三菱商事 脱炭素へ2030年度までに2兆円規模の関連投資

三菱商事(本社:東京都千代田区)は10月18日、温室効果ガスの排出量を2050年度までに実質ゼロとする目標を設定し、2030年度までにエネルギー・トランスフォーメーション(EX)関連で2兆円規模の投資を行うと発表した。
中間目標として恩師効果ガスの排出量を、2030年度に2020年度比半減を目指す。脱炭素とエネルギーの安定供給の両立を目指す。再生可能エネルギー、水素・アンモニア、銅など金属資源、天然ガスを絨毯分野と位置付け、重点的に投資する。再生エネルギーは2兆円のうち半分程度を投じる見通しで、主に風力発電を中心に世界で新規開発案件を増やす。水素・アンモニアなど次世代エネルギーでは、製造から輸送まで大規模な供給網の構築を進める。

すかいらーくHD 2,000店舗に配膳ロボ 非接触で感染対策

ファミレスチェーン最大手すかいらーくホールディングス(本社:東京都武蔵野市)は10月18日、2022年末までに約2,000店舗で配膳ロボットを導入すると発表した。店員の作業負担を減らし、新型コロナウイルス感染予防対策も狙いとする。行動制限が緩和される中、人手不足や非接触によるサービスを広げていく。
2022年4月までに主力業態の「ガスト」の約700店や、しゃぶしゃぶ店「しゃぶ葉」全店の計約274店に導入する。2022年末までには「ガスト」約600店、「バーミヤン」などにも導入し、全体では約2000店舗となる見込み。

NECプラットF 台湾MediaTekと5G通信機器開発で協業

NECプラットフォームズは10月14日、世界的なファプレス半導体企業、MediaTek Inc.(本社:台湾新竹市)と日本市場向けの5Gデータ通信機器開発で協業し、国内企業で初めてMediaTeK製5Gチップセット「T750」のライセンス契約を締結したと発表した。NECプラットフォームズがT750を使用し開発した5Gモバイルルータ「Speed Wi-FiX11」はKDDI、沖縄セルラー電話、UQコミュニケーションズから10月15日より発売開始される。
今後、NECプラットフォームズはブロードバンド通信市場向けにシステムオンチップの開発で市場をリードするMediaTekのサブ6帯の5G通信機能と必要な周辺部品がすべて統合されているT750の提供を受ける。これにより、5Gモバイルルータや5Gホームルータなどを開発していく。

阪急阪神エクスプレス フィリピン・ダバオ市に事務所開設

阪急阪神エクスプレス(本社:大阪市北区)は10月15日、フィリピン現地法人、阪急阪神エクスプレス(フィリピン)が、ミンダナオ島のダバオ市に事務所を開設すると発表した。18日から業務を開始する。
ダバオ市は首都マニラから飛行機で2時間弱で、果物や海産物など生鮮品を取り扱うフィリピン企業が集積し、マニラ首都圏への国内輸送基地としても有望なエリア。今回新たに営業拠点を開設することで、さらなる生鮮ビジネスの拡大を目指す。

PPIH DON DON DONKI 10/22シンガポール11号店オープン

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(本社:東京都目黒区、以下、PPIH)は10月15日、グループのパン・パシフィック・リテールマネジメント(シンガポール)(本社:シンガポール)が10月22日に、シンガポール11店舗目となる「DON DON DONKI Tampines 1(タンピネスワン)」店をオープンすると発表した。出店場所は商業施設「Tampines 1」内で、同国東部で最も多くの乗降客を誇るTampines駅に隣接する、同駅から徒歩約1分の好立地。売場面積は925㎡。

INPEX・大阪ガス 大規模「メタネーション」実証事業

資源開発大手INPEXと大阪ガスは、二酸化炭素(CO2)と水素を使ってメタンをつくり出す「メタネーション」と呼ばれる技術を活用した世界最大級の製造拠点を整備し、新潟県長岡市で低コスト化に向けた実証事業を始めることになった。2024年度中に年間で1万世帯が使う都市ガスを賄えるだけの合成メタンの製造を目指す。
日本政府はメタネーションを巡り、2050年に都市ガス全体の90%以上を合成メタンからつくり出す目標を掲げているが、費用が高いことが課題で、両社は今回の実証事業を通じてコストの低減を目指したいとしている。

「光触媒」で純度高い水素取り出す大規模実験に成功 NEDO

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)、東京大学、信州大学などの研究チームは、太陽の光を吸収して水を水素と酸素に分解する「光触媒」の働きを活用して、100㎡の規模で純度の高い水素を安全に取り出すことに成功したと発表した。
今回試したのは、この光触媒を付着させたパネルを屋外に設けて水を注ぎ、太陽の光を受けて発生した水素と酸素が混ざった気体から穴の空いた膜を通すことで水素だけを抽出する実験。同チームは2019年から2年にわたって実験に取り組んできた。実験の結果、発生した水素の7割以上をおよそ94%という高い純度で安全に取り出せたという。
同チームによると、100㎡の規模で水素の取り出しに成功したのは世界で初めて。水素を大量かつ低コストでつくる技術につながると期待できる一方、さらに効率よく取り出すための新たな物質の開発が実用化への課題としている。

マツダ 30年度までに順次定年65歳へ引き上げ シニア活用

マツダは10月15日、社員の定年退職の年齢を2030年度までに現行の60歳から65歳に引き上げる方針を明らかにした。電動化など急変する経営環境に対応するため、経験豊富なシニア世代を活用するのが狙い。管理職を含む全社員が対象で、9月末に通知した。
まず2022年度に定年を61歳とし、以降は2年ごとに1歳ずつ引き上げる。同社には現在、定年後に65歳まで働ける再雇用制度があるが、給与水準が下がるため、士気を保つことが難しいことが課題となっていた。そのため、今回の順次小刻みに、定年を引き上げる措置を取ることになった。

パナソニック・トヨタ 人と機械の協働へ「指ダミー」開発

パナソニックとトヨタ自動車は10月15日、人と機械が安心・安全に共存・協働していくための指部の安全性評価技術を共同開発したと発表した。両社はとくに産業界でニーズが高いと想定される、指部への比較的軽度な傷害の未然防止に向けた評価用ツールとして「裂傷評価指ダミー(以下、指ダミー)」を製品化し、タナック(本社:岐阜市)を通して、10月15日より販売を開始する。
指ダミーは、人体の骨にあたる芯棒部に、皮膚にあたる軟材料(指ダミー部)を被せた構成で、皮膚に見立てた軟材料は、実際の人体と同程度と推定される裂傷強度(裂傷を発生させる荷重)を有した独自開発の材料。軟材料を被せた部分を機械などに挟み込ませ、その際に軟材料が受けるダメージの程度から傷害を可視化し、指部の軽度な傷害の予測とその評価ができる。

住友林業 米・加大の10階建て木造ビルの振動台実験に参画

住友林業(本社:東京都千代田区)は10月15日、米国カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)で2022年6月に実施される10階建て木造ビルの振動台実験に「NHERI TallWood Project」に参画すると発表した。
同実験プロジェクトはコロラド鉱山大学が中心に計画し、米国科学財団(NSF)が助成する。試験体の建物にはポストテンション耐震技術を用い、中高層木造の耐震性能と建築技術を検証する。
米穀では各州の建築基準の規範となるIBC(国際建築基準)が2020年改正され、木造は18階建てまで建設可能となった。この改正に伴い実験を実施するもので、UCSD屋外振動台を使い、1994年カリフォルニアで発生したノースリッジ地震(別名・ロサンゼルス地震、マグニチュード6.7、死者57名、負傷者約5,400名)で観測された地震波で、木造10階建ての試験体を実際に揺らして耐震性能を検証する。
住友林業は実験費用の一部を負担し、得られる情報、知見を日本での耐震設計の参考にする。