22年度「後継者難」倒産 最多の409件 5年連続増加

東京商工リサーチのまとめによると、2022年度(2022年4月〜2023年3月)の後継者不在に起因する倒産(負債1,000万円以上)は、前年度比0.9%増の409件だった。2018年度から5年連続で前年度を上回り、調査を開始した2013年度以降で最多を更新した。
要因別では、代表者の「死亡」が211件(構成比51.5%)、「体調不良」が139件(同33.9%)で、この2要因で「後継者難」倒産の85.4%を占めている。産業別ではサービス業ほかが前年度比5.2%減の911件、次いで建設業が同4.5%減の843件、製造業が同46.4%増の82件で続いている。
2022年の経営者の平均年齢は63.02歳(前年62.77歳)で上昇が続いている。2022年の約17万社を対象とする「後継者不在率」調査では、約6割(59.9%)の企業で後継者が未定となっている。

技能実習制度「廃止」提言へ 外国人材確保へ転換

政府の有識者会議は4月10日、新たな「外国人人材確保」と「人材育成」に向けて、問題の多い現行の技能実証制度の廃止を求める提言の試案をまとめた。これは中間報告の”たたき台”。
試案では、途上国への技術移転という目的と、日本の人手不足を補う労働力とみている現場の実態が乖離(かいり)していると強調し、新制度の創設を訴えている。春に中間報告、今秋に最終報告をまとめる予定。法改正などを伴う可能性があり、正式な変更は2024年以降になる。1993年に始まった技能実習制度による2022年末時点の在留者数はおよそ32万5,000人。

道府県議41.85%,9道府県知事選46.78% 投票率最低

第20回統一地方選前半戦の投票率が、前回選挙を下回り過去最低となった。41道府県議選の投票率は41.85%となり、前回選挙の44.02%を2.17ポイント下回り、過去最低を更新した。31の道府県で低下し、栃木や山口などでは投票率が4割を割り込む県議選がみられた。9道府県知事選の投票率も46.78%にとどまり、前回の47.72%から0.94ポイント低下した。2015年の47.14%を下回り、過去最低を更新した。

維新が大阪ダブル選制す 奈良・徳島で新知事誕生

第20回統一地方選は4月9日、9道府県知事選や6政令市長選など前半戦が投開票された。大阪は知事・市長のダブル選で維新が制したほか、奈良・徳島で保守系勢力が分裂して戦ったことも加わり、多選候補を退け、新知事が誕生した。
大阪府知事選は現職の吉村洋文氏と、非維新勢力が推した谷口真由美氏の一騎打ちとみられていたが、非維新側の取り組み遅れもあって主張が有権者に十分に届かず、票が伸びなかった。大阪市長選も維新の新人で元府議の横山英幸氏が、非維新勢力が支援した北野妙子氏(元大阪市議)らを破り、初当選した。
奈良県知事選では維新公認の新人で元同県生駒市長の山下真氏が保守系2候補を破った。保守勢力が分裂した徳島県知事選では後藤田正純氏が現職らを退け初当選した。

競馬の桜花賞 リバティアイランド優勝 差し脚強烈

競馬の3歳牝馬3冠レースの第1戦、第83回桜花賞(G1、1600m芝、18頭出走)が4月9日、阪神競馬場で行われ、圧倒的な1番人気に指示されたリバティアイランド(川田将雅騎乗)が、強烈な差し脚を繰り出し1分32秒1で制し、1着賞金1億4,000万円を獲得した。
リバティアイランドは2022年の阪神ジュベナイルフィリーズに続くG1制覇。川田騎手はこのレース2連覇で3勝目。中内田充正調教師は初勝利。同馬は道中、16番手でレースを進め、最後の直線に入り大外から一気に他馬とは違う脚色の差し脚を繰り出し、鮮やかに先行馬を差し切った。3/4馬身差の2着に6番人気のコナコースト、さらに首差3着にペリフォーニアが入線した。

近畿の22年度倒産14%増の1,694件 3年ぶり増加

帝国データバンク大阪支社のまとめによると、2022年度の近畿2府4県の倒産件数(負債総額1,000万円以上)が、前年度比14%増の1,694件に上ったと発表した。3年ぶりに前年度比増加した。新型コロナウイルス禍による金融支援や助成金など公的支援策の効果が薄れてきているほか、直面している物価高やエネルギー価格の高騰などが増加の要因とみられる。負債総額は前年度比24%増の2,091億7,800万円。
業種別では全9業種のうち7業種で前年度比で増加した。不動産が63%増の70件、食品が37%増の123件、建設が22%増の331件、サービスが11%増の571件などとなっている。

「SL人吉」ラストシーズン 熊本駅の出発式にファン

JR九州は4月8日、人気観光列車「SL人吉」のラストシーズンの運行開始にあたり、熊本駅で出発式を開いた。SL人吉は春から秋の週末を中心に熊本ー鳥栖(佐賀)間を走行しているが、2024年3月に運行を終える。
8日は熊本駅に詰めかけたSLファン数十人に見守られる中、発車した列車は、全132席がが予約で埋まった。同列車は元々、熊本ー人吉(熊本県人吉市)間を走行していたが、2020年の豪雨で肥薩線が被災し、走行区間を変更し、行楽シーズンに運行しているもの。
このSL「58654号機」は1922年製で営業運転しているものでは国内最古。それだけに客車ををけん引する蒸気機関車(SL)が老朽化しているほか、保守点検を担う技術者の確保やメンテナンスの部品調達も難しくなっている。

立命館大 CNTを認識するヒト免疫受容体を発見

立命館大学の研究グループは4月7日、カーボンナノチューブ(CNT)を認識するヒト免疫受容体を発見したと発表した。この研究成果は4月7日付の英国の科学雑誌『Nature Nanotechnology』に掲載される。
CNTは次世代ナノ材料として様々な用途・分野への展開が大きく期待されているものの、一部のCNTはアスベスト様の毒性が懸念されており、その毒性発言分子機構は不明だった。
今回同グループは独自のインシリコ探索により、世界で初めてCNTを認識するヒト免疫受容体を発見した。そしてマクロファージがその免疫受容体を用いてCNTを貪食して、炎症を引き起こすことを明らかにした。この研究で見出した免疫受容体および炎症シグナルを標的とした健康被害の予防・治療法の開発が期待される。

福井県立大 恐竜化石 切断せずに高精度に撮影

福井県立大恐竜学研究所は4月7日、兵庫県の大型放射光施設「スプリング8」の高エネルギーエックス線CTスキャンを利用し、恐竜化石の骨組織の撮影に成功したと発表した。特徴は化石を切断せず、高精度に観察できる点。骨組織データから死亡時の年齢や成長速度などが分かるという。
福井県で発掘された獣脚類フクイラプトルの大腿骨をスキャンしたところ、化石の薄片を顕微鏡で観察する従来の手法に匹敵する結果が得られた。この手法で骨のあらゆる部分を観察すれば年齢判定の正確性が高まるとしている。