豪農相のインドネシア訪問延期 大統領盗聴疑惑受け

豪農相のインドネシア訪問延期 大統領盗聴疑惑受け
 豪州のマシアス・コールマン金融相は11月25日、予定されていたバーナビ・ジョイス農相のインドネシア訪問が延期になったと明らかにした。豪州情報機関によるユドヨノ大統領はじめインドネシア政府要人らを標的とした盗聴疑惑に対し、インドネシアで抗議行動が起きているのを受けた措置。

いぜん活発なシナブン山噴火で避難民約1万8000人に

いぜん活発なシナブン山噴火で避難民約1万8000人に
 AFP=時事などによると、インドネシア北スマトラ州カロ県のシナブン山(標高約2460㍍)で、大規模な火山噴火が続いており、11月25日までに1万8000人弱が避難した。国家防災庁(BNPB)の報道官によると、シナブン山は25日にも6回噴火。噴火口は高さ2000㍍にまで及び、火山灰の柱が立ち昇った。これに伴い、警戒レベルが引き上げられたことで、前日までおよそ1万2000人だった避難民の数は、現在1万7713人に上っているとしている。

バスレーン進入 一律50万ルピアの罰金徴収を開始

バスレーン進入 一律50万ルピアの罰金徴収を開始
 地元メディアによると、ジャカルタ警視庁は11月25日から、一般車両がバスレーンに進入した場合、罰金一律50万ルピアを科す規制を開始したと明らかにした。違反者は規定の罰金を裁判所に支払うか、ATMで振り込む。警視庁が罰金徴収を強化する方針を明らかにした10月30日から11月25日までに二輪車で6269台、自動車で1154台の違反者がいたという。これまで罰金は、自動車で法定最高額の100万ルピア、二輪車で50万ルピアとされてきた。

警視庁が女性警察官のジルバブお披露目 着用奨励へ

警視庁が女性警察官のジルバブお披露目 着用奨励へ
 地元メディアによると、インドネシア中央ジャカルタの警視庁広場で、女性警察官のジルバブ(イスラム女性のスカーフ)姿がお披露目された。ジルバブの上にベレー帽、つば帽を被った15人の女性警察官が広場で行進。式典や巡回など職務によって異なる制服の組み合わせを紹介した。ジルバブは警察官の制服規定に含まれておらず、着用は正式に認められていないと見なされてきたが、イスラム団体が女性の権利侵害を批判。このほど国家警察庁長官が正式に認める方針を出した。今後、警視庁内でのジルバブ着用を奨励していく。

 

国家警察も豪州との協力を凍結 大統領らの盗聴疑惑受け

国家警察も豪州との協力を凍結 大統領らの盗聴疑惑受け
 インドネシア国家警察のロニー・フランキー・ソンビ報道局長は11月23日、地元メディアに対し、犯罪捜査などで豪州との協力関係を凍結すると発表した。ユドヨノ大統領ら政府要人を標的にした豪州情報機関の盗聴疑惑を受けた措置。期間は明確にしていない。

KPKが旧センチュリー銀行救済で副大統領を事情聴取

KPKが旧センチュリー銀行救済で副大統領を事情聴取
 インドネシアの汚職撲滅委員会(KPK)は11月23日、2008年に破綻した旧センチュリー銀行(現ムティアラ銀行)の救済に絡み、救済政策を決定した当時のインドネシア中央銀行総裁のブディオノ副大統領を、副大統領官邸で約7時間にわたり、任意で事情聴取した。副大統領は当時のリーマンショックがインドネシア金融界に波及するのを阻止したと成果を強調した。また、同銀行への公的資金注入が当初算定額の約10倍に膨らんだのは、破綻後に同銀行を監視下に置いた預金保証機構(LPS)の責任だと指摘した。KPKは正副大統領をも訴追する権限を与えられているが、副大統領を聴取するのは初めて。

来年の最低賃金カラワン,ブカシの工業地帯は22%超高に

来年の最低賃金カラワン,ブカシの工業地帯は22%超高に
 インドネシア西ジャワ州のアフマッド・ヘリアワン知事は11月21日、労組代表と会談し、2014年の最低賃金に関する決定書に署名した。この結果、インドネシア最大の工業地帯がある同州で工業団地が集中するブカシ、カラワン両県の2014年の最低賃金は、244万1301ルピアのジャカルタ特別州を上回る、前年比22%超高に確定した。自動車や電機・電子などセクター別の最低賃金はさらに上乗せされるため、同州に製造拠点を置く多くの日系企業をはじめ製造企業は、一段と厳しい経営を迫られることになりそうだ。
 西ジャワ州は州の最低賃金を定めず、各県・市ごとに最低賃金を決めている。最も高いのはカラワン県の244万7450ルピア。ブカシ県、ブカシ市もジャカルタ特別州を上回り、最低はマジャレンカ県の100万ルピアだった。
 主な自治体の2014年の最低賃金の確定状況は次の通り。
・カラワン県   244万7450ルピア(前年比22.4%高)
・ブカシ県    244万7445ルピア( 同 22.3%高)
・ブカシ市    244万1954ルピア( 同 16.3%高)
・デポック市   239万7000ルピア( 同 17.4%高)
・ボゴール市   235万2350ルピア(  同 17.5%高)
・ボゴール県   224万2240ルピア( 同  9.8%高)
・プルワカルタ県 210万ルピア  (  同 24.0%高)
・バンドン市   200万ルピア  ( 同 30.0%高) 

遅れる首都の洪水対策 長期的には地盤沈下も懸念材料

遅れる首都の洪水対策 長期的には地盤沈下も懸念材料
 12月から1、2月に雨季のピークを迎えるインドネシア。ジャカルタ特別州政府の治水事業は予算および重機など機器の不足から遅々として進んでおらず、実施できたのは洪水対策の20%程度といわれる。このままでは5年に1度とされるほどの大洪水に見舞われ、首都機能が完全にマヒした今年1月の二の舞になる恐れが指摘される事態となっている。
 同州の洪水対策は洪水頻発地域200カ所、160河川、12貯水池のそれぞれ改修、雨水を浸透させる「浸透井戸」1958基の設置などだが、同州内の884本の河川が約30年間にわたり1度も改修されていないほか、排水ポンプ73台のうち11台は故障している。貯水池の容積拡大も目標の20%にとどまっている。
 首都ではおよそ5年に1度、大洪水が起きて、成すすべもないまま被害を出し、今年の1月の大洪水の被害額は約20兆ルピアに上った。洪水対策の大幅な遅れとともに、被害額を増幅させる懸念があるのが、進行する首都圏の地盤沈下だ。公共事業省のデータによると、2011年時点でジャカルタの土地の40%が海抜ゼロメートル地帯にある。そして、2020年には首都の半分のエリアが海抜以下になるという。生活用水確保に地下水を汲み上げるため、その結果、地盤沈下が進んでいるのだ。

インドネシア 盗聴疑惑で豪州との外交関係を”格下げ”

インドネシア 盗聴疑惑で豪州との外交関係を”格下げ”
  AFP=時事によると、インドネシアのマルティ・ナタレガワ外相は11月19日、オーストラリアの情報機関がインドネシアの大統領はじめ閣僚ら政府要人の電話の盗聴を試みていたとされる疑惑を受け、オーストラリアとの外交関係を”格下げ”すると述べた。これは同日、ユドヨノ大統領がこれに先立って表明したオーストラリアとの協力関係を見直すとの声明をさらに一歩踏み込んだもの。同外相は、具体的な行動については明言しなかったが、協力している領域を一つずつ閉ざしていく考えを示した。インドネシアとオーストラリアは伝統的に戦略上、貿易上の友好国で、テロ対策や難民流入対策などの分野でも協力関係にあった。

ジャカルタ州内の884河川は30年間放置 ジョコウィ知事

ジャカルタ州内の884河川は30年間放置 ジョコウィ知事
 ジャカルタ特別州のジョコウィ知事は11月19日、州内の河川の浚渫作業を視察した際、州内の884の河川が約30年間にわたって一度も浚渫(しゅんせつ)されていないことを明らかにした。そして、洪水被害防止あるいは被害軽減には、河川に積もった土砂を取り除く浚渫が不可欠とし、担当部署に急ピッチの作業を指示した。ただ、予算の問題もあり、今シーズンの洪水にはほとんど間に合わない。
 国家防災庁(BNPB)によると、すでに11月13日、数時間降り続いた豪雨で河川が氾濫、南ジャカルタのチプリルなど首都25カ所で10~40㌢冠水が発生している。同州のアホック副知事も同10日、州の洪水対策のうち実施できたのは20%に過ぎないと明言している。州担当者によると、884の河川のうち20%弱の160の河川の浚渫は年内に終える予定だ。州は来年予算で数十台の重機を購入し、遅れている浚渫作業を強化するが、残りは来年になるとしている。