東京 品川区「トイレトラック」導入, 23区初 災害時の備え

東京・品川区は3月3日、移動式の水洗トイレを備えた「トイレトラック」1台を導入し、同区役所で式典を開きお披露目した。首都直下地震など大規模災害に備え、断水時でも使用できる。チレトラックを導入するのは東京23区で初めて。
トイレトラックは多目的トイレを含む5つの洋式トイレがあり、1回の給水で最大でおよそ1,300回分の利用が可能、太陽光発電設備を備えており、停電の際も室内を明るくして利用できるようになっている。購入費用はおよそ2,600万円で、このうち1,400万円を地元企業や区民の寄付で賄った。

自公維, 高校授業料無償化で合意 予算案修正成立へ 党首会談

自民、公明両党と日本維新の会は2月25日、高校授業料の無償化を柱とする2025年度予算案の修正に関する合意文書に署名した。これにより、維新は同日開かれた両院議員総会で、予算案に賛成する方針を決めた。この結果、自公維3党の議席数は衆院で過半数に達しており、予算成立は確実となった。
党首会談には石破首相、公明の斉藤代表、維新の吉村代表が出席し、3党の幹事長らも同席した。与党は高校授業料無償化で25年度に必要な1,000億円を確保するため、近く予算の修正案を提出する方向。当初予算案の修正は1996年以来25年ぶり。

老人ホーム 紹介ビジネスが横行 要介護度高い高齢者に照準

高齢者らが老人ホームなどの高齢者施設に入る際、施設などを紹介する業者が介在、要介護度が高く、受け入れる施設側が多く報酬を得られる入所者ほど、紹介料を高額にするビジネスが横行している。
厚生労働省は、要介護度にひも付いた料金設定は不適切として、2024年12月、自治体に紹介料に関し施設を指導するよう求める通知を出した。紹介業者は指導対象ではない。
横行している紹介料は一様ではないが、要介護度1の入所者の紹介料は30万円、要介護度5は50万円といったケースもみられる。

3人以上の子ども扶養世帯 大学入学金・授業料を減免へ

政府は2月7日、少子化対策の一環として、3人以上の子どもを扶養している世帯を対象に、今年4月から大学などの入学金と授業料を減免する仕組みを設けるための改正案を閣議決定した。いわゆる多子世帯の教育費負担の軽減を図るのが目的。子ども1人あたりの減免額は政府が今後、政令で定める。

JR東日本 鉄道分野就労の特定技能人材25人招聘, 研修実施

JR東日本は2月4日、鉄道分野で就労する外国人特定技能人材を育成する研修を実施すると発表した。海外から日本に招聘した人材を対象に、鉄道技術の基礎知識習得と特定技能評価試験合格に重点を置いた研修を新たに実施する。インドネシアとベトナムから計25名を招聘し、2月から3月にかけJR東日本、グループ会社、パートナー会社、協力会社で、JR東日本総合研修センター(所在地:福島県白河市)で約4週間の研修を試行実施する。

24年実質賃金0.2%減 物価高で3年連続マイナス 給与増帳消し

厚生労働省が2月5日公表した毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上の事業所対象)によると、2024年の働く人1人あたりの基本給、残業代、ボーナスを含めた現金給与の総額は月額平均で34万8,182円となり、春の賃上げが奏功、前年比2.9%増え33年ぶりの高い伸びを示した。しかし、諸物価の上昇には追い付かず、実質賃金は前年比0.2%減少し、3年連続のマイナスとなった。

都内自治体で新たに”トイレトラック”導入へ 品川・目黒区

頻発する地震をはじめとした自然災害などで、いつまでも変わらず取り残されている社会課題の一つが避難所などでのトイレの問題だ。断水や停電で水洗トイレが使用できなくなり、避難した人らが水を摂取するのを極力控えて体調を崩す例が少なくない。首都直下型の大規模地震が想定されている中、この深刻な問題に対応するため、東京都内の自治体で水洗トイレを備えた「トイレトラック」を導入する動きが出てきた。
調布市はトイレトラックをすでに導入しているほか、品川区でも近く導入する予定という。そして、目黒区も令和7年度にトイレトラック1台を新たに導入する予定だ。このトイレトラックには、車いすの人も使用できる多機能トイレ1つを含めた5つの洋式トイレや、発電用の太陽光パネルなどが備えられ、タンクが満水の状態で950回から1,300回ほど使用可能という。

外国人労働者230万人余と過去最多 前年比25万人増

厚生労働省の最新の調査によると、2024年10月末時点で国内の外国人労働者数が230万2,587人となり、前年比25万3,912人増加し、過去最多を更新したことが分かった。
国別にみると、ベトナムが57万708人と最も多く、次いで中国の40万8,805人、フィリピンの24万5,565人などが続いた。前年からの増加率でみると、ミャンマー、インドネシア、スリランカ出身の労働者が著しく増加。とりわけミャンマーは前年比61%増え、11万4,618人となった。
在留資格でみると、「特定技能」や「技能実習生」が多かった。産業別では医療・福祉の分野での労働者が多く、前年からの伸び率が大きく11万6,350人となった。特に近年、国内で人材不足が指摘されている介護の分野で働く外国人が増えており、ミャンマーやインドネシアから「特定技能」の在留資格で介護の仕事に就く人が増えている。

改正育児・休業法 4月からの順次施行前に都内で説明会

改正育児・休業法が4月から順次施行されるのを前に1月27日、東京労働局が千代田区で開いた説明会には企業の人事担当者などおよそ500人が出席して開かれた。これは、子育てと家族の介護・看護のダブルケアなどによる離職を防ぐため、企業に努力義務を含め、従業員に対する新たな制度の新設など環境整備を求めるもの。
改正育児・休業法の要点は、企業に対して①子育て支援②介護と仕事の両立支援を原則、義務付けている。子育てでは3歳未満の子供を育てる親にはテレワークの利用を認めることを努力義務とし、3歳から小学校入学までは短時間勤務、フレックスタイム制、保育施設の設置など5つの制度の中から2つ以上を実施するよう義務付けている。また、介護離職を防ぐため企業に対して、介護保険料の支払いが始まる40歳の従業員にに仕事と介護の両立支援制度について情報を周知し、介護に直面したと申し出た人には、介護休業の取得や両立支援制度の利用について、個別に意向を確認するよう義務付けている。
国が実施した3年前の調査では、家族の介護や看護を理由に離職した人はおよそ10万人に上っている。

東京都 10月から「シルバーパス」約4割値下げ 予算化へ

東京都は、都内に居住する70歳以上の人たちは公共交通期間を無料で利用できる「シルバーパス」について、10月からおよそ4割値下げすることになった。
シルバーパスは年間2万510円支払うことで、都営バスや都営地下鉄を無料で何回でも利用できるサービス。都は利用者の負担を減らし、これまで以上に高齢者の社会参加を促したいと、10月から現行よりおよそ4割引き下げて1万2,000円にする予定。今後、システムを改修してICカード化する。これらの事業費を新年度予算に計上して、2月開会する都議会に提出、成立を目指す。