大阪府泉佐野市は6月23日、東京オリンピックの事前合宿のため同市に滞在中のウガンダ選手団から、新たに20代の1人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。今回で2人目。
府泉佐野保健所は22日、成田空港検疫で陽性だった1人を除く9人を濃厚接触者と判定。連日検査をした上で、7月3日までは宿舎に待機し、練習を控えるよう求めている。国と自治体の連携に”ほころび”が出て、後手に回った濃厚接触者の判定だけに、引き続きさらに陽性者が出ることが懸念される。
夫婦同姓 最高裁が再び合憲の判断,違憲は4人
夫婦別姓を認めない民法と戸籍法の規定が憲法に違反するかどうかが問われた3件の家事審判の特別抗告審で、最高裁大法廷は6月23日、両規定を「合憲」とする決定を出した。合憲判断は、2015年の判決に続いて2回目。大法廷は2015年以降の社会状況や国民意識の変化を踏まえても、判断を変更すべきものとは認められないとした。裁判官15人のうち11人の多数意見。
今回の決定は2015年の判決を踏襲し、新たな考え方は示さなかった。夫婦のどちらかが姓を変えなければならないのは、人権に関わる問題だ。にもかかわらず、最高裁は正面から憲法判断することを避けた。まさに、時代に背を向けた最高裁で、「憲法の番人」としての役割を放棄したに等しいと言わざるを得ない。
「りんご日報」最後は100万部 通常の10倍以上
香港国家安全維持法違反罪に問われ、事実上廃刊に追い込まれた民主派の香港紙「りんご日報」の、最後の6月24日付朝刊の発行部数は100万部だった。同紙によると、通常の10倍以上の発行部数で1995年の創刊以来、記録的な数字となった。
「港人雨中痛別(香港人の雨の中の別れ)」。新聞の1面には、この大きな見出しが躍った。香港の報道の自由を体現する新聞として存在した同紙は、良識ある数多くの香港人に惜しまれつつ、およそ四半世紀の歴史にいま幕を閉じた。
サッカーミャンマー代表選手が難民認定申請
サッカーのミャンマー代表のピエ・リアン・アウンさんが6月22日、大阪市住之江区の大阪出入国在留管理局に難民認定を申請した。同行した代理人の空野佳弘弁護士によると、申請は受理され出入国在留管理局の担当者ができるだけ早い時期にアウンさんへの面接を行うという。
また、本国では軍による市民への弾圧が続いていることから、日本での在留を希望するミャンマー人のために5月、日本政府が新たに設けた特別措置による就労を認める在留資格の変更についても併せて申請をしたという。
中国で時速1,000㌔超で走行するリニア実験線建設開始
中国山西省で時速1,000㌔以上で走行する超高速リニアモーターカー「高速飛車」の実験線の建設が始まった。気圧が低い低真空チューブの中を超電導磁気浮上で飛行する仕組みで理論上は時速4,000㌔も実現可能という。
習近平指導部は安全面も含め世界最高水準の交通インフラを整えた「鉄道強国」を目指しており、北京や上海など大都市間を結ぶ長距離リニアモーターカー整備構想も浮上している。
5月下旬から山西省大同市に実物大の実験線(全長2km)を建設。2025年まで実験を重ね5km、15kmと延伸する計画という。
京大 有人宇宙学研究センター 人類の宇宙生活見据え
京都大学は6月22日、将来人類が宇宙で生活することを見据えて、惑星への移住に必要な技術を研究する「有人宇宙学研究センター」を設立したと発表した。同センターは、京都大学大学院の総合生存学館が中心になって立ち上げ、宇宙飛行士で京都大学特定教授の土井隆雄さんや、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の研究者など9人がメンバーとなっている。
同日、設立の会見で、土井さんは①火星への移住を想定して大気の多くが二酸化炭素(CO2)で、気圧が地球の100分の1しかない火星に近い環境で樹木を育てること②宇宙環境に配慮し、木材を用いた人工衛星の開発を行うことなどを紹介した。
同センターでは①惑星で暮らすことを想定した居住空間のデザイン②宇宙放射線による被ばくリスクやその低減-など5つの分野において研究を進めるとしている。
21年度最低賃金中央審議議論開始 交渉難航か
厚生労働相の諮問機関「中央最低賃金審議会」は6月22日、2021年度の最低賃金の目安を決める議論を始めた。7月中に決定する。
近年は政府が介入し大幅に引き上げる動きが続いたが、2020年度は新型コロナによる企業業績の悪化を受け、全国加重平均で902円と前年度から1円の引き上げにとどまった。いぜんとして新型コロナが一部産業に色濃くダメージを与える状況下、経営者側は最低賃金の据え置きを求めており、審議は難航が予想される。
過労死基準20年ぶり見直しへ 不規則勤務も考慮
厚生労働省は、脳出血や心筋梗塞など脳・心臓疾患による過労死の労災認定基準を約20年ぶりに見直す見通しとなった。
現行では「直近1カ月で残業100時間超」など労働時間が「過労死ライン」に達しているかどうかが主な判断基準とされているが、6月22日に開かれた厚労省の有識者検討会で見直し案が示された。過労死ラインに近い残業があり、かつそれ以外に不規則な勤務など業務の負担が大きいと認められた場合」は「業務と発症の関連性が強い」として労災認定する-などとする内容。
香港紙「りんご日報」廃刊 ”言論の自由の灯”消える
香港国家安全維持法違反罪に問われた民主派の香港紙「りんご日報」は6月23日、国家安全当局による同社など関連3社の1,800万香港ドル(約2億5,000万円)の資産凍結措置により、運営資金が底をつき新聞発行を継続できなくなったと発表した。6月24日の朝刊が最後になり、電子版の記事の配信も26日に停止するという。新聞発行の再開は不可能で、同紙は廃刊となる。
同紙は香港の「言論の自由」の象徴とされてきたが、遂に懸念された香港の言論の自由の灯が消えることになる。
コロナ水際対策で憂慮される国と自治体の”ほころび”
東京五輪に参加するウガンダ選手団の1人が新型コロナの検査で「陽性」と確認されたことを巡り、政府の水際対策に”ざる”などと批判の声があがっている。この結果、国と自治体の連携に”ほころび”が出たことが明らかになった。
6月19日に成田空港に到着し、検査で陽性となった本人は現在隔離されているが、ともに来日した選手ら8人は濃厚接触者の判定を受けないまま入国し、事前合宿地の大阪府泉佐野市へバス移動している。
内閣官房オリパラ事務局担当や厚生労働省検疫担当は、いずれも濃厚接触者の有無を判断するのは国ではなく、自治体が担う仕組みだとしている。つまり、今回のケースでいえば泉佐野市がその判断をしなければならないのだという。国の新型コロナの水際対策の中身は国ではなく、自治体に”丸投げ”とも受け取れる発言を堂々としていることで、その中身の薄さが分かる。
海外からの五輪選手団は今後続々来日するだけに、この程度の仕組み、対応策本当に大丈夫なのか?変異株の大量流入で「第5波」の爆発が起こらないことを祈りたい。