収賄場面を隠し撮りされた警察官2人に懲戒処分
オランダ人ジャーナリストがテレビ番組制作のため、海外での飛び込み取材の中で隠し撮りで、バリ州クタの警察官が観光客から賄賂を受け取る様子を収めた問題で、バリ州警察はこのほど、収賄した警察官2人に懲戒処分を下した。州警察は警察法の規律規定に違反したと認定し、2人にそれぞれ禁錮21日、禁錮14日を下した。
「結束を固め要望活動を積極化」JJC本岡新理事長
「結束を固め要望活動を積極化」JJC本岡新理事長
4月17日開かれたジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)の2012年度定時会員総会で、来年4月までの新理事長に選出された本岡卓爾さん(伊藤忠商事インドネシア支配人兼伊藤忠インドネシア社長)は、とりわけ意見具申活動を推進するにあたって「JJCとして一段と結束を固め、各委員会を中心に積極的に要望活動を展開していきたい」と協力を呼び掛けた。来年の大統領選に向け”政治の季節”を迎え、近視眼的、保護主義的で大衆迎合的な政策に向かいつつあるとみられるためだ。
本岡新理事長が就任あいさつで挙げたのは①投資環境改善に向けた意見具申活動②ASEAN諸国との関係強化③危機管理、医療対策の推進④個人部会活動を通じた交流推進⑤会員増を踏まえた会員サービスの強化-の5点。
JJC会員数は、12年度は24社の純増(入会39社、退会15社)となった。その結果、3月末で法人会員数は504社と初めて500社の大台を超えた。
隠し撮り動画の波紋広がる バリ警察はオランダ人処罰を検討
隠し撮り動画の波紋広がる バリ警察はオランダ人処罰を検討
バリ州クタの警察官が、観光客から”袖の下”20万ルピアを受け取る様子を収めた動画が投稿サイト「ユーチューブ」に投稿され、波紋が広がっている。警察当局は、観光客を装い問題の動画を隠し撮りしたオランダ人ジャーナリスト、キース・ファン・デル・スペック氏にも賄賂を渡したとして、刑事処分を下す姿勢を示している。
スペック氏は、オランダの民間テレビ局SBS6の番組「世界のペテン師」制作のため、海外で飛び込み取材している。そのため警察官のほか、両替商が紙幣を数える際、手元に引き落とす手口で盗む様子や、ングラライ空港職員がカメラ機材持ち込み料として、同行スタッフから200㌦を受け取る様子を撮影、いずれの動画もユーチューブに投稿されている。
観光業者らは、州政府にバリのイメージ回復のための方策を講じるよう訴えるほか、今回の動画問題を受け、観光客から苦情・提案を受け付けるための機関を新たに設置する意向を示している。
南ジャカルタで1時間2万ルピアと破格のカラオケ
南ジャカルタで1時間2万ルピアと破格のカラオケ
南ジャカルタ・チプリルに1時間2万ルピア(部屋貸し)と破格のカラオケ店が憩いの場を提供している。同地の中間層向けのモール「ITCチプリル」の5階にあるカラオケボックス「ミスター・ローチェス」がそれだ。大型トラックの運転席ほどの狭い部屋が2列で7部屋並び、大音響が混じりあう。薄暗い証明、ブラウン管テレビの灯り、月面を描いた壁紙、冷房のない部屋は熱気を帯びている。ぼろぼろの部屋の造り、落書きだらけの板のドアなど。破格の安さだけに、日頃、見慣れた都会的できれいなファミリーカラオケとは似ても似つかない光景だ。
面白いのはどの部屋も戸を開けたまま、熱唱しているところ。しかも、それぞれが知り合いらしく、各部屋を人々が往き来する。客は歌うことが楽しくて仕方がない様子だ。店が提供するのはコーラとテ・ボトルだけ。アルコールなしでテンションを上げるのだ。店を一人で切り盛りする従業員によると、3年前に開店、平日は50組、休日は100組ほどくるという。平日の客は30代後半以上が中心で、多くがモール内の従業員。料金は30分1万ルピア。だから、時間を気にせず、思う存分大声で歌い、ストレス発散できるのだろうか。
11州で統一卒業試験問題遅配 教育相の責任問題に波及
11州で統一卒業試験問題遅配 教育相の責任問題に波及
高校3年生対象の全国統一卒業試験(4月15~18日)が試験問題の遅配に伴い、全国33州のうち遠隔地の11州で延期されたことで、印刷事業を統括したムハンマド・ヌー教育文化相の責任問題に波及しつつある。ユドヨノ大統領は空軍に指示し、問題用紙を当該遠隔地へ緊急輸送した。これによりスマトラ島やカリマンタン島の各州、バリ州、東・西ヌサトゥンガラ州など11州の高校生約110万人は18日、3日遅れで試験を開始する予定だ。
ヌー教育文化相は、遅配は印刷会社の不備が原因と釈明。試験問題の印刷事業を受注した印刷会社6社のうち、遅れが出たのはガリア・インドネシア・プリンティング(GIP、西ジャワ州ボゴール)の1社だけだったと強調した。非政府組織(NGO)「予算透明性フォーラム」(FITRA)は印刷事業を問題視。GIP社に不審な点があるとして、汚職撲滅委員会(KPK)に告発した。
クレジットカードの取引額は好調、発行枚数は頭打ち
クレジットカードの取引額は好調、発行枚数は頭打ち
インドネシア中央銀行が発表した統計によると、2013年2月のクレジットカードの取扱額は、前年同月比5%増の15兆9027億ルピアとなっている。民間銀行のキャンペーンや所得水準の向上を背景に、デビット取引が増加した。一方、2月の発行枚数は前年同月比0.2%減の1462万枚だ。中銀がクレジットカード保有に関する新規定を施行した12年初頭以来、頭打ちで発行枚数は伸びていない。
こうした中、5月にはクレジットカード大手の米系シティバンク・インドネシアが、新規発行業務を再開する。クレジットカード枚数で20%のシェアを占める同行が、どのような戦略で臨むのか大いに注目される。
「地元経済団体とのより深い関係構築を」JJC役員交代
「地元経済団体とのより深い関係構築を」JJC役員交代
ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)は4月17日、年次総会を開き新役員を選出する。インドネシア経済が好調を維持した1年。日本からの視察団も相次いだ。昨年4月からの1年間、JJC理事長として経済や文化などの交流活動に奔走してきた水野正幸さん(三菱商事常務執行役員、アジア大洋州統括兼インドネシア総代表)は「以前と比べ、事前勉強をきちんとし、目的意識を持ってくる視察団が増えた。質問も具体的になってきた」と語り、海外進出実現に結び付けようとする企業が増加していることを肌で感じたという。
ただ、インドネシア進出企業にとって、あるいは今後進出を考える企業にとってネガティブな事例も出てきた1年だったとも話す水野さん。最低賃金の大幅引き上げや違法デモ、日本人の軟禁や暴力、アウトソーシング問題といった労働問題はインドネシアの安価で豊富な労働力という評価を考え直す時期にきたことをうかがわせた。
カディン(商工会議所)やアピンド(経営者協会)など経済団体との交流では「懇親を進めてきたが、共同で何かに取り組むような関係は構築できなかった。今後はこれら地元経済団体とより深い関係を築いてほしい」との水野さんの反省点は、次期理事長に託される。
首都圏工業団地の需要一服 !~3月販売面積は44%減
首都圏工業団地の需要一服 !~3月販売面積は44%減
米系不動産クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)の調査によると、インドネシア首都圏の工業団地の1~3月販売面積は前年同期比44%減の86㌶にとどまり、需要は一服気配となった。10㌶を超える大型取引がなかったためで、100㌶を割ったのは3年ぶりという。これに伴い、通年では前年比16%減の500㌶程度となる見込みだ。
1~3月販売面積の地域別内訳は西ジャワ州ブカシとプルワカルタが86%、バンテン州タンゲランとセランが14%を占めた。用地取得企業に産業別の偏りはなかった。1社当たりの購入面積は平均2.8㌶で、前期の4.0㌶、前年同期の3.8㌶に比べ縮小した。1平方㍍当たりの平均価格は前年同期比27.0%高の168万4000ルピア(約1万6900円)で、前期から0.6%上昇した。
来年から貧困層向け助成米の購入量の上限を引き上げ
来年から貧困層向け助成米の購入量の上限を引き上げ
地元メディアによると、アグン・ラクソノ公共福祉担当調整相は4月11日、貧困層向けの助成米の1カ月の購入量の上限を、来年1月1日から現行の15㌔から5㌔引き上げ、20㌔とする方針を明らかにした。これは、貧困層が米を安く買うことができる政府の政策「ラスキン」の内容を改正するもの。ちなみに、市場に出回る米の相場は1㌔当たり7000~1万ルピアだが、助成米は同1600ルピアと大幅に安い。
保健相が東ジャワ州各地の10代の早婚急増を懸念
保健相が東ジャワ州各地の10代の早婚急増を懸念
地元紙によると、ナフシア・ムボイ保健相は4月9日、とりわけ東ジャワ州で急増している10代の若者の早婚による出産が、妊婦の死亡につながるリスクが大きいとの懸念を表明した。身体の未発達な年齢での出産による、母体への負担が大きすぎるためだ。東ジャワ州マランではここ2年間に早婚が30%増加。同クディリ県宗教局によると、10代の若者による結婚申請が増加しており、申請者のうち最年少は14歳の女子中学生と16歳の男子高校生だという。
国連人口基金(UNFPA)は2012年10月、20~24歳のインドネシア人女性のうち22%が18歳未満で結婚し、農村部で早婚の傾向はいまだに高いと報告している。インドネシアの国家家族計画・人口庁(BKKBN)によると、妊産婦死亡率は年平均17%と高く、1時間に2人の妊婦が死亡していることになるとしている。