兵庫県・神戸市が介護人材確保へ技能実習生受け入れ

兵庫県・神戸市が介護人材確保へ技能実習生受け入れ

兵庫県と神戸市は介護人材確保に向け、外国人技能実習生の受け入れ団体を設立し、2019年度中にベトナムから15人前後を受け入れる方針を固めた。県と神戸市合わせて1,000万円余の補助金を出して受け入れ団体を設立、日本語や介護の研修をして、介護現場での実習状況を確認するという。兵庫県などは近く国から受け入れ団体の許可を取得するとしている。
人材不足が深刻化する介護分野。団塊の世代が75歳以上になる2025年度には、兵庫県内で2万人の介護職人材が不足するとされている。地方自治体が介護分野で技能実習生の受け入れ団体の設立を目指すのは、全国でも例がないという。

ミャンマーの介護実習生の第一陣が来日 北海道の施設が受け入れ

ミャンマーの介護実習生の第一陣が来日 北海道の施設が受け入れ

ミャンマーから初めてとなる介護職の技能実習生3人が1月7日来日した。北海道の施設でアルバイトしながら今後3年間、介護技術を習得する予定。ミャンマー政府が2018年9月に日本への介護人材派遣を正式通達して以降、その第一陣となる。
今回派遣された3人は日本で専門的な介護技術を学んだ後、母国で医療補助人材を育成する仕事に就くキャリアプランを描いている。
国連人口基金(UNFPA)によると、ミャンマーの60歳以上の人口の割合は現在10%台。2025年には13%、2050年には24%に達すると予測されているが、医療・介護の人材育成は進んでいない。とりわけ看護師や介護士などの医療補助人材の不足が指摘され、課題となっている。

がん遺伝子の異常は加齢、過度の飲酒・喫煙で増加 京大

がん遺伝子の異常は加齢、過度の飲酒・喫煙で増加  京大

京都大の小川誠司教授(分子腫瘍学)らの研究チームは、食道がんを引き起こす恐れがある遺伝子の異常は、年を取るとともに増加し、過度の飲酒や喫煙で促進されることが食道上皮の遺伝子解析で分かったと、1月2日付の英科学誌ネイチャー電子版で発表した。
同チームによると、がんは細胞の特定の遺伝子に異常が生じ増殖することで発症する。そして加齢に加え、生活習慣によってリスクが高まるとされるが、詳細なメカニズムは分かっていない。小川教授らは今回の成果を、早期診断や予防につなげたいとしている。

外国人技能実習で兵庫県の監理団体を初の処分 法務省

外国人技能実習で兵庫県の監理団体を初の処分 法務省

法務省はこのほど、外国人技能実習生を必要な講習を受けさせないまま働かせていたなどとして、兵庫県加西市の監理団体「協同組合クリエイティブ・ネット」と実習先の3つの会社に、活動許可を取り消す処分を行った。監理団体の処分は初めて。
法務省によると、今年4月、加西市内で働く技能実習生から「必要な講習を受けていないのに、働かされている」との連絡があったことがきっかけで発覚。外国人技能実習機構がクリエイティブ・ネットに立ち入り検査をしたという。その結果、タイ人の実習生11人に、日本語などの必要な講習を受けさせないまま市内の3つの会社で働かせていたことが分かった。また、3つの会社は実習計画とは異なる仕事をさせていたほか、2つの会社は「必要な講習を受けた」とうそをつくよう指示していたという。

新制度の外国人材受け入れの基本・分野別運用方針など決定

新制度の外国人材受け入れの基本・分野別運用方針など決定


改正入管法に基づき2019年4月から始まる外国人労働者受け入れに向けて、日本政府は12月25日、基本方針と分野別運用方針、総合対応策を閣議と関係閣僚会議で正式決定した。
これにより①介護・宿泊・外食業など14業種で当初の5年間で最大34万5,150人を受け入れる②在留資格に必要な日本語の能力判定テストを9カ国で実施する③「出入国在留管理庁」を新設する④全国約100カ所に、外国人の多様な悩みを相談できる一元的な窓口を設置する-など、外国人との共生を図るための「対応策」には126の施策が盛り込まれた。
今回明らかにされた要点は次の通り。

技能試験は3分野、11業種は19年10月以降にずれ込む


「特定技能1号」の対象となる14業種のうち、2019年4月から新たな技能試験が行われるのは介護・宿泊・外食業の3つの分野になる見通し。他の11分野は来年度中に試験を始める予定で、当面は技能実習生からの移行が中心になる。

14分野で5年間で最大34万5,150人受け入れ


2019年4月から5年間の14分野の最大受け入れ見込み数は以下の通り。
・介護 6万人
・ビルクリーニング 3万7,000人
・素形材産業 2万1,500人
・産業機械製造業 5,250人
・電気・電子情報関連産業4,700人
・建設 4万人
・造船・舶用工業 1万3,000人
・自動車整備 7,000人
・航空 2,200人
・宿泊 2万2,000人
・農業 3万6,500人
・漁業 9,000人
・飲食料品製造業3万4,000人
・外食業 5万3,000人

全国100カ所の相談窓口―外国人の生活を支援


外国人の生活支援策として、多様な悩みを相談できる一元的な窓口が全国のおよそ100カ所整備され、行政サービスや災害情報、警察の「110番」などで多言語での対応が進められる。

日本語の能力判定は9カ国で実施「N4」以上が必要


日本語の試験は14分野で「能力判定テスト」か、現行の「日本語能力試験」で基本的な内容が理解できる「N4」以上のレベルと認められることが必要。新たな「能力判定テスト」はベトナム、フィリピン、カンボジア、インドネシア、中国、タイ、ミャンマー、モンゴル、ネパールの9カ国で実施される。
この9カ国とは悪質なブローカーの介在を防ぐため、2国間協定を結ぶ。

雇用形態は原則「直接雇用」 農業と漁業は「派遣」も


雇用形態は原則、受け入れ先による「直接雇用」とし、農業と漁業は季節によって仕事の量が変動することなどから「派遣」も認める。

「出入国在留管理庁」を新設 入国管理局を格上げ


外国人材の受け入れが2019年4月から拡大するのに合わせて、外国人の在留管理を徹底するため「出入国在留管理庁」が新設される。現在の法務省の入国管理局を格上げする形で、およそ470人増員し全体で約5,400人と体制を強化する方針。

「特定技能2号」は2年後に建設など2業種で本格導入


家族帯同が可能で永住への道が開ける熟練資格の「特定技能2号」については、制度開始から2年後に「建設」「造船・舶用」の2業種で本格導入する方針だが、他業種の受け入れ時期は未定。

外国人技能実習生ら8年間で174人死亡 法務省が公表

外国人技能実習生ら8年間で174人死亡 法務省公表

法務省は12月13日、2010年から2017年までの8年間で174人の外国人技能実習生らが死亡していたことを明らかにした。外国人人材の受け入れを拡大するための改正入管法が成立したことを受けて、国会内で行われた野党側へのヒアリングで法務省など関係省庁が公表したもの。
出席した議員らから「外国人の命を軽く見ているのではないか」「実態を把握するため、具体的な資料を出すべきだ」などの意見が相次いだ。ただ、これに対し法務省の担当者は「プライバシーの問題はあるが、対応は検討したい」と述べるにとどまった。

「N4」以上なら試験免除 外国人受け入れ新制度運用の骨格固まる

「N4」以上なら試験免除 外国人材受け入れ新制度運用の骨格固まる

日本政府は12月中にまとめる外国人材受け入れ新制度の骨格を固めた。受け入れ人数は2019年4月からの5年間に対象14分野で最大34万5,150人。
日本語の試験は新たな「能力判定テスト」を行うとする一方、今ある「日本語能力試験」で、基本的な内容が理解できる「N4」以上のレベルと認められれば、新たな試験は免除する方針。介護分野では専門用語の試験も新たに設ける方向で検討が進められている。
雇用形態は原則、受け入れ先による「直接雇用」とし、農業と漁業の両分野では季節による仕事量の変動が大きいことなどから「派遣」も認めるとしている。

外国人材の在留資格試験 アジア8カ国で実施へ

外国人材の在留資格試験 アジア8カ国で実施へ

日本政府は外国人材の受け入れ拡大に向け、改正出入国管理法により2019年4月から施行される新たな在留資格「特定技能」(1号・2号)を得るための試験を、アジアの8カ国で実施する方向で調整を進めている。これまでにベトナム、フィリピン、カンボジア、インドネシア、中国、タイ、ミャンマーの7カ国が固まっている。
これらの国々とは、これまでの技能実習制度の運用で介在した悪質ブローカーを排除するため、情報共有も行う方向で協議を始めていて、2019年3月までに政府間の文書を交わす方針。また、外国人の日常生活の相談窓口を全国に100カ所程度設けることを目指すほか、市役所などの行政機関で多言語翻訳システムを活用する予定。
日本政府は、こうした取り組みを12月中に取りまとめる総合的な対応策に盛り込む方針。

農業と漁業「派遣」認める方針 外国人受け入れ拡大で

農業と漁業「派遣」認める方針 外国人材受け入れ拡大で

政府は、外国人材の受け入れを対象としている14業種のうち、農業と漁業について例外的に「派遣」の形態を認める方針を固めた。
これは農業、漁業が季節によって仕事の量が変動し、1年を通しての雇用が難しい場合も想定されるとの判断から。12月下旬に開かれる関係閣僚会議で正式に決定する。
12月8日に成立した改正出入国管理法では外国人の雇用について、原則、受け入れ先による「直接雇用」の形態を取ることとしている。

外国人就労拡大へ改正入管法成立 2019年4月導入

外国人就労拡大へ改正入管法成立 2019年4月導入

“生煮え””中身がない”など様々な批判を浴びた、外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法案が成立した。参院は12月8日未明の本会議で、自民、公明両党と日本維新の会などの賛成で可決した。これを受け、政府は2019年4月からの新制度導入を目指し、詳細な制度設計を進め、具体的な制度の多くは法務省令で示していくとしている。
この結果、①「特定技能1号」「特定技能2号」という新たな在留資格を設ける②単純労働の分野でも外国人受け入れを解禁する③農業、建設業、介護、宿泊業、外食など14業種で初年度最大で4万7,550人、当初5年間で最大34万5,150人の受け入れを想定している新制度がスタートすることになった。
また、法務省入国管理局を格上げし出入国在留管理庁を新設する。