京大 iPS細胞でアルツハイマー病関連遺伝子を特定

京都大学の井上治久教授(神経内科学)らの研究チームは2月21日、アルツハイマー病患者からつくったiPS細胞を使い、病気に関わる複数の遺伝子を特定したと発表した。チームは患者102人の血液細胞からつくったiPS細胞を脳の神経細胞に成長させ、病気を細胞レベルで再現。細胞の遺伝子の働きなどを分析し、特定タンパク質に関係するとみられる24の遺伝子を特定した。さらにこのうち8の遺伝子は特定タンパク質の量の調節に関わることも分かった。
アルツハイマー病は脳内に特定のタンパク質が過剰に蓄積されることが原因とされる。

北京の日本大使館職員 中国当局に一時拘束 外務省が厳重抗議

中国・北京の日本大使館の職員が北京市内で2月21日、公務中に中国当局に一時的に拘束されたことに対し、外務省の森事務次官は外交官の不逮捕特権などを定めたウィーン条約違反にあたる行為だとして22日夜、中国の楊宇駐日臨時大使を外務省に呼んで厳重に抗議するとともに、謝罪と再発防止を強く求めた。
東京にある中国大使館は23日、報道官の談話を発表し「日本の外交官は、中国でその地位にふさわしくない活動を行っており、中国の関係部門が法律に基づいて調査を行った。中国は日本側のいわゆる講義を受け入れない」と反論した。
外務省はこの反論に対し、「拘束された職員は、あくまでも正当な公務を行っていた。中国側の対応がウィーン条約に違反していることは明白であり看過できず、重ねて抗議するとともに、引き続き謝罪と再発防止を求めていく」としている。

日本 1日のコロナ死者初の300人超え 新規感染は減少傾向

厚生労働省などのまとめによると、新型コロナウイルスの感染者の死亡は2月22日、新たに322人が確認された。300人を上回るのは初めて。大阪府では過去最多の63人が死亡した。9割近い56人が70代以上で、60代が4人、50代が3人。
新規感染者は7万人近い高水準だが、1週間前との比較では減少傾向にある。重症者は1,504人で前日から9人増えた。1,500人を上回るのは2021年9月中旬以来。

英GSK製軽症者向け「ソトロビマブ」前倒しで8万人分納入

後藤厚生労働相は2月22日、英製薬大手グラクソスミスクラインが新型コロナウイルスの軽症者向けに製造販売する点滴治療薬「ゼビュディ(ソトロビマブ)」について、8万人分を前倒しで納入したと発表した。うち4万人分はすでに医療機関への配送をい始めており、残りも順次全国に送る。同薬の納入量は2月上旬までに9万人分で、流通量が一気に倍近く増える。今回の8万人分は3月中旬に納入予定だった。軽症や中等症の患者に投与すると、重症化や死亡のリスクを引き下げる効果がある。

中国富裕層 日本産食品を約9割が購入 JFOODO調べ

日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)が実施した調査の結果、中国富裕層は日本産食品への関心が高く約9割が日ごろから継続的に購入していることが分かった。
これはJFOODOが2021年12月に実施した「中国富裕層に対する日本産食品の購入意向・消費動向調査」で判明したもの。その結果、輸入食品の中で購入するのは日本産が圧倒的に多く、日本産食品に対し「美味しい」「体に良い」「高品質」「栄養が豊富」などの好印象を持ち、約9割が日ごろから継続的に購入している。
中国向けに輸出された日本の農林水産物・食品は新型コロナ禍にあっても2021年は前年比35.2%増の2,224億円となり、すでに幅広い層に日本産食品が受け入れられている。
調査は2021年12月17日~27日、世帯年収100万元(約1,800万円)以上かつ保有総資産1,000万元(約1億8,000万円)以上で、2021年下半期に日本産食品の購入・飲食経験がある中国人を対象に実施された。

大阪高裁 旧優生保護法訴訟 国に賠償命じる判決

大阪高等裁判所は2月22日、旧優生保護法のもとで不妊手術を強制された関西に住む女性と夫婦の3人が、国に賠償を求めた裁判で、旧優生保護法は憲法に違反すると判断したうえで、「非人道的で差別的であり、人権侵害の程度は強い」などとして1審の判決を取り消し、国に賠償を命じる判決を言い渡した。全国の同様の裁判で、国の賠償責任を認定した司法判断は初めて。
大田晃詳裁判長は「国が障がい者に対する差別・偏見を正当化し、助長してきたとみられ、原告ら訴訟を起こすための情報や相談機会へのアクセスが著しく困難な環境にあった。除斥期間(賠償請求できる権利のある期間)の適用をそのまま認めることは著しく正義・公平の理念に反する」として除斥期間を適用せず、原告側の訴えを認めて1審の判決を取り消し、国に合わせて2,750万円の賠償を命じた。

22年度予算案 衆院通過 107兆5,964億円 年度内成立が確実に

衆議院は2月22日午後の本会議で2022年度予算案を与党や国民民主党などで賛成多数で可決し衆議院を通過した。24日に参議院で審議入りする。一般会計総額は前年度当初予算比で0.9%増の107兆5,964億円と過去最大となる。
予算案は憲法の規定で衆議院可決から30日以内に参議院が可決しなければ自然成立するため、2021年度中の成立が確実となった。

京都の春を彩る「都をどり」3年ぶり開催 伝統継承へ 南座で

京都の春を彩る、祇園の芸妓・舞妓による舞踊公演「都をどり」が3年ぶりに開催されることになった。主催団体は芸・舞妓の育成や伝統を継承させる必要があるとして、感染対策を取ったうえで実施する。ただ、感染防止のため出演する芸・舞妓を例年より少なくするほか、新型コロナ収束を願う演目も取り入れる。
都をどりは、京都の花街の1つ、祇園甲部の芸・舞妓らによる舞踊公演で、140年余りの歴史がある。例年使用の会場が工事中のため、近くの「南座」を会場にして、4月1日から24日まで開催される。

西郷輝彦さん 前立腺がんで死去 75歳 歌手・俳優で活躍

「星のフラメンコ」「君だけを」などのヒット曲や、テレビ時代劇「江戸を斬る」の遠山金四郎役などで人気を博した、歌手で俳優の西郷輝彦(本名:今川盛揮=いまがわ・せいき)さんが前立腺がんで亡くなった。75歳だった。鹿児島県出身。長女はタレントの辺見えみりさん。葬儀は遺族の意向により、近親者のみで執り行う。
1965~1970年ごろ、当時人気の歌手橋幸夫、舟木一夫とともに「御三家」と呼ばれた。