中外製薬 血液疾患の治療薬「ピアスカイ」の承認取得

中外製薬は3月26日、厚生労働省から血液の希少疾患の抗体医薬品「ピアスカイ」の承認を取得したと発表した。ピアスカイの一般名はクロバリマブ。国の指定難病「発作性夜間ヘモグロビン尿症」の治療に使う。皮下注射で4週間に1回の投与すれば済むため、患者の負担軽減につながる。同社は同治療薬について、中国でも承認を取得しており、米欧などで承認申請している。

クラレ 620億円投じシンガポールにエバール樹脂の新工場

クラレは3月26日、4億1,000万ドル(約620億円)投じ、食品ロス削減につながる食品包装用樹脂の新工場をシンガポールで建設すると発表した。生産するのは同社が世界で初めて開発したエバール樹脂で、同新工場は2026年末に稼働を予定。東南アジア地域での生産は初めて。
エバール樹脂は酸素などの気体を通しにくく、食品の劣化を防ぎ鮮度保持に優れている。樹脂製造の前工程は年産3万トン、後工程は同1万8,000トンを計画。2026年度以降、需要動向を見据え後工程に再投資し生産能力を拡大する。

小林製薬の「紅麹」含む健康食品問題で入院確認70人余に

小林製薬(本社:大阪市中央区)は3月26日、「紅麹(べにこうじ)」の成分を含む健康食品を摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で、新たに相次ぎ入院していたことが判明、この問題で入院を確認された人が合わせて70人余りになったことが分かった。また、2人が腎不全などで亡くなっていたことが分かった。
同社は、2023年一年間に製造した紅麹原料18.5トンのうち16.1トンを子会社を通じて取引先に販売したことを明らかにした。このうち6.9トンは。同社が自主回収を進めている健康食品に使用しているものと同じ紅麹原料という。
同社は予防的措置として取引先に対し、紅麹原料を使用したすべての製品の販売や使用を控え、回収措置に協力するよう要請しており、52の食料商社や食品メーカーなどが自主回収する動きが相次いでいる。

24年1/1時点の地価公示 大阪商業地2年連続上昇

国土交通省によると、大阪1715地点の今年1月1日時点地価の公示が公表された。商業地は平均プラス6%となり、2年連続で上昇した。商業地で上昇率が高かったのは大阪市中央区道頓堀1丁目で25.3%、ついで大阪市中央区難波2丁目「で22.1%となった。商業地で価格が最も高くなったのは大阪市北区大深町の「グランフロント大阪南館」で1㎡当たり2,360万円「だった。
住宅地は平均でプラス1.6%と3年連続の上昇となった。上昇率は箕面市船場西1丁目が8.7%で最も高く、次いで箕面市今宮4丁目が8.6%となるなど、北大阪急行電鉄の延伸に伴って新駅が建設されたことが主な要因。住宅地で最も高くなったのは、大阪市福島区福島3丁目で1㎡当たり125万円だった。

三井化学 廃プラン分解油によるケミカルリサイクル製品

三井化学(本社:東京都中央区)は3月22日、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、CFP(本社:広島県福山市)より調達した廃プラスチックを原料とした熱分解油を、2024年3月に同社大阪工場(所在地:大阪府高石市)のクラッカーへ投入し、マスバランス方式によるケミカルリサイクル由来の誘導品(化学品・プラスチック)の製造・販売を開始したと発表した。
同社グループは、認証制度として欧州で広く採用されているISCC PLUS認証に基づき、マスバランス方式によるケミカルリサイクル製品を市場展開していく予定。

3月発売の首都圏新築マンション7,122万円 4カ月連続上昇 

不動産経済研究所によると、3月に首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)で発売された新築マンションの平均価格は、前年同月比5.1%高の1戸あたり7,122万円だった。前年同月を上回るのは4カ月連続。
東京23区は前年同月比1%高の9,110万円、23区を除いた東京都内が同15.4%高の5,816万円、神奈川県が同20.6%高の6,096万円、千葉県が同14.9%高の5,079万円、埼玉県が同7.0%高の5,066万円だった。また、3月に首都圏で発売された新築マンションの戸数は同27.6%減の1,319戸にとどまった。

ダイハツ 4/10に主力の「タント」など2車種の生産再開

ダイハツ工業(本社:大阪府池田市)は3月21日、滋賀工場(所在地:滋賀県竜王町)で認証不正問題で停止していた主力車種の「タント」と、AUBARU(スバル)ブランドの「シフォン」の2車種の生産を再開すると発表した。国土交通省が安全や環境に関する性能の基準を満たしているとして3月11日に出荷停止指示を解除したことを受けたもの。

JAL 33年度までに新型機42機導入 低燃費・小型機に更新

日本航空(JAL)は3月21日、2025〜2033年度までに欧州エアバスと米ボーイングの新型機42機を国内線・国際線に導入すると発表した。低燃費の機材や小型機材に更新する。
国際線に30機、国内線に12機投入する。メーカー別ではエアバスが32機、ボーイングが10機。購入予定金額は明らかにしていない。新型コロナウイルス禍後の本格的な旅客需要の回復を見込み、大型投資に踏み切る。

東レ 廃水再利用へ高耐久性逆浸透膜を開発 耐薬品性2倍

東レ(本社:東京都中央区)は3月21日、工場廃水の再利用、下水処理等での厳しい条件のもとで、これまでの除去性を維持したまま、長期間安定して良質な水を製造できる高耐久性逆浸透膜を開発したと発表した。今回の開発品は、膜の洗浄時の薬品に対する耐久性を従来品の2倍に向上させたほか、交換頻度を半減させている。
現在、量産準備を進めており、2024年上期に市場が急拡大する中国での販売を目指し、日本を含むその他の国・地域に向けた製品開発に活用していく計画。

2月電子機器出荷額23.1%減 AVC機器11カ月連続減少

電子情報技術産業協会(JEITA)のまとめによると、テレビや車載機器など民生用電子機器の2月の国内出荷額は前年同月比23.1%減の782億円だった。カーナビなどのAVC機器の出荷額は同38.2%減の373億円にとどまった。前年同月を下回るのは11カ月連続。映像機器全体の出荷額は同1.0%減の362億円だった。