経営者協会会長が3月に50万人の解雇を予測

経営者協会会長が3月に50万人の解雇を予測
 インドネシア経営者協会(アピンド)のソフヤン・ワナンディ会長は2月20日、最低賃金の大幅上昇に伴い、製造業の生産コストが前年比4~9%高となる見通しを示すとともに、これにより賃金支払いが滞る企業が約1500社に上り、3月に50万人が解雇されるとの大胆な予測を明らかにした。
 同会長は、政府は2年連続で赤字とならない限り、賃上げを凍結することはできないと定めた労働移住相令2003年第231号の改正に消極的になっていると強調し、政府に企業の経営収支の改善につながる対応を求めた。

 

最低賃金の適用延期の取り下げ求め労組が提訴

最低賃金の適用延期の取り下げ求め労組が提訴
 インドネシア労働者評議会(MPBI)などの労働組合連合は2月22日、今年の県・市別最低賃金(UMK)の適用延期を認めた西ジャワ州知事令の取り下げを求める書簡を、同州バンドンの行政裁判所に提出した。
 西ジャワ州の最低賃金は前年比で平均25.6%上昇した。しかし、州政府は州内257社に今年の最低賃金の適用延期を認めた西ジャワ州知事令561号(1月18日施行)を発令しており、MPBIはその取り下げを求めている。ただ、同州労働移住局長は各企業の労使間で合意された上での許可であり、労働組合の承認なしに、適用延期の許可は出していない-としている。

1カ月以内にジャカルタのモノレール計画で大統領令

1カ月以内にジャカルタのモノレール計画で大統領令
 インドネシアのダフラン・イスカン国営企業担当国務相は2月19日、5国営企業連合によるジャカルタのモノレール計画について、1カ月以内に計画に関する大統領令が発令される見込みと明らかにした。
 国営企業連合は東ジャカルタ・チャワンからブカシ県東ブカシ、南ジャカルタ・クニンガン、ボゴール県チブブールを結ぶ路線を提唱。すでにこの計画に対し、様々な情報が飛び交い、国営企業を管轄するダフラン国務相は、国営ゼネコンのアディ・カルヤ社らの受注を支援している。このほか投資会社が参入する見通しも取り沙汰されている。ジョコウィ州知事は今月中に事業者を確定すると表明、早期の事業開始を要請している。

最低賃金の適用延期と、実施求める労組側の対立鮮明化

最低賃金の適用延期と、実施求める労組側の対立鮮明化
 13年1月から適用された最低賃金の適用延期を求める経営者側と、完全実施を求める労働組合側との対立の構図が鮮明化しつつある。1月からインドネシア全域で大幅に賃金が上昇した結果、予想された企業の倒産や労働者の失業が発生している。インドネシア経営者協会(APINDO)は、労働集約型産業や中小企業から最低賃金の適用延期申請が行われている状況を踏まえ、政府は直ちに各社に適用延期の認可を与えるべきだとしている。これに対しインドネシア金属産業労働組合連盟(FSPMI)は、ジャカルタ中心部で1万人規模のデモを行い、最低賃金適用の完全履行などを求めている。     

12年の外国人観光客は政府目標の800万人を突破

12年の外国人観光客は政府目標の800万人を突破
 インドネシアの中央統計庁によると、2012年に同国を訪れた外国人観光客は前年比10.54%増の804万人となり、政府目標の800万人を突破した。外国人観光客を最も多く受け入れたのはバリ島のングラライ国際空港で前年比4.07%増の290万人、ジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港が同6.25%増の205万人で続いた。観光収入は91億㌦(約8520億円)で同5.81%増となった。ホテルの客室稼働率も56.07%と前年から0.5ポイント改善した。

インドネシアに新種フクロウ ロンボク島で発見

インドネシアに新種フクロウ ロンボク島で発見
 インドネシア・バリ島の東隣に位置するロンボク島に生息するフクロウが新種と分かった。スウェーデン自然博物館などの国際チームが米科学誌プロス・ワンに発表した。ロンボク島にはインドネシアで2番目に高い火山のリンジャニ山(標高3276㍍)があり、この新種フクロウは2003年以降の調査で、標高25㍍から1350㍍までの範囲で分布、生息することが確認されている。

最低賃金の適用延期なければ最大90万人解雇も

最低賃金の適用延期なければ最大90万人解雇も
 インドネシアのヒダヤット工業相は2月13日、一部地域で40%以上上昇した2013年の最低賃金をめぐり、この適用の延期が適切に実施されない場合、労働集約型産業で少なくとも1320社が解雇に踏み切らざるを得ず、最大90万人が4月までに解雇されることになるとの厳しい見通しを明らかにした。実業界出身の同相は、大量解雇を防ぎ、産業を保護する必要があるとして、「2年連続で赤字とならない限り、賃上げを凍結することはできないと定めた03年の労働移住相令を見直す必要がある」としている。
 労働移住省のスハルトノ報道官によると、インドネシア経営者協会(アピンド)、同商工会議所(カディン)と協議しながら、同令の改定に向けて手続きを進めている。その結果、最低賃金適用延期を申請した企業のうち、13日時点で約半分の946社に延期を許可したという。

KPPUが牛肉輸入で調査開始 カルテルの疑いで

KPPUが牛肉輸入で調査開始 カルテルの疑いで
 事業競争委員会(KPPU)は、牛肉輸入でカルテルの可能性があるとして調査に乗り出した。これは牛肉市場で特定の輸入業者が談合し供給量、価格を不正に操作しているとの嫌疑で、2月6日に公聴会を開き、関係省庁や団体、消費者協会などの幹部らから説明を受けた。
 大統領の経済諮問機関・国家経済委員会(KEN)は1月、許可を持つ少数の輸入業者が牛肉を含む5品目の市場でカルテルを組んでいる可能性があるとの見解を示していた。農業省によると、牛肉価格は現在ジャカルタで1㌔当たり9万~9万5000ルピア、東ジャワ州スラバヤで同約7万5000~8万ルピアと、1年で最も高い時期の犠牲祭の水準(同約8万ルピア前後)もしくは、これを上回る価格で推移している。

 

住民の36.1%が「票の買収は一般的」州知事選前調査

住民の36.1%が「票の買収は一般的」州知事選前調査
 地元メディアによると、インドネシア調査研究センター(リンカラン・サーベイ・インドネシア=LSI)が2月24日実施される西ジャワ州知事選について行った調査で、住民の36.1%が「票の買収は一般的」と回答した。票買収の慣行が根強いことが改めて浮き彫りになった格好。買収の際の見返りは、半数以上がスンバコ(コメなど9種の生活必需品)、そして現金は25.7%だった。汚職撲滅委員会(KPK)のアドナン・パンドゥプラジャ副委員長は、票の買収はほぼすべての州であるとの見方を示している。

異色のインドネシア大の環境大学ランキング

異色のインドネシア大の環境大学ランキング
 大学の国際競争力を知るために、国際大学ランキングに関心が集まっているが、インドネシア大学の環境大学ランキング、グリーンメトリック(GM)は、異色の大学ランキングとして注目されている。GMは、環境持続性への努力に関する基礎的な指標を組み合わせてつくる総合ランキングだ。国際的に幅広い影響力がある英国のタイムズ・ハイヤー・エデュケーションや、中国の上海交通大学などが行っている多面的な指標を組み合わせた総合ランキングとは、明らかに一線を画したものだ。
 GMの評価指標は①基盤(15%)②エネルギー・気候変動(21%)③廃棄(18%)④水(10%)⑤輸送(18%)⑥教育(18%)-の6項目にそれぞれ重み付けをしている。基盤ではオープンスペースの割合やキャンパスの森や緑で覆われた割合などが示され、エネルギー・気候変動では温暖化ガス排出の削減も評価対象。輸送では車両規制や歩道・自転車道の整備などがチェックされる。これなら先進国の有名大学でなくても、ランク入りは可能だ。一般に途上国の大学の方がエネルギー消費量が少ないため、GMは途上国の大学も参加しやすいランキングというわけだ。