「拘禁刑」創設 明治40年以来の改正刑法成立

懲役と禁固の量刑を一元化し、「拘禁刑」を創設する改正刑法が6月13日、参院本会議で可決、成立した。懲役の受刑者に刑務作業を一律に義務付けている現行法を見直し、再犯防止の観点から、受刑者の年齢や特性に合わせて作業と指導を柔軟に組み合わせた処遇を行えるようにする。施行は2025年の見込み。
明治40年(1907年)の刑法制定以来、刑の種類が変更されるのは初めてとなる。

原発事故から11年 福島・葛尾村の一部避難指示を解除

日本政府は6月12日、東京電力福島第1原子力発電所事故に伴い、福島県内7市町村で残る帰還困難区域のうち、葛尾村の一部区域の避難指示を解除した。居住再開に向けて指定された特定復興再生拠点区域(復興拠点)のうち、同村北東部にある野行地区の0.95k㎡で解除した。同区域での居住を目的とした解除は初めて。
原発事故から11年3カ月を経て、これまで帰還できなかった住民の暮らしの再開に向けた歩みがようやく始まる。ただ、この歳月の長さは重すぎる。同地区では30世帯82人(6月1日時点)が住民登録するが、避難先での定住化が進み、帰還意向があるのはわずか4世帯8人にとどまる。
同村に続き、福島県大熊、双葉の両町でも近く復興拠点での避難解除が見込まれている。

安倍元首相 「GDP比2%の国防費は国際標準」

自民党の安倍晋三元首相は6月12日、大阪市内で講演し、反撃能力について「打撃力を持つということであり、この(国際情勢)時代には当然要求される」との認識を示した。また、国防費を国内総生産(GDP)比2%とする北大西洋条約機構(NATO)諸国の目標に関し、「国際標準になりつつある」と指摘した。

中国・上海市で大規模PCR実施 引き続きコロナ警戒

約2カ月間続けられたロックダウン(都市封鎖)が6月1日に解除された中国・上海市(人口2,400万人)の多くの行政区で11日、大規模な新型コロナウイルスのPCR検査が行われた。
1日あたり10数人といった単位だが、新規感染者が確認されているためだ。”ゼロコロナ”を掲げる政府のもと、引き続き厳しい体制が取られている。このPCR検査を受けないと外出できないという。このため、住民は各所で長い列をつくって検査を受けている姿が報じられている。
同市は11日、7月末まで住民に1週間に少なくとも1度のPCR検査を義務付けると発表した。検査を受けないと公共交通機関が利用できないなど、日常生活が大幅に制限されるという。

転職・中途採用で「リファレンスチェック」導入広がる

新型コロナウイルスの新規感染者数が落ち着きをみせ、”ウィズコロナ”の時代へ企業活動が本格的に回復し、企業の即戦力を念頭に置いた中途採用意欲が高まる中、過去の働きぶりを参照する「リファレンスチェック」導入の動きが広がっている。
これは、転職希望者の出身企業の上司や同僚から得た評価を、採用選考時に参考にするもの。
新型コロナウイルス禍で対面での面接機会が減ったことで、人物像の把握が難しくなっていることや、即戦力の期待がかかるだけに、採用・求職側双方のミスマッチを防ぎたいとの事情も見え隠れする。

井上尚弥が最強 米リング誌が全階級ランキング1位に選出

ボクシングの3団体統一世界バンタム級王者、井上尚弥(29、大橋)が6月10日、最も権威があるとされる米専門誌「リング」が発表する全階級を通じた最強ランキング「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」で1位に選出された。
井上は階級の垣根を越えて世界最高ボクサーの栄誉を手にした。6月7日にノニト・ドネア(フィリピン)を2回TKOで降した一戦が高く評価された。

ヤクルトが交流戦優勝決める セ・リーグV4年ぶり

プロ野球のセ・パ交流戦は6月11日、ヤクルトがソフトバンク戦に勝ち13勝4敗とし、1試合を残して優勝を決めた。ヤクルトの優勝は4年ぶり2度目。賞金3,000万円を獲得した。
交流戦にセ・リーグの球団が優勝するのは2018年のヤクルト以来。全6球団に勝ち越しての優勝は2011年のソフトバンク以来。

シンガポールと防衛装備品協定 交渉開始で合意

岸田首相は6月11日、訪問先のシンガポールでリー・シェンロン首相と会談した。その結果、防衛装備品・技術移転協定の締結に向けた交渉を開始することで合意した。
同協定は、東南アジア諸国連合(ASEAN)に参加するフィリピン、マレーシア、インドネシア、ベトナム、タイの5カ国と締結。シンガポールと結べば6カ国目。同協定は、日本から防衛装備品を輸出するために必要になる。
シンガポールはASEAN10カ国で唯一、ウクライナに侵攻したロシアへの経済制裁に踏み切り、米欧や日本などと強調している。

インド 5月乗用車販売185%増 コロナ禍の反動増

インド自動車工業会(SIAM)のまとめによると、5月の乗用車販売台数(出荷ベース)は、前年同月比185%増の25万1,052台だった。これは前年同月が新型コロナウイルス禍に見舞われていた時期で、その反動増によるもの。そのため、前月(25万1,581台)と比べると、ほぼ横ばいだった。同国の乗用車販売が前年同月を上回るのは2021年8月以来9カ月ぶり。
主要メーカーの販売は軒並みプラスだった。最大手のマルチ・スズキは前年同月比278%増の12万4,474台、生産も295%増の16万495台で、4倍弱の高水準だった。