環境省と国土交通省は11月29日、全国の水道事業者が実施した水質検査の結果、健康への悪影響が指摘される有機フッ素化合物「PFAS」のうち「PFOS」「PFOA」について、2020年度から2023年度にかけ、全国の14カ所で国の暫定目標値を一時的に上回っていたことを明らかにした。2024年度は9月末時点で暫定目標値を上回る水道事業者はなかった。2020年度は東京都や神奈川県座間市など11カ所、2021年度は兵庫県西脇市など5カ所で国の目標値を上回った。
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マイナ保険証で25年度から電子カルテ 病院間で共有へ
政府は、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」を利用する患者の電子カルテ情報について、医療機関同士で共有する新システム「電子カルテ情報共有サービス」の運用を、2025年度に始める方針を固めた。この新システムは厚生労働省所管の法人が管理する。
これにより、各医療機関から電子カルテに記録された病名やアレルギー、感染症と生活習慣病の検査や健診結果、処方箋の情報が集まり、データベースに蓄積される。データの保存期間は3カ月〜5年間となる。全国の医療機関がデータを閲覧するためには、患者の同意を得る必要がある。
新システムが導入されると、救急患者の症状と、データを突き合わせて診断したり、初診患者の検査結果を、過去の数値と比べて病状の変化をみたりすることが可能になる。また、アレルギー情報は安全な薬剤の処方に役立つ。
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訪日客の免税制度 26年度にも出国時返金に変更 不正横行で
政府・与党は、訪日観光客に適用される消費税の免税制度について、2026年度にも出国時に国外へ持ち出す商品を確認して消費税分を払い戻す「返金(リファンド)方式」に変更する方向で調整に入った。日本国内で購入時に免税している現行制度では、その後に転売するなどの不正が横行しているとの指摘があるからだ。
与党の税制調査会が詳細を詰め、今年末にまとめる2025年度税制大綱に盛り込む。
税関の調査では、2022年度に1億円以上の免税品を購入して出国した374人のうち、税関が購入を把握して検査できたのは15.2%の57人にすぎず、ほとんどの人は無申告で出国していた。さらに免税品の検査をした57人のうち、56人は持ち出しなどを確認できず、消費税を支払う必要があったが、55人は納税せず出国し、滞納額は18億5,000万円に上ったという。
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阪大チーム がん免疫療法の副作用のたんぱく質を特定
大阪大のチームはこのほど、「がん免疫療法」の副作用と関わるたんぱく質を、マウスを使った実験で突き止めたと発表した。論文が科学誌サイエンスに掲載された。同チームは、このたんぱく質の働きを抑えれば、がんを攻撃する免疫細胞によって起きる副作用を軽減できる可能性があるとしている。
免疫細胞には、ウイルスやがんを攻撃して体を病気から守る「キラーT細胞」などと、逆にキラーT細胞などの働きにブレーキをかけて過剰な免疫反応を抑え、結果的にがんを保護することもある「制御性T細胞(Tレグ)」が存在する。免疫療法では、これらの免疫細胞に働きかけ、効果的にがんを攻撃させる複数の薬が開発されているが、全身で炎症が起きるなどの副作用が出やすいことが課題となっている。