インド「モディノミクス」で内需回復期待へ株価急上昇

インド「モディノミクス」で内需回復期待へ株価急上昇

 10年ぶりの政権交代が実現したインドで、内需回復への期待含みで内需企業や国営企業の株価が急上昇、モディ新政権による経済改革「モディノミクス」への期待感で、消費者心理が確実に上向いていることを印象付けている。

 マルチ・スズキの株価は5月初めから上昇、約3割上げている。同社の5月の国内新車販売台数は前年同月比16%増となった。2ケタ増は9カ月ぶりのことだった。また、非効率経営で業績が低迷している国営企業も株価が急騰。5月上旬以降、インドステイト銀行は3割上昇、石炭大手コール・インディアも3割高、インド火力発電公社(NTPC)も4割の急騰ぶりだ。

 ①インフラ整備の活性化②製造業誘致による雇用増③国営企業の改革・効率化④防衛、保険など外資規制の緩和⑤税制簡素化・労働法規見直し-など、市場関係者の間ではモディノミクスで予想される政策の早期打ち出しと実施・断行に一段と期待が高まっている 

香港の5月のPMI49.1で過去11カ月で最低に

香港の5月のPMI49.1で過去11カ月で最低に

 金融大手HSBCホールディングスが6月5日発表した5月の香港購買担当者指数(PMI、季節調整済み)は49.1となり、前月から0.6ポイント低下した。景気判断が分かれ目となる50を3カ月連続下回り、2013年6月以来の最低値となった。NNAが報じた。

 PMIは景気指標の一つで、HSBCが香港で企業300社以上を対象に行ったアンケート調査の結果を基に算出。50超は景気拡大、50未満は景気縮小を意味する。

 項目別にみると、新規受注量は減少に転じ、中国本土からの新規受注量は2013年8月以来の落ち込みをみせた。生産量は3カ月連続で縮小し、縮小幅は12年9月以来、最大となった。また、就業者数の減少幅は今年で最大となった。

2017年までに外国為替取引を3倍に 中銀総裁

2017年までに外国為替取引を3倍に 中銀総裁

 インドネシア中央銀行のアグス・マルトワルドヨ総裁は5月26日、外国為替市場委員会(FEMC)で外国為替取引量を、現在の1日平均50億㌦から2017年に3倍増の150億㌦まで引き上げると語った。ジャカルタポストが報じた。

 ちなみにシンガポールの外国為替取引量は1日平均で約2300億㌦だ。したがって、インドネシアの国内為替市場取引はそのわずか1~2%にすぎない。マレーシアでも現状110億㌦だ。

 4月発足のFEMCは中銀や金融庁、国内大手銀行から代表者が出席し、金融財政戦略を討議する場になっている。中銀総裁はFEMCの会議で対外債務がある企業について、為替ヘッジ取引の利用を促した。先進国より変動しやすいルピアは為替リスクも高いからだ。現在海外から融資を受けている国内企業のうち、為替ヘッジ取引をしているのは25%という。

予想外の貿易赤字でルピアが3カ月ぶり安値

予想外の貿易赤字でルピアが3カ月ぶり安値

 インドネシア中央統計局が6月2日発表した4月の予想外の貿易赤字計上を受け、ルピアが3カ月ぶりの安値を付けた。4月の貿易収支については、市場は2億2000万㌦程度の黒字を予想していた。ところが、実際には2、3月の黒字から一転、19億6000万㌦の赤字となった。このため、ルピアは対ドルで0.7%下落し、2月24日以来の安値を付けた。アジア通貨市場はドルが全般的に堅調となる中、ルピア以外のアジア通貨も利食い売りに押された。ロイター通信が報じた。

4月の貿易収支は一転19.6億㌦の大幅赤字に

4月の貿易収支は一転19.6億㌦の大幅赤字に

 インドネシア中央統計局が6月2日発表した貿易統計によると、4月の貿易収支は19億6000万㌦の赤字となった。2、3月の連続黒字から一転、大幅な赤字に転落した。レバラン(断食明け大祭)を控え、輸入が増加したことが響いた。  

    輸出額は前年同月比3.16%、前月比5.92%それぞれ減の142億9000万㌦。うち非石油・ガス部門は前年同月比5.26%、前月比7.09%それぞれ減の116億6000万㌦。一方、輸入額は前月比11.93%増の162億5000万㌦。うち非石油・ガス部門が前月比19.32%増の125億6000万㌦だった。携帯電話など電化製品の輸入増も影響した。

 

日本政府が対ベトナムODAを一時停止

日本政府が対ベトナムODAを一時停止

 鉄道建設コンサルタント、日本交通技術(JTC、東京)がベトナムなどで受注した日本の政府開発援助(ODA)事業にからみリベートを支払った問題を受け、日本政府は6月2日、ベトナム政府に対し新規ODAを一時停止すると通告した。両国がハノイで開いた不正防止のための対策協議会の第2回会合で伝えた。日本側は6月末に開く第3回会合で、ベトナム側が示す調査結果や再発防止策の案を見て再開を検討する。共同通信が報じた。

 

ベトナム 南シナ海紛争でGDP5%超の達成は困難

ベトナム 南シナ海紛争でGDP5%超の達成は困難

 ハノイ国家大学経済・政策研究センター(VEPR)のグエン・ドゥク・タイン所長はこのほど、ベトナムの今年の国内総生産(GDP)成長率について、中国の石油掘削を巡る南シナ海紛争の影響で「5%以上を達成するのは困難」との見方を示した。これは同所長が地元メディアに語ったもので、VNエクスプレスが報じた。

    タイン所長によると、VEPRは最新の報告書で、今年のGDP成長率を4.15~4.88%と予想。これは昨年実績および、国会が打ち出した今年度目標のいずれよりも低い。VEPRは年初5.4~5.5%の予想を示していたが、今回中国との間で発生した緊張関係で、今後の情勢の展開にかかわらず5%以上の成長は難しいと判断したという。一方、現時点でベトナム政府は今年のGDP成長率目標5.8%を維持している。

経済成長7~8%に高める フィリピン財務相

経済成長7~8%に高める フィリピン財務相

 フィリピンのプリシマ財務相は5月20日、インフラ整備に力を入れ、経済成長率を7~8%に高めたいとの考え方を示した。また、日本企業を誘致するために近く投資家説明会を日本で開催する計画だ-などと語った。日本経済新聞が報じた。

    フィリピンは内需のけん引で高成長を達成しており、2013年の国内総生産(GDP)成長率は7.2%と東南アジアでトップだった。今後数年のGDP成長率見通しについて、インフラへの投資を増やすことで、7~8%に引き上げる。遅れているインフラ整備が進めば競争力が高まり、投資を誘致できるとの考え方を示した。

 

2015年のGDP成長率5.5~6%に設定 政府案

2015年のGDP成長率5.5~6%に設定 政府案

 インドネシア政府は5月20日、2015年のマクロ経済指標案を国会に提出、実質国内総生産(GDP)成長を5.5~6%に設定した。地元メディアが報じた。対ドルの為替レートを1ドル=1万500~1万1700ルピアに下方修正した。インフレ率は2~4%と今年より低く、3カ月物国債の利回りは6~6.5%に設定した。原油の日産量は90万~92万バレル(今年87万バレル)とした。

財政赤字抑制へ予算100兆ルピア削減へ 大統領令

財政赤字抑制へ予算100兆ルピア削減へ 大統領令

 ユドヨノ大統領は5月19日、政府財政赤字抑制のため2014年予算を合計100兆ルピア(約8800億円)削減する大統領令に署名、発令した。この削減額100兆ルピアは予算総額の約5%に相当する。各省庁や政府機関に対し、予算の削減を義務付ける。財政赤字は対実質国内総生産(GDP)比3%以内と法律で定められている。ハティブ財務相は、政府目標の財政赤字を2.5%以内に抑えるための措置だと説明している。地元メディアが報じた。