外国人労働者「育成就労」制度を閣議決定, 技能実習廃止

政府は3月15日、外国人労働者の在留資格「技能実習」に代わり、労働力確保を目的に掲げる在留資格「育成就労」の創設を柱とする入管難民法などの改正案を閣議決定した。技能実習では原則、認めていなかった本人意向の職場変更(転籍)を就労1〜2年で可能とする。今国会に改正案を提出し、成立すれば公布から3年以内に施行される。国際貢献を目的としていた技能実習は、改正法の施行に伴って廃止する。
育成就労の在留期間の上限は原則として3年。この間に一定の知識や経験が必要な「特定技能1号」の水準への育成を目指す。対象分野は、原則として特定技能1号と一致させ、移行しやすくする。
働き先が外国人を不法に就労させる罪などに問われた場合、現在3年以下の拘禁刑、もしくは300万円以下の罰金に処されるところ、5年以下の拘禁刑、もしくは500万円以下の罰金に厳罰化される。

「国民生活の豊かさ」指数 世界格差拡大, 日本24位に低下

国連開発計画(UNDP)は3月13日、国民生活の豊かさを示す「人間開発指数(HDI)」の世界ランキングを発表した。新型コロナウイルス禍で世界全体の指数は下がり続けていたが、3年ぶりに回復した。ただ、地域ごとの格差拡大が目立った。日本は前回調査(2021〜2022年版)から2ランク下げ24位となった。ランキング首位はスイスで、以下、ノルウェー、アイスランドと続いた。アジア勢では香港が4位、韓国が19位、中国が75位だった。

政府 男性育休取得率300人超企業に公表義務 法案閣議決定

政府は3月12日、仕事と育児や介護の両立に関する改正法案を閣議決定した。男性の育休取得率の公表義務の対象を、1,000人超の企業から300人超企業に拡大した。また、取得率の目標値も100人超の企業は公表が義務となる。
関連法の改正案を今国会に提出する。政府が2023年12月に決定し「こども未来戦略」を踏まえ、男女を問わず子育てしやすい職場環境づくりの実現に向けた措置を盛り込んだ。

エーザイ ADの血液診断実用化へ米C2N社に22億円出資

エーザイ(本社:東京都文京区)は3月6日、米国子会社エーザイ・インクがC2N Diagnostics LLC(本社:米国ミズーリ州セントルイス、以下、C2N)による米国におけるアルツハイマー病(AD)の血液診断の実用化並びに、アクセス、アフォーダビリティおよび利用の拡大に向けた取り組みを支援するため、同社に最大1,500万米ドル(約22億円)を出資すると発表した。C2Nに出資することで、正確かつアフォーダブルな血液によるアミロイドβ(Aβ)診断法をさらに前進させる取り組みを支援し、脳内Aβ確認の新たな選択肢を提供する。

23年生活保護申請12カ月連続増で最長, 受給世帯も最多

厚生労働省によると、全国の生活保護の利用申請が、2023年12月は1万8,695件となり、前年同月に比べ988件(5.6%)増加した。前年同月水準を上回るのは12カ月連続。賃金増を上回る物価高が影響しているためとみられる。生活保護受給世帯は全国で165万3,778世帯で、前年同月より7,092世帯(0.4%)増え過去最多を更新した。

コロナ医療費 公的支援終了4月から1〜3割の通常負担に

新型コロナウイルスの未曾有の感染拡大を受けて始まった公費負担・支援が3月末で全廃され、すべて打ち切られる。4月から通常の1〜3割の自己負担となる。
コロナの医療費は感染症法上、インフルエンザなどと同等の5類に移行してからも、治療費の最大1万円の補助など支援は縮小しながらも継続されていた。だが、いよいよ3月末をもってコロナ禍は区切りを迎え、医療は平時に戻ることになる。

関西の23年出生数3.6%減の12万8,063人 婚姻数5.5%減

厚生労働省によると、2023年に生まれた関西2府4県の外国人を含む子どもの数(速報値)は、前年比3.6%減の12万8,063人だった。また、2023年の関西における婚姻数は前年比5.5%減の8万1,844組にとどまった。婚姻数は新型コロナウイルス禍後、2020年に大幅に減少した後、2022年に増加に転じていたが、2023年は再び減少に転じる形となった。
府県別に子どもの出生数の減少幅が大きい順にみると、京都府が7.4%減の1万4,646人、和歌山県が5.8%減の5,183人、奈良県が5.0%減の7,315人、滋賀県が4.3%減の9,698人、大阪府が2.7%減の5万7,202人、兵庫県が2.5%減の3万4,019人だった。

ベネッセHDとSBロボ 生成AI搭載の幼児向け会話ロボ開発

ベネッセコーポレーション(本社:岡山市)とソフトバンクロボティクス(本社:東京都港区)は2月27日、生成AIを搭載した幼児向け会話形新サービスAI「しまじろう」を共同開発したと発表した。
「AIしまじろう」は、専用のスマートフォンアプリとスマートフォンをホールドできる専用の「しまじろうぬいぐるみ」を組み合わせて使用する。しまじろうの声を再現したAIしまじろうと、子どもが自由に会話できる「おしゃべり」機能や、子どもが一人でも飽きずに取り組める「あそび」機能を搭載している。

韓国 23年合計特殊出生率「0.72」に低下 過去最低更新

韓国統計庁は2月28日、2023年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの数)(暫定値)を「0.72」と発表した。2022年の「0.78」からさらに低下し、過去最低を更新した。この結果、出生数は5年前と比べて3割減少し、23万人にとどまった。韓国政府の少子化対策にも拘わらず、ほとんど好作用はみられず、反転上昇の気配もうかがえない。