2015年のASEAN経済共同体への準備不足を不安視
インドネシア国内の経済界や識者から、2015年に予定されるASEAN(東南アジア諸国連合)経済共同体に対する国内の体制整備の遅れを指摘する声が上がっている。地元紙などによると、インドネシア経営者協会(アピンド)では、国内産業の競争力向上に不可欠な物流の円滑化や電力供給などに向けた政府の取り組みが不十分と指摘し、現状では他国製品の流入で国内産業が被る打撃を危惧している。
国際戦略研究所(CSIS)の専門家は、他のASEAN諸国に比べインドネシアの物流コストが高く、道路や港湾などの輸送インフラの整備や通関手続きの迅速化などに取り組まなければならないと指摘している。世銀が155カ国を対象に実施した物流競争力ランキングでもインドネシアは59位で、他のASEAN加盟国と比べ低い順位にある。インドネシア科学院(LIPI)のエコノミストは、産業構造が似通った東南アジア各国は、主要貿易国の米国や欧州向けの輸出をめぐり、域内で競争が激化すると予想、15年に備え競争力を高める必要性を説いている。