脳死判定 累計1,000例に 臓器移植法施行26年 提供数の底上げ急務

日本臓器移植ネットワークによると、臓器移植法に基づく脳死判定が累計1,000例に到達した。1997年の同法施行から26年。家族承認による臓器提供が可能となった2010年以降、脳死臓器提供数は増加し、2023年は10月27日時点で100件に上り過去最多となった。ただ、これでも国内の提供者数は海外と比べて極めて少なく、移植を希望する患者の待機期間は長期化している。臓器提供数の底上げが急務だ。
脳死提供臓器の移植を受けた人は10月25日までに4,347人。9月末時点で移植を待つ人は1万5,909人で、待機期間は心臓で約3年5カ月、腎臓では約14年8カ月に及ぶ。圧倒的に国内の臓器提供社数が少ないためだ。人口100万人当りの脳死提供者数は米国44.50人、韓国7.88人に対し、日本はわずか0.88人にとどまっている。

クマ被害 18道府県で過去最悪の173人に 秋田59人, 岩手41人など

クマに襲われてけがをするなどの被害に遭う人が増え続けている。環境省が集計した4〜9月分109人と、NHKがその後の被害分としてまとめた分を合わせると、今年度のクマ被害は18道府県で173人に上っている。すでに3年前の2020年度の158人を大きく上回り、国が統計を取り始めて以降、過去最悪となっている。農村、山間部だけでなく、街中の住宅街、商業施設や学校、文化施設などでも被害に遭うケースも少なくなく、国や自治体が対策の徹底を呼び掛けている。
地域別にみると、被害件数の多いのは秋田県の59人、岩手県の41人、福島県の13人、青森県の11人、長野県の10人、新潟県7人、岐阜県6人、富山県5人、北海道4人などと続いている。

哺乳類は宇宙でも繁殖できる可能性 山梨大, 理研がマウスで確認

山梨大学や理化学研修所などの研究チームは、宇宙のほぼ重力のない環境でも、マウスの受精卵が着床前の「胚盤胞」と呼ばれる状態まで成長できることを突き止めた。哺乳類が宇宙でも繁殖できる可能性を示した最初の研究成果という。
この研究はJAXA(宇宙航空研究開発機構)の協力で、凍結したごく初期の受精卵720個を2021年、国際宇宙ステーション(ISS)に運び、星出彰彦宇宙飛行士が解凍し、実験した。受精卵半分ずつをそれぞれ、微小重力の環境下と、ISS内にある地上と同じ重力を発生する装置の中で培養した。この実験後、地球に戻った受精卵を確認した結果、分かったもの。

南ア NZ僅差で下し連覇 最多の4度目V達成 ラグビーW杯

ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会は10月28日、決勝戦が行われ南アフリカがニュージーランドに12−11で競り勝ち2連覇し、単独史上最多の4度目の優勝を達成した。南アフリカのSOポラードが4PGを決めてチームの全得点を挙げた。ニュージーランドは後半1点差に迫ったが、2大会ぶりの優勝はならなかった。
次回大会は2027年、オーストラリアで出場チームが現在の20から24に拡大して開催される。

阪大グループ 紙おむつの処理で環境への負担軽減へ新技術開発

大阪大学の研究グループは10月24日、紙おむつに使われている水分を吸収する素材、吸水性ポリマーをトウモロコシのデンプンなどで作製することに成功したと発表した。この素材はプラスチックなどとは異なり、自然環境下で分解されるためゴミとして処理する際の負担の軽減につながると期待されている。
近年急速に増えつつある紙おむつで、ゴミとして排出される量はおよそ220万トンに上り、一般廃棄物の5%を占めるといわれている。

第75回「正倉院展」初出展の6件含め59件展示 奈良国立博物館

奈良市の奈良国立博物館で10月28日、奈良時代の聖武天皇ゆかりの宝物を公開する「第75回 正倉院展」が始まった。今年は初出展の6件を含め59件が展示されている。正倉院展は11月13日まで。
今回注目されるのは「九条刺納樹皮色袈裟(くじょうしのうじゅひしょくのけさ)」。縦およそ1.5m、幅およそ2.5mの僧侶が身に付ける袈裟で青や黄色に染められた絹の断片が細かく縫い付けられている。聖武天皇が亡くなった後、妻の光明皇后が遺品を東大寺に納めた際、目録の筆頭に掲げ、仏教を厚く信仰した聖武天皇を象徴する宝物の一つ。また、「平螺鈿背円鏡(へいらでんはいのえんきょう)」は、直径40cmほどの銅鏡で、背面は夜光貝や琥珀を使った豪華な花の文様で彩られた歴史上最高峰の鏡の一つとされている。

新潟ー中国・ハルビン定期便 24年1/15から4年ぶり運航再開

新潟県は、新型コロナウイルス禍で3年前から運休している新潟空港と中国黒竜江省・ハルビンを結ぶ定期便について、2024年1月15日から中国南方航空が運航を再開すると発表した。運航は毎週月曜日で1往復の予定。同路線の定期便は2020年2月まで中国南方航空が週3往復、運航していた。現在、新潟空港と中国へは上海を結ぶ便が運航している。

23年度上半期の「後継者難」倒産 8.2%増の222件で最多に

東京商工リサーチのまとめによると、2023年度上半期(4〜9月)の後継者不在による「後継者難」倒産(負債額1,000万円以上)は、前年同期比8.2%増となり、上半期としては最多の222件に上った。ちなみに2022年度同期は205件、2021年度同期は181件だった。
上半期の企業倒産件数はコロナ禍の資金繰り支援の効果が薄れ、2022年度同期から2年連続で増加し、「後継者難」倒産はコロナ禍前の2019年同期を底に4年連続で前年同期を上回った。
後継者難倒産を要因別にみると、最多が代表者の「死亡」97件(前年同期比18.4%減)、次いで「体調不良」88件(同54.3%増)で、「死亡」「体調不良」合わせ185件(同5.1%増)と後継者難倒産の83.3%を占めた。
産業別では最多がサービス業ほかの62件(前年同期比21.5%増)、次いで建設業57件(同39.0%増)、製造業30件(同16.6%減)と続く。資本金別では1,000万円未満が前年同期比9.5%増の138件で、全体の62.1%を占め、小規模・零細企業が主体となっている。

9月求人広告件数5.1%増 29カ月連続前年上回る

人材サービス会社でつくる全国求人情報協会(全求協、所在地:東京都千代田区)のまとめによると、9月の求人広告件数(週平均、職種別)は前年同月比5.1%増の131万3851件だった。前年同月を上回るのは29カ月連続。
主要職種では小売店などの販売が18.7%増の24万7,829件、調理サービスが14.1%増の13万1,844件だった。ただ、32.3%増だった前年同月に比べ伸び率は鈍化している。また、事務職は前年同月比12.9%減少している。

関西広域連合「関西パビリオン」建設費約1億4,500万円増へ

関西広域連合は10月26日会合を開き、2025年大阪・関西万博で出展する「関西パビリオン」の建設費が当初見込みより、およそ1億4,500万円増える見通しになったとして増額分を計上した補正予算案をまとめた。増額分の内訳はパビリオンのバックヤードを広げるための費用8,600万円、資材価格や人件費の高騰などでおよそ5,900万円を盛り込んでいる。
関西広域連合は関西の5府県、周辺の4県を合わせた9府県で構成。関西パビリオンの建設費は当初約5億2,500万円を見込んでいた。今回の増額分を合わせるとおよそ6億7,000万円となる。