秀吉時代の”野面積み” 威容展示 「大阪城 豊臣石垣館」完成

大阪市が進めていた豊臣秀吉時代に築かれた石垣を展示する「大阪城 豊臣石垣館」(所在地:大阪市中央区)の完成セレモニーが3月15日、同館で行われた。オープンは4月1日で、大小様々な自然石を積み上げる”野面積み”の技法を間近で見ることができる。
同館は地上1階、地下1階(延べ786㎡)。展示される石垣は高さ約4.5mで、1615年の大坂夏の陣後、勝者の徳川幕府が豊臣氏の痕跡を消すため地中に埋め、1984年の発掘調査で見つかったもの。
この事業費は約16.7億円で、うち5億円は企業や個人から募る「太閤なにわの夢募金」を充てる。同募金では2月末時点で4.7億円集まっている。

グラングリーン大阪・南街区3/21開業 万博の玄関口

JR大阪駅北側「うめきた」、大型再開発エリア「グラングリーン大阪」の南街区が3月21日に開業する。4月13日開業の大阪・関西万博を控え、関西の玄関口としていよいよ本格始動する。想定される国内外からの顧客に対応、同エリアのホテル部屋数は1,000室を超え、食やエンターテインメントも充実させる。

大阪メトロ 3/25から”顔パス”でGO 改札機130駅で導入

大阪メトロは3月25日から、顔認証で改札を通り、そのまま電車に乗ることができるサービスを130駅で開始する。14日、長堀鶴見緑地線ドーム前千代崎駅(所在地:大阪市西区)の顔認証ゲートを報道陣に公開した。ゲートは大阪メトロ全134駅のうち、設置スペースがないニュートラムの4駅を除く全駅に導入している。事前に大阪メトロのアプリ「eMETRO」から顔写真を登録し、デジタル乗車券を購入すると利用できる。

『侍タイムスリッパー』最優秀作品賞 日本アカデミー賞

第48回日本アカデミー賞の授賞式が3月14日、東京都内のホテルで開かれた。安田淳一監督の『侍タイムスリッパー』が作品賞、編集賞の2部門で最優秀賞を受賞した。このほか最優秀賞は以下の通り。主演男優賞は横浜流星(対象作品『正体』)、主演女優賞は河合優実(同『あんのこと』)、助演男優賞は大沢たかお(同『キングダム 大将軍の帰還』)、助演女優賞は吉岡里帆(同『正体』)など。

春闘 中小賃上げ5%超 33年ぶり高水準 連合第1回集計

連合は3月14日、2025年春闘の第1回集計結果を発表した。基本給を底上げするベースアップと定期昇給を合わせた平均賃上げ率(回答数760労働組合、加重平均)は、前年同期比0.18ポイント増の5.46%だった。とくに組合員数300人未満の中小組合(351労組)では0.67ポイント増の5.09%となり、1992年以来33年ぶりに5%を超える高水準となった。
2025年春闘で連合は、賃上げ率を全体で5%以上、中小で6%以上とする目標を掲げている。働き手の約7割を超える中小企業と、大手企業の格差是正を狙いとしている。

入管庁 24年はウクライナ人1,618人を「準難民」に認定

出入国在留管理庁は3月14日、紛争地からの避難民を「準難民」として保護する「補完的保護対象者」に、2024年はウクライナ人1,618人を認定したと発表した。多国籍も含めた全体では1,661人だった。ウクライナ以外で認定されたのはシリア17人、ミャンマー13人、スーダン11人、アフガニスタン1人、ウズベキスタン1人。
準難民は、母国が戦争中などで保護が必要な外国人を対象に、日本での定住資格を与える制度。ロシアによるウクライナ侵略が長期化する中で2023年12月に創設された。年間の認定者数の公表は初めて。

関経連副会長に北尾氏・玉置氏起用へ 万博成功へ体制刷新

関西経済連合会(関経連)は、新たな副会長にクボタの北尾裕一社長(68)とパナソニックホールディングス(HD)の玉置肇執行役員(57)を起用する人事を固めた。大阪・関西万博の成功に向けて体制の刷新を図り、5期目に入る松本正義会長(80)を支えるのが狙い。5月に開く定時総会後の理事会で正式に決める。

電通, 日通, コーナン 価格転嫁に応じず 下請けと協議せず

公正取引委員会は3月14日、下請け企業と協議せずに取引価格を据え置いた事例が数多く確認された事業者として、広告大手の電通、物流大手の日本通運、ホームセンター大手のコーナン商事の3社を公表した。
公取委は2024年5月から、労務費や原材料価格の上昇を取引価格に転嫁しているかどうかを調べるため、約11万社に書面調査を実施。価格転嫁を認めずに据え置いた企業として、受注側から名前が多く挙がった発注者に聞き取り調査した。
公取委は3社の取引実態をさらに調査し、下請け企業が価格転嫁できるよう改善を促す。

フライト疑似体験 万博会場内に「空飛ぶクルマ」展示施設

万博協会は3月13日、大阪・関西万博の会場内に、次世代の移動手段として期待される「空飛ぶクルマ」の展示施設を設けると発表した。
目玉はフライトの疑似体験ができる幅7m、高さ4.7m、奥行き8mの巨大シアターで、日本航空が設ける。スクリーンは前方と左右、床面に、来場者を囲むように設置され、あらゆる方向から音が聞こえる立体音響や振動技術を駆使して臨場感を高める。
約15分間、空飛ぶクルマに乗って大阪上空を飛行しているような没入感のある体験ができるという。一度に約20人が参加可能だ。将来的な実用化に向けて理解を広げたい考え。施設名は「空飛ぶクルマ ステーション」で、展示面積は300㎡。入館には予約が必要となる。空飛ぶクルマの離着陸場を運営するオリックスは、施設内にモニターを設置し、空飛ぶクルマや離着陸場について紹介する動画を流す。
万博でのデモ飛行は、日本航空と住友商事が設立したソラクル(所在地:東京都)、ANAホールディングスと米ジョビー・アビエーション、丸紅、スカイドライブ(所在地:愛知県豊田市)の計4陣営が行う予定。

パート賃上げ率6.53% 3年連続最高更新 UAゼンセン1次集計

繊維、流通、外食などの労働組合が加盟するUAゼンセンは3月13日、2025年春闘の妥結状況の1次集計を公表した。大幅な改善が課題となっているパート従業員の賃上げ率は前年同期比0.08ポイント高い6.53%と3年連続で過去最高を更新したが、UAゼンセンが掲げていた賃上げ目標の「7%基準」には届かなかった。正社員の賃上げ率も0.54ポイント低い5.37%にとどまった。パートが正社員の賃上げ率を上回るのは9年連続。
13日午前10時時点で妥結したパート95組合(約49万人)、正社員139組合(約26万人)を集計した。