人工授精で用いる第三者の精子の保管と提供を担う、国内初の民間の「精子バンク」の運用が6月1日始まった。提供者の登録を進め、早ければ2022年にも提供が始まる見込みで、年500件を目指す。安全性と品質が担保された供給体制を整える狙いがある。
今回設立した精子バンクは、生殖医療が専門の岡田弘・獨協医大特任教授が社長を務める「みらい生命研究所」(所在地:埼玉県越谷市)が運営する。提供者は協力を申し出た20~40歳の医療関係者に限定し、感染症の有無や精子の機能、凍結しても質が保てるかを調べて保管する。妊娠率が30%になることを目標に、1件当たり15万円で日産婦登録施設に提供し、運営費に充てる。
英国へ移民申請 3カ月で3万4,300人 香港からの移住希望者
英内務省の発表によると、香港からの移住者を受け入れる特別ビザ(査証)の申請者が1月末の受け付け開始から3カ月間で計3万4,300人となった。英国は、中国政府が香港の中国本土化の一環として制定した「香港国家安全維持法」の施行を「市民の自由に対する侵害だ」と批判。特別ビザは、香港市民に対する事実上の救済措置として新設された。英国メディアによると、すでに7,200人に特別ビザが発給された。
今回の特別ビザはBNO(英国海外市民)旅券所持者の扶養家族であれば、返還後に生まれた人も申請できる。特別ビザの受給者は5年の居住権を保証され、さらに1年住むと英市民権を申請できる。
WHO 変異株に国名付けず 偏見・風評被害回避のため
世界保健機関(WHO)は5月31日、新型コロナウイルスの変異株の名称について、今後ギリシャ文字のアルファベットを使う方針を示した。これにより、WHOが懸念される変異株として認定している英国、南アフリカ、ブラジル、インドの4つをそれぞれ「アルファ株」「ベータ株」「ガンマ株」「デルタ株」とする。最初に確認された国名を冠して呼ばれることが多いことで、その特定国への偏見や風評被害を回避するためだ。
21年世界成長率5.8% 日本は2.6%へ下方修正 OECDが予測
経済協力開発機構(OECD)は5月31日、2021年の世界全体の実質経済成長率が5.8%になるとの予測を発表した。3月に発表した前回予測(5.6%)から小幅ながら上方修正した。米国や中国、EU圏の成長率見通しを引き上げた。一方、日本の成長率は2.7%から2.6%に下方修正した。今年に入って再発令された緊急事態宣言で短期的には経済成長が下押しされるとした。
専門家がまとめた提言「五輪開催に警告」政府が提出に難色
東京オリンピック・パラリンピックの開催について、政府の有識者会議「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の感染症の専門家らが「リスク評価」の提言を作成したものの、状況を見守りたい政府側の了承が得られず提出できないという。人の流れの抑制のため無観客開催を求めたり、東京都内の医療のひっ迫がさらに深刻化したりするリスクを指摘する内容だからだ。
提言の内容は、関係者などによると①感染力が高いインド由来の変異株の国内流入による感染拡大が起こるリスク②スポンサーや海外メディアなど大会関係者が入国後に行動制限などのルールを守らないリスクがある③五輪は他のスポーツイベントと比べ規模が別格で、競技場外で人流が増えて感染が広まる懸念もある-などと指摘している。
中国 空港・機内の使い捨てプラスチック排除へ5カ年計画
日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、中国民用航空局はこのほど、「民間航空分野プラスチック管理作業計画」(2021~2025年)を発表した。この作業計画によると、2022年以降、年間200万人以上が利用する空港はターミナルや駐車場の敷地内で非分解性の使い捨てプラスチックを提供しないこととし、国内線の機内でも使い捨てプラスチックのストロー、食器、コップ、包装用の袋を提供しないとしている。
2023年以降は、実施対象を全国の空港および国際線にも拡大する。これにより使い捨てプラスチック製品の消費を大幅に減らし、代替製品の利用水準を大きく引き上げるとしている。
中国3人目の子容認 少子高齢化加速で規制緩和 出産数急減で
中国共産党は5月31日、出生数の急速な低下や高齢化の進展が明確になったことを受け、出産について原則2人までだった従来の規制を緩和し、3人目の出産を認める方針を決めた。国営新華社が報じた。今回の少子高齢化に関する会議は、習近平党総書記(国家主席)が主宰した。
中国の出産数は、2016年に30年以上続いた「一人っ子政策」を撤廃し、2人までの出産を認めたことで一時的に増加したが、翌年以降は減少。2016年の約1,800万人から、2020年は約1,200万人と急減している。
20年外国人へのビザ発給数前年比87%減の111万8,025件 コロナ禍
日本の外務省は5月31日、2020年の外国人へのビザ(査証)発給件数は、前年比約87%減の111万8,025件だったと発表した。前年比減は7年ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、入国規制強化の影響で急減した。
中国広東省で新型コロナインド変異株を確認 PCR検査拡大
中国国営通信、新華社などによると、中国広東省広州市当局は5月30日、21~30日に新型コロナウイルス感染発症者5人、無症状感染者21人が確認されたと発表した。分析が済んだ検体はすべてインド変異株だった。
感染拡大を防止するため、同当局は直ちにPCR検査の陰性証明がなければ鉄道、バス、車、飛行機で市外へ出られないなどとする通知も発表した。5月31日から実施する。
広州市はすでに警戒地域の住民200万人以上のPCR検査を終えたが、感染スピードが速く、感染力も強い」とみて、5月30日から市中中心部も含め検査対象を広げている。
64歳以下のワクチン接種 基礎疾患ある人とない人同時並行で
日本政府は5月30日、64歳以下を対象とする新型コロナウイルスワクチンの一般接種で、基礎疾患ある人と疾患のない人の接種を同時並行で進める方針を固めた。疾患の有無は自己申告となり実際の対象者数が不明で、疾患のある人の接種完了を待つと空白期間が生じる可能性があるため。五輪開催を控え、同時並行で接種事業を加速化させる。
田村厚生労働相が明らかにしたもので、モデルナ製ワクチンを使った職場単位の接種について、高齢者接種に影響がないので始めてもらっていいと述べ、早期開始を企業に促した。