8月貿易赤字9,304億円 2カ月連続 赤字幅は66%縮小

財務省が9月20日発表した貿易統計速報によると、貿易収支は9,304億円の赤字だった。中国向けの輸出が落ち込み、2カ月連続の赤字となった。ただ、赤字幅は前年同月に比べて66.7%縮小した。
8月の輸入額は同17.8%減の8兆9,248億円、主な内訳は原粗油が25.5%減の9,773億円、液化天然ガス(LNG)が43.0%減の5,007億円、石炭が48.6%減の4,384億円。
輸出額は0.8%減の7兆9,943億円だった。輸出先を地域別にみると、中国向けが11.0%減の1兆4,350億円、米国向けが5.1%増の1兆6,179億円だった。

大塚製薬 経口タイプの抗がん剤 ECから製造販売承認を取得

大塚製薬は9月19日、成人の急性骨髄性白血病の治療に使われる経口タイプの抗がん剤「イナコビ」について、欧州委員会(EC)から製造販売承認を取得したと発表した。各国で順次販売する。
同社の注射で投与する抗がん剤「ダコジェン」を経口剤にした。がん細胞の増殖を抑制し、機能を回復させる効果がある。注射の投与は通院治療ととなるが、経口剤は在宅治療が可能で、患者の負担が減らせると期待される。

8月パソコン国内出荷台数12%減の43.8万台 5カ月連続の減少

電子情報技術産業協会(JEITA)によると、8月のパソコン(PC)国内出荷台数は前年同月比12%減の43万8,000台だった。国内出荷台数が前年同月を下回るのは5カ月連続。種類別ではノートPCが11%減の37万台、デスクトップPCが16%減の6万8,000台だった。法人と個人向け両方で減少傾向が続いている。
全体の出荷金額は9.4%減の518億円だった。7月に続き前年同月を下回った。

ホンダ 東レとナイロン6樹脂の水平リサイクルの実証開始

ホンダと東レは9月19日、使用済み自動車(ELV)から回収したナイロン6樹脂の水平リサイクルに関する共同実証を開始したと発表した。実証機関は2023年7月〜2026年3月の予定。この実証は環境省の脱炭素型循環経済システム構築促進事業の認定を受けており、樹脂処理量500トン/年規模のパイロット設備の導入と実証を行い、2027年ごろの実用化を目指す。

スズキ マレーシア企業に二輪車部品の供給契約 24年前半から

スズキ(本社:静岡県浜松市)は9月15日、マレーシア企業KMSB Motors Sdn.Bhd.(所在地:クアラルンプール、以下、KMSB)との間で、二輪車生産用部品の供給契約を締結したと発表した。KMSBはスズキブランドの二輪車をマレーシアで生産販売しているスズキマレーシア社の親会社、AFY Mobility Industries Sdn.Bhd.のグループ企業。
KMSBは今後、独自の二輪ブランド「AFAZ」を立ち上げる計画。スズキはAFAZブランドの110〜150cc機種用のエンジンや車体関連部品を2024年前半より順次供給する予定。

中国の8月日本産水産物輸入70%減の約30億円にとどまる

中国税関総署によると、中国が8月に日本から輸入した魚類など水産物は前年同月比70%減の2,074万ドル(約30億6,000万円)にとどまった。減少率は7月の33%から拡大し、2020年8月(75%)以来の大幅減となった。
東京電力福島第1原子力発電所の処理水の海洋放出を受け、中国が日本産水産物の全面輸入禁止措置によるもので、その影響は加速している。

塩野義コロナ治療薬 重症化リスクの患者にも抑制効果

塩野義製薬(本社:大阪市中央区)は9月19日、同社の経口投与タイプの新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」が重症化リスクの高い患者にも抑制効果があることを確認したと発表した。ゾコーバは軽症や中等症の患者向けの経口治療薬で、重症化リスクの高い患者への効果は示されていなかった。
今回行った臨床試験(治験)で、別の薬で十分な効果が得られなかった患者にゾコーバを投与したところ、67%の患者でウイルス量が基準値以下まで下がったという。ゾコーバを21人の患者に1日1回、5日間投与した結果、14人のウイルス量が基準値以下となり、6日目までにすべての患者の症状が改善し、重症化したり死亡したりした患者がいなかったとしている。
また、別の治験で息切れ、集中力や思考力の低下といったコロナ後遺症を1年以上にわたり抑える効果があることも確認したと発表した。

パナソニック系 「卵子凍結」の費用補助を福利厚生制度に導入

パナソニックコネクト(本社:東京都中央区)は9月15日、同社で働く女性社員の自律的なライフプラン設計を支援するために、「卵子凍結」への費用補助を2023年10月より国内社員向けの福利厚生制度として導入すると発表した。グレイスグループが提供する卵子凍結管理サービス「Grace Bank」と提携するほか、社員が卵子凍結を行うクリニックに支払う費用を34歳以下の女性社員を対象に、40万円を上限に補助する。卵子凍結は女性のキャリアとライフプランを両立させるための選択肢として注目を集めている。

スズキとパナソニック系 電動二輪で新しいモビリティ開発で合意

スズキ(本社:静岡県浜松市)とパナソニックサイクルテック(本社:大阪府柏原市)は9月15日、電動アシスト自転車の駆動ユニットを活用した新しいモビリティの共同開発で合意したと発表した。これはパナソニックサイクルテックが開発、製造、販売している電動アシスト自転車の小型・軽量な駆動ユニットとリチウムイオンバッテリーを活かし、ススキの二輪車技術開発と組み合わせることで、新しいモビリティの商品化の可能性を検討するもの。