橋脚検査などで首都モノレール着工は年末にずれ込むか
2016年営業開始予定の首都モノレール計画の着工が年末にずれ込みそうな情勢となってきた。これは開発を担う企業連合ジャカルタ・モノレール(JM)幹部が6月19日、明らかにしたもの。当初は4月の着工を目指していた。着工遅れは、計画が中断する前に建てられた橋脚の品質評価や州による許認可が遅れていることが原因という。
問題の橋脚は国営建設アディ・カルヤが08年以前に建設し、放置されている。JMは90本をアディ・カルヤから1900億ルピアで譲り受けることで合意しているが、この橋脚が十分な強度を持っているかどうかの検査などに時間がかかっているという。
モノレールは04年に着工したが、資金確保難で、08年3月以降、工事は頓挫。11年9月に凍結が宣言された。ところが、ジャカルタ特別州の知事に就任したジョコウィ知事が首都圏の交通渋滞緩和策として、モノレール計画の工事の早期再開を目指していた。首都モノレールは、南ジャカルタの警視庁前~サトリア・マンダラ軍事博物館前の間の14.27㌔㍍を結ぶ路線(グリーンライン、16駅)と、東ジャカルタのカンプン・ムラユと西ジャカルタのロキシーを結ぶ9.72㌔㍍の路線(ブルーライン、11駅)で建設を計画。1日当たり30万~80万人の輸送を目指している。
森林火災による国境越えた近隣国への煙害さらに悪化
森林火災による国境越えた近隣国への煙害さらに悪化
インドネシア・スマトラ島の森林火災などから発生した大量の煙がシンガポール、マレーシアなど近隣諸国へ流れ込み、被害が相次ぎ、一部の国で深刻な大気汚染を招くなど影響が拡大、長期化しつつある。ロイターなどによると、煙の被害に見舞われてから4日目となったシンガポールでは6月20日、大気汚染のレベルが過去最悪の記録を更新し、一時「人体に危険」なレベルに達したという。
そのため、シンガポール政府は子供や高齢者などになるべく外出は控えるように呼び掛けており、マスクが飛ぶように売れている。また旅客機が遅延するなどの影響も出ている。マレーシアでも大気汚染が深刻化しつつあり、210以上の学校が休校になるなど影響が広がっている。
今回の煙害発生の原因は、農地を広げ土地を肥えさせるためにスマトラ島で伝統的に行われている野焼きと、それに伴う森林火災によるものといわれている。
補助金燃料引き上げで生活必需品は5~10%値上げへ
補助金燃料引き上げで生活必需品は5~10%値上げへ
補助金付き燃料がまもなく引き上げられる影響で、石油誘導製品の価格転嫁の動向が注目されている。バユ貿易副大臣は6月18日、生活必需品の販売価格が5~10%値上げされ、平均8.2%、最大10%上昇するとの見通しを示した。日用品メーカーの間では燃料の値上がりを見越して、これまで採算の悪い品目についてはすでに値上げに踏み切っているところもあると語った。
シドアルジョ泥噴出事故の被害者支援に1550億ルピア
シドアルジョ泥噴出事故の被害者支援に1550億ルピア
地元メディアによると、6月17日に国会で可決した2013年補正予算で東ジャワ州シドアルジョ県の泥噴出事故の被害者支援として、シドアルジョ泥噴出対策庁(BPLS)に1550億ルピアを計上していたことが分かった。予算は事故被害者の新居建設のための土地や住居の購入資金などに充てられる。事故で直接的被害があったシリン村など3村、間接的被害を受けた地区の被害者にも支払われる。
ジャカルタ特別州が娯楽施設の深夜営業時間の短縮を検討
ジャカルタ特別州が娯楽施設の深夜営業時間の短縮を検討
ジャカルタ特別州は、ナイトクラブなど深夜営業する娯楽施設で禁止薬物の取引や使用が横行しているため、当該施設の営業時間を短縮する方向で検討に入った。ジョコウィ知事が6月17日、アグン・ラクソノ公共福祉担当調整相や国家麻薬委員会(BNN)のアナン・イスカンダル委員長、教育文化省、保健省の担当者らを交えた会合後、方針を説明した。ただ、業界団体は営業機会を奪うものとして反発している。
現行規制ではナイトクラブやディスコ、カラオケなどの営業は、午後2時から翌午前3時までと定められている。地元メディアによると、州政府は段階的に営業時間を短縮させ、最終的には午前1時までとすることを検討している。州の文化観光局によると、州内には当該施設は1322件ある。またBNNによると、ジャカルタ特別州には違法薬物の常習者が49万人と推計しており、全国の州で最も多い。
インドネシア全国各地で燃料値上げに反対のデモの波
インドネシア全国各地で燃料値上げに反対のデモの波
6月17日夜、補助金付き燃料値上げの前提となる2013年度の補正予算が成立したことを受けて、インドネシアの全国各地で値上げに反対するデモがあり、一部では治安部隊と衝突するケースもみられた。地元メディアによると、ジャカルタでは国会前に集まった学生たちがタイヤを燃やし、火を消そうとする警官隊ともみ合いになった。中央ジャカルタのチキニでは約20人の学生が道路の中央で紙などを燃やし、道路が一時、通行不能になった。
南スラウェシ州マカッサルでは学生と活動家らが高速道路を封鎖。州知事庁舎に投石したほか、火炎瓶も用いたため、警察は催涙弾などで対応した。ジャンビ州では州議会前に集まったデモ隊と警官隊が衝突。西スマトラ州パダンでも学生のデモ隊が州議会に詰め掛けた。北マルク州テルナテでは警官隊の催涙弾で大学生6人が負傷した。
スマトラ島の森林火災の煙霧被害が近隣国に広がる
スマトラ島の森林火災の煙霧被害が近隣国に広がる
インドネシアのスマトラ島の大規模な森林火災が原因とみられる煙霧被害が、シンガポールやマレーシアに広がっている。時事通信によると、6月17日、この煙霧被害によりシンガポールの大気汚染指数が2010年10月以来2年8カ月ぶりに「不健康」とされる水準に上昇した。シンガポールの国家環境庁は、この煙霧が今後数日続くと予想している。
増加する野生動物の密売 アチェ州カンダン村
増加する野生動物の密売 アチェ州カンダン村
スマトラ島アチェ州カンダン村のはずれにある民間の動物園では、絶滅危惧種の動物が展示されており、購入することもできる。絶滅危惧種の取引は本来、違法だが、訴追されることは少ないという。スマトラオランウータン保全プログラムによると、同国では森林をパーム油のプランテーションや農業用地に転用する動きが急速に進んでおり、野生動物の密売が増加している。
丸紅がインドネシアで2審に敗訴 最高裁で勝訴の案件
丸紅がインドネシアで2審に敗訴 最高裁で勝訴の案件
丸紅はこのほど、インドネシアでのグヌンスギ訴訟の第2審(タンジュンカラン高等裁判所)で、被告7名のうち、丸紅を含む被告5名が連帯して原告のシュガーグループに対して、合計2億5000万㌦の損害賠償の支払いを命じる判決があったことを発表した。この裁判はシュガーグループとの間で、債権の有無を巡って争われたもので、別の訴訟においてはインドネシア最高裁判所ですでに丸紅勝訴の判決が言い渡されていた。丸紅は同一内容で請求を繰り返す荒唐無稽な訴訟で、最高裁に上告するとしている。
モナス版ジャカルタ・フェアの実験、地方製品フェア開催
モナス版ジャカルタ・フェアの実験、地方製品フェア開催
ジャカルタ生誕記念事業の一つとして、州政府は6月14~16日、中央ジャカルタの独立記念塔(モナス)広場で「地方製品フェア(PPKD)」を開催した。州政府は中央ジャカルタ・クマヨランの国際展示場(JIエキスポ)で開幕した物産展「ジャカルタ見本市(ジャカルタ・フェア)」について、小規模事業者や家庭内産業の参加を促進できていないなどとして、モナスへの会場移転も含め大幅に見直す姿勢を示しており、今回の地方製品フェアを来年のジャカルタ・フェア改善に向けた実験として位置付けていた。
会場にはステージが3カ所設置され、ジャカルタ土着のブタウィ人の演劇や音楽、舞踊のグループが出演。カディン(商工会議所)が「伝統文化に基づいた産業」と題してトークショーを開催した。物産展の物産展の出展者も工芸品やブタウィ料理などの零細企業が中心となった。
ジャカルタ特別州のジョコウィ知事はイベントのコンセプトや会場設営などを全面的に見直し、JIエキスポとモナスの両会場で、それぞれ異なるコンセプトのイベントを同時開催することも含めて検討する方針を示している。