天安門事件「六四」の悲劇から30年 未だ禍根続く

1989年6月4日、中国の首都・北京の天安門広場やその周辺で民主化や腐敗撲滅を求めた学生や市民に対して、人民解放軍が発砲し武力で弾圧。多数の死傷者が出た天安門事件から30年を迎えた。「六四」と呼ばれる悲劇だ。6月4日、天安門広場は一見、大勢の観光客でにぎわう一方、広場やその周辺には多くの警察官が配備され、30年を経た今も、犠牲者を追悼する動きや抗議活動を警戒している状況が続いていることが、強くうかがわれた。現実に中国国内では天安門事件に関する情報が規制されていて、朝NHKが海外向けテレビ放送で伝えた際、映像と音声が遮断され、8分間にわたり画面が真っ暗の状態が続いたという。中国政府は319人が死亡したと発表したが、現実にはこれよりはるかに多くの犠牲者が出ているとの遺族らの証言や指摘がある。中国政府にとって天安門事件は、きちんとした検証がないまま、現在も厳然として隠し続けなければ、あるいはできればなかったことにしたい”暗部”として生き続けている。

神戸に来日外国人支援する交流施設オープン

神戸市長田区に6月1日、来日して日の浅い外国人のため日本語の学習を支援したり、生活に必要な情報を提供したりする交流施設「ふたば国際プラザ」がオープンした。この施設では、神戸に住む外国人の日本語学習を支援するほか、来日して間もない人が安心して暮らせるよう医療や雇用保険などの制度や運転免許証の取得方法、ごみ捨てルールなど生活に必要な情報を教えたり、窓口を紹介する。神戸市の外郭団体が日本で暮らす外国人の支援を行っているNPO法人「神戸定住外国人支援センター」に委託して運営する。

シンガポール向け日本産畜産物の輸出解禁

日本の農林水産省は5月31日、シンガポール政府当局より日本産畜産物の輸出を解禁する旨、通知があったと発表した。今回の合意により、家きん肉、牛肉製品、豚肉製品、家きん肉製品および卵製品が新たに輸出解禁となる。農林水産省は厚生労働省と連携して、同国政府当局との間で、かねてより日本産畜産物輸出解禁のための協議を進めていた。

日比 円・ペソ直接交換の意向表明書に署名

日本の財務省は、麻生財務大臣とフィリピン中央銀行のディオクノ総裁が5月31日、日本円とフィリピン・ペソ直接交換の枠組みの構築に向けた意向表明書(LOI:Letter of Intent)に署名したと発表した。この枠組みが実現した場合、日本円とフィリピン・ペソは両通貨間で直接、価格決定を行えるようになり、為替リスクが軽減され、ひいては両通貨の利用が促進されることが想定される。

関空護岸のかさ上げなど防災対策に541億円 関西エアポート

関西空港を運営する関西エアポートは5月31日、2018年9月の台風21号で大規模な浸水被害を受けた関西空港について、新たな基準で護岸をかさ上げするなどとした防災対策を発表した。昨年の規模の高波にも耐えられるよう従来の設計基準よりも高くかさ上げするほか、護岸の外側に波消しブロックを設置して波の力を抑えるようにする。またターミナルビルの地下にある電源設備を地上に移すほか、ビルの周辺に止水板を設置する。これらの防災対策の総額はおよそ541億円に上る見通し。工事は2020年度までに終えるとしている。

中国進出の日本企業 ピークから709社減少、米中摩擦で戦略見直しへ

帝国データバンクのまとめによると、中国に進出している日本企業は2019年5月時点で1万3,685社で、2016年の調査時から249社、過去最も多かった2012年時点の1万4,394社から709社それぞれ減少した。米中貿易摩擦の激化に伴い、中国経済の先行きが一層不透明になる中、中国進出企業は規模の縮小や移転、撤退といった対中戦略の見直しを急いでいる。業種別にみると、

東大 文房具の「のり」使い「造血幹細胞」大量培養に成功

東京大学医科学研究所のグループはこのほど、血液の細胞の元になる「造血幹細胞」を、文房具の「のり」の成分、ポリビニルアルコールを使って培養し、1カ月で200倍から900倍に増やすことに、マウスの実験で初めて成功したと発表した。今後ヒトの造血幹細胞でも培養に成功すれば、白血病の治療などに応用できる可能性があるとして関係者の注目を集めている。造血幹細胞は赤血球や白血球などの元になっていて、骨髄にあるため白血病の治療で行われる骨髄移植には欠かせない細胞だが、人工的に増やすことはほとんどできなかった。

日本の大学卒留学生の就労拡大へ告示改正 出入国在留管理庁

法務省出入国在留管理庁は5月28日、外国人留学生が日本の大学を卒業あるいは大学院を修了した後、現在より幅広い職種で就職できるよう、法務省告示を改正すると発表した。これにより、これまで彼らに認められていなかった飲食店や小売店でのサービス業や製造ラインの業務に就くことができるようになる。改正告示は5月30日に施行予定。