燃料値上げに反対し、MPBIが西ジャワ州各地でデモ

燃料値上げに反対し、MPBIが西ジャワ州各地でデモ
 インドネシアの労働者評議会(MPBI)は6月21日、燃料値上げによる物価上昇で今年の賃上げの効用が落ちるなどとして、西ジャワ州各地で燃料値上げに反対するデモを行った。デモがあったのはブカシ県の東ジャカルタ工業団地、リッポー・チカラン工業団地、県庁舎、県議会前などで、参加人員はブカシ県警によると3000人、労組発表によると1万人。MPBIは金属労連(FSMPI)の上部組織などを含む、複数の労組団体で構成される。  

ユドヨノ大統領が煙害でシンガポールとマレーシアに謝罪

ユドヨノ大統領が煙害でシンガポールとマレーシアに謝罪
 時事通信によると、インドネシアのユドヨノ大統領は6月24日、同国スマトラ島からの煙害でシンガポールやマレーシアの大気汚染が深刻化している問題で記者会見し、シンガポールとマレーシアの両国国民に謝罪した。煙害問題をめぐっては、インドネシアのラクソノ調整相(公共福祉担当)がシンガポールに対し、「子供のように振る舞ったり、騒いだりすべきでない」などと発言し、感情的な対立が深まっていた。 

違法野焼きで逮捕者 煙害発生源のインドネシアリアウ州で

違法野焼きで逮捕者 煙害発生源のインドネシアリアウ州で
 インドネシア・スマトラ島のリアウ州警察は6月24日までに、同州ロカン・ヒリル県の農園で野焼きをしたとして、農園所有者で元国営銀行行員の男を逮捕した。同州を中心とするスマトラ島ではここ数日、野焼きの延焼による火災が広範囲に広がり、深刻化。周辺国、とりわけシンガポール、マレーシアでの重度の大気汚染の原因になっている。

政府が7・8月分の貧困層現金給付開始 燃料値上げに呼応

政府が7・8月分の貧困層現金給付開始 燃料値上げに呼応
 インドネシア政府は補助金付き燃料値上げに合わせ、全国の主要都市で6月22日、7・8月分の貧困層現金給付(BLSM)を開始した。BLSMは燃料値上げと抱き合わせで国会に提出された貧困層への補償政策の一つ。物価上昇の影響を大きく受ける貧困層に直接補助金を支給する。政府は9.3兆ルピア(約930億円)の予算を計上し、全国の1550万世帯に月15万ルピアを4カ月間給付する計画。今回は7・8月分の30万ルピアがまとめて支給される。

燃料値上げ発表後も、全国で学生らが撤回求めてデモ

燃料値上げ発表後も、全国で学生らが撤回求めてデモ
 地元メディアによると、インドネシア政府の補助金付き燃料の値上げ発表後、6月21日夜から22日にかけて全国の学生らは値上げ撤回を求めて抗議デモを行った。デモはジャカルタ、ジョグジャカルタ、マカッサル、バンドンなど各地で発生した。ジャカルタでは中央ジャカルタ・メンテンのディポネゴロ通りや南ジャカルタ・パサールミングなどを中心に過激化した。学生らは警察に石や火炎瓶を投げて道路わきの植木鉢など公共物を破壊。催涙弾で応戦した治安当局と衝突した。

 

街づくりに市民も参加を! ナイト・フェスティバル

街づくりに市民も参加を! ナイト・フェスティバル
 ジャカルタ生誕486周年記念行事の一環として開催された「ジャカルタ・ナイト・フェスティバル」のオープニングにあいさつで、ジャカルタ特別州のジョコウィ知事は、ジャカルタ土着のブタウィ人なまりの言葉で「市民自ら積極的にジャカルタの街をつくっていこう」と呼びかけ、来場者の拍手喝采を浴びた。
 同フェスティバルは6月22日午後6時~23日午前2時まで独立記念塔(モナス)からホテル・インドネシア(HI)前ロータリーまで目抜き通りを歩行者天国にし、詰め掛けた数万人の市民が、8カ所に設置されたステージで行われた音楽ライブをはじめ、様々な催しを楽しんだ。
 南ムルデカ通りの州庁舎前では生誕486年に因み、高さ4.86㍍に盛ったナシ・クニン・トゥンペン(祝用の山型に盛られたご飯)を用意。486等分し、来場客に配られた。この日、州内を運行するトランスジャカルタの乗車券やアンチョール公園の入場も無料となった。

インドネシア発の煙害深刻化、マレーシアで非常事態宣言

インドネシア発の煙害深刻化、マレーシアで非常事態宣言
 インドネシアにおける野焼きと森林火災に伴い発生した大量の煙が近隣へ流れ込み、マレーシアの一部地域で6月23日、非常事態宣言が出される事態となった。非常事態宣言が出されたのは、海を隔てて隣接するマレーシア南部ジョホール州で、街が煙に覆われたという。
 AP通信によると、大気汚染のレベルが「人体に危険」とされる水準を超えたため、地元当局は州の一部に非常事態宣言を出して、市民に外出を控えるように呼びかけている。また、首都クアラルンプールでも大気汚染が「健康に悪い」とされるレベルまで悪化した。

歩行者天国、マラソン大会などナイト・フェスティバル

歩行者天国、マラソン大会などナイト・フェスティバル
 ジャカルタ生誕486周年記念行事の一つとして、州政府は6月22日午後6時~23日午前2時、独立記念塔(モナス)からホテル・インドネシア(HI)前ロータリーまでの目抜き通りを歩行者天国にし、「ジャカルタ・ナイト・フェスティバル」を開催する。モナスやタムリン通り、HI前ロータリーにかけ計8カ所にステージを設置。音楽や踊り、演劇などのグループが出演し、周辺のホテルは宿泊客にジャカルタ土着のブタウィ料理を提供する。
 23日には10㌔マラソン大会が開かれるなど、州は中央ジャカルタ・クマヨランで開催中の「ジャカルタ・フェア」とともに、様々なイベントを予定している。

スカルノハッタ国際空港で受託手荷物の破損や盗難続発

スカルノハッタ国際空港で受託手荷物の破損や盗難続発
 地元紙によると、バンテン州タンゲランのスカルノハッタ国際空港で、受託手荷物の破損や荷物内の貴重品の盗難が相次いで報告されている。このため、空港当局は航空会社・警察と協力して盗難防止に努めるとしたうえで、空港利用客へ貴重品を受託手荷物の中に入れないように呼びかけている。
 被害の多くはスーツケースや土産物などを入れた段ボール箱の損壊、コンピューターなど貴重品の盗難。国営空港管理の第2アンカサ・プラは受託手荷物の盗難・破損の対応は基本的に航空会社の責任としたうえで、警察や航空会社と連携して問題解決に取り組む意向を示している。また防止には、利用客の協力が不可欠とし、スーツケースのビニール袋包装サービス(料金3万~3万5000ルピア)の利用や荷物の受け取り直後の中身の確認を求めている。
 格安航空のライオン・エアは現状に懸念を示し、空港側と協力し、警戒態勢を強める方針。格安航空アジア最大手のエア・アジアも遺失物の重量に応じた補償や受託手荷物の安全管理担当職員の増員で対応している。

貧困層への現金給付に批判・疑問噴出 政党が分け合う懸念

貧困層への現金給付に批判・疑問噴出 政党が分け合う懸念
 今月中にも実施される予定の貧困層への現金給付(BLSM)をめぐり、政党の資金調達の場になる懸念や、事業自体の効率性を疑問視する声など批判が噴出している。
 BLSMは貧困層への補償の12.5兆ルピアのうち9,3兆ルピアを占める。貧困層の1550万世帯に対して月15万ルピアを4カ月間給付。当初、5カ月を予定していたが、期間が短縮されたため、余剰金となった2兆3100億ルピアを地方でのインフラ開発1兆2500ルピア、警備費3600億ルピア、給付に係る費用2796億ルピアなどに費やそうというもの。
 ただ、規模の大きいBLSM予算が、連立与党により来年の総選挙・大統領選の費用に流用されるとの観測が出ている。非政府組織(NGO)「予算透明性フォーラム」は、BLSMは補正予算に賛成した政党が、パイを分け合う形なり得る。汚職のイメージの与党の間で金を分け合うということ-などと批判している。
 政府の政策論拠は、燃料値上げに伴う貧困対策がない場合、物価上昇が貧困層に打撃を与え、政府試算では貧困率が10.5%から12.6%まで上昇するとの見立てにある。だが、今のまま予算が執行されても、貧困層への現金給付という本来の目的が”大義名分”として使われ、薄く・浅く貧困層に渡るだけに終わりそうだ。