水産物の輸出先 中国以外の販路開拓など 首相が支援策表明

岸田首相は8月31日、中国による日本産水産物の全面禁輸の影響を踏まえた水産物への追加支援策を発表した。中国以外の販路開拓や国内加工体制の整備など5つの柱に基づき支援する考えを示した。特定国依存を分散する緊急支援事業を創設するほか、中国の輸入停止に伴う損害を東京電力が賠償する仕組みも講じる。
日本の2022年の水産物輸出額3,873億円のうち、中国向けは871億円で最多だった。

21年死亡率2.2%増 10年ぶり増加 国立がん研究センターが分析

国立がん研究センターは8月31日発表した「年齢調整死亡率」の分析結果により、2021年は前年比で2.2%増加したことが分かった。死亡率が増加したのは、東日本大震災の影響を受けた2011年以来10年ぶり。年齢調整死亡率は、死亡者数を人口で割り、年齢のばらつきを調整したもの。
2021年死亡率増加の主な要因は新型コロナ、老衰、循環器疾患だった。がん(悪性新生物)は日本人の死因第1位であり、全新死亡率への影響が大きいものの、2021年の全死因死亡率増加の直接的な要因ではなかった。

空飛ぶクルマ 夢洲ー尼崎間飛行 兵庫県が臨海部にポート整備

兵庫県の斎藤元彦知事は8月30日、2025年大阪・関西万博の開催時に尼崎市の臨海部と万博会場の夢洲をつなぐ空飛ぶクルマが就航する予定だと発表した。運航を担う丸紅や日本国際博覧会協会と詳細に飛行ルートやポート(離着陸場)に必要な設備について調整を進めるという。ポートは9月末までに、尼崎市の埋め立て地「フェニックス事業用地」に整備する。万博会場までは直線距離で約3km。

岸田首相 25年大阪・関西万博 海外館「政府主導で準備加速」

岸田首相は8月31日、2025年大阪・関西万博について、関係閣僚や大阪府の吉村知事らとの会合を開き、海外のパビリオン建設に遅れが出ていることに危機感を示したうえで、予定通りの開催に向けて政府が主導して準備を加速させていく考えを強調した。そして「万博の成否は国際社会から日本への信頼がかかっている。総理大臣として成功に向けて、政府の先頭に立って取り組む決意だ」と述べた。

万博パビリオン建設 スイス事業者に初の建設業許可 大阪府

大阪府の吉村知事は8月30日、万博の海外パビリオン建設について、8月17日に申請があったスイスの建設事業者に初の建設業許可を出したことを明らかにした。
大阪府は海外の事業者からの申請をスムーズに審査できるよう、①専任の職員を配置して体制を強化している②手続きを簡素化して審査期間を通常の半分程度に短縮化しているーとしている。

岸田首相 処理水放出で専門家同士の協議呼び掛け 科学的根拠で

岸田首相は8月29日、東京電力福島第1原子力発電所の処理水放出に反発を強める中国に対し、専門家同士の科学的根拠に基づいた説明と協議に応じるよう重ねて呼び掛けた。これにより中国政府に対し、日本産水産物の輸入全面停止の即時撤廃を粘り強く求める考えだ。
中国の輸入停止措置を巡っては、高市経済安全保障相が同日、過去にオーストラリアが中国を世界貿易機関(WTO)に提訴したことを挙げ、「何らかの形での対抗措置も検討しておく段階に入っている」と言及している。