トヨタ 30年に新車世界販売の約8割・800万台を電動車へ

トヨタ自動車は5月12日、2030年に電動車の世界販売台数を800万台程度とする新たな目標を発表した。世界的な”脱炭素”の取り組みの高まりを受けて、新車販売の約8割を電動車に置き換える。
800万台の内訳は二酸化炭素(CO2)を全く排出しない電気自動車(EV)と燃料電池車(FCV)が約200万台、ガソリンとモーターを併用するハイブリッド車(HV)とプラグインハイブリッド車(PHV)が約600万台。
ちなみに同社の電動車販売は、20年度で初めて200万台を突破したが、その大半はHVとなっている。

三菱ケミカル 中国SMP社の保有全株式をSinopec社に譲渡

三菱ケミカル(本社:東京都千代田区)はこのほど、中国の持分法適用会社、樹脂製造・販売の中石化三菱聚碳酸酷(北京)有限公司(本社:中国・北京市、以下、SMP社)の保有全株式を、中国石油化工股份有限公司(本社:中国・北京市、以下、Sinopec社)に譲渡することで合意したと発表した。譲渡時期は10月末が目途。

関西の4百貨店 全社赤字 コロナで臨時休業響き回復見通せず

関西で店舗を展開する主要百貨店4社の2020年度連結決算が5月11日、出そろった。新型コロナウイルス感染拡大による店舗の臨時休業などが響き、売上高は全社が減収、最終利益も全社が赤字だった。緊急事態宣言が5月末まで延長される中、業績回復のめどが立たない厳しい環境が続く。影響は「2023年度くらいまでかかろではないか」(村田善郎・高島屋社長)とみられる。
J.フロントリテイリングの2021年2月期連結決算は、売上高7,662億円、最終利益261億円の赤字となり、大丸と松坂屋ホールディングスが経営統合した2007年以来、初の最終赤字に転落した。阪急阪神百貨店を傘下に持つエイチ・ツ-・オー(H2O)リテイリングの2021年3月期連結決算は、売上高7,391億円、最終利益247億円の赤字で、赤字幅は2007年の発足以来最大だった。高島屋の2021年2月期連結決算は、売上高6,808億円、最終利益339億円の赤字と、17年ぶりの最終赤字に転落した。近鉄百貨店の2021年2月期連結決算も売上高2,183億円、最終利益49億円の赤字と、6年ぶりの赤字だった。

日揮HD ベトナムで固形製剤工場プロジェクト受注

日揮ホールディングス(本社:横浜市西区)は5月10日、日揮グローバルならびにベトナム現地法人、JGCベトナム社が共同で、あすか製薬が出資するHa Tay Pharmaceutical Joint Stock Company(以下、ハタファー社)から固形製剤工場に関わる設計・調達・建設役務を受注したと発表した。受注額は非公表。納期は2023年の予定。
同プロジェクトで、ハタファー社は多品種の固形製剤を年間約20億錠生産する予定。同工場の建設場所はベトナムタックタット県(首都ハノイから西に約35km)。

住友生命G3社が「終活相談付き みんなの葬儀保険」発売

住友生命グループのアイアル少額短期保険(本社:東京都中央区)、アドバンスクリエイト(本社:大阪市)、燦ホールディングスグループのライフフォワード(本社:東京都港区)の3社は5月10日、共同で「終活相談付き みんなの葬儀保険」を5月17日から発売すると発表した。
契約した顧客にライフフォワードが、葬儀や相続など終活カウンセリングサービスを無償提供するなど、3社の強みを活かした付帯サービスの提供、マーケティング等の取り組みを推進していく。

再生可能エネ導入拡大へ 送電網の容量倍増計画案まとまる

全国の電力需給を調整する「電力広域的運営推進機関」は、再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、地域間で電力を融通する送電網の容量を今の2倍に増やす計画案をまとめた。
具体的には洋上風力発電に適した土地が多い北海道と消費地の関東を直接結ぶ海底ケーブルを新たに整備する。容量は800万KWで、これは北海道・本州間を結ぶ今の送電網の容量の9倍近い規模となる。また、太陽光発電が普及する九州と、中国地方との間を今の2倍の556万KWに増強するなどとしている。
整備には最大で4兆8,000億円の費用が見込まれることから、経済産業省が整備の優先順位や費用負担のあり方などについて検討を進める方針。

ミャンマーのキリン系 不買運動で打撃 合弁解消協議難航

キリンホールディングス傘下で、ミャンマーのビール最大手ミャンマー・ブルワリー(MB)の販売額が2月のクーデター以降、前年同期比8~9割減となったことが5月10日分かった。地元メディアが報じた。MBには国軍系企業グループが出資しており、反発する市民の不買運動が続いているためだ。
MBはキリンが発行済み株式の51%、国軍関係者が主要株主のミャンマー・エコノミック・ホールディングス(MEHL)が49%を保有する。キリンはクーデターを問題視し、MEHLに合弁解消を申し入れ、2月と3月に交渉を持ったが難航、不調に終わっている。

国産初のワクチン 年内供給へ 塩野義製薬社長が見通し

塩野義製薬の手代木社長は5月10日、開発中の新型コロナウイルスワクチンについて、条件が整えば年内に供給することが可能になるとの見通しを明らかにした。実現すれば日本の製薬会社が自社開発する初の国産ワクチンとなる可能性がある。同社は関係省庁との協議を通じ、早期の供給を目指したい考え。

パナソニック テレビ国内生産終了 世界全体で生産体制見直し

パナソニックは5月10日、テレビの国内生産を終了したと発表した。唯一、国内で稼働していた宇都宮工場で、国内向けの有機ELテレビの生産を続けてきたが、3月末までに生産拠点をマレーシアに移管した。中小型の液晶テレビは中国の電機大手TCLに生産委託する方向で協議中。宇都宮工場は製造工法の開発や補修部品の生産を行う拠点として残す。
パナソニックは旧松下電器産業時代、1952年からテレビの国内生産を開始。最盛期の2010年度には世界で2,000万台以上を販売し、長く会社の花形部門だった。ちなみに直近の2020年度の世界のテレビ販売はわずか360万台に落ち込んでいる。同社は世界全体で生産体制を見直しテレビ事業の収益力を高めるのが狙い。

モデルナワクチンの国内治験で「中和抗体」増加確認 武田薬品

武田薬品工業は5月10日、米国の製薬会社モデルナが開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、日本国内の治験の結果、2回の接種を受けた全員にウイルスの働きを抑える「中和抗体」の増加を確認、データを国に提出したと発表した。日本での流通を手掛ける武田薬品は今年1月から20歳以上の男女合わせ200人を対象に治験を行っていた。
厚生労働省は5月20日に専門家部会を開き、すでに治験のデータを提出している英国の製薬大手アストラゼネカのワクチンと、合わせて2社のワクチンの承認の可否を同時に判断する見通し。