽器)の演奏や、元日本留学生のインドネシア日本同好会(KAJI)のメンバーが弾くギターによる日本語の歌などで締めくくられた。その後、学生たちはごみ処理場という特殊な環境下にある子供たちの家庭を訪問し、父兄に話を聞いた。
 学生らは17日には今後のインドネシアとの関わり方を探るため、東ジャカルタのダルマ・プルサダ大学日本語学科の学生30人と話し合いの場を持った。その結果、日本・インドネシアの大学で継続した支援プロジェクトができるようにとの企画が持ち上がった。