日本 バングラデシュのミャンマー避難民に5.84億円の救命食料支援

日本政府は、バングラデシュのコックスバザール県およびバシャンチャール島におけるミャンマーからの約100万人に上る避難民に対し、5億8,400万円の救命用食料の無償支援行う。国連世界食糧計画(WFP)との連携のもと、食料・栄養危機に瀕した生活脆弱層に配慮した包括的な食料支援を行う。
バングラデシュでは、ミャンマーから逃れてきた約100万人(コックスバザール県の避難民約93万人、ノアカリ県バシャンチャール島の避難民約3万人)が、帰還の目めどが立たない中で、国際社会からの人道支援に依存せざるを得ない生活を続けている。

米国 ユネスコに7月復帰へ 事務局長に再加入意思伝達

米国が国連教育科学文化機関(ユネスコ、本部:パリ)に復帰することになった。ユネスコのアズレ事務局長が6月12日、米国から7月に再加入する意思表明した書簡が送られてきたことを明らかにした。国際社会での信頼回復に向けた取り組みの一環。
米国は「米国第一」を掲げたトランプ前政権が、損得勘定で物事を判断するトランプ氏のもとでユネスコはじめ、国連人権理事会や温暖化対策の枠組み「パリ協定」からも脱退している。

日本 提案型ODA導入へ 8年ぶり大綱改定, 戦略的支援で関与深める

日本政府は6月9日、政府開発援助(ODA)の基本方針、開発協力大綱の改定案を閣議決定した。相手国の要請を待たずに提案する「オファー型」のODAを導入する。改定は2015年以来8年ぶり。
自由で開かれた国際秩序への挑戦の分断リスクが深刻化している現状を踏まえ、戦略的な支援で東南アジアや島嶼(しょ)国への関与を深めるのが狙い。民間投資を呼び込みつつ、日本が得意とする質の高い社会インフラ整備や医療、教育分野などに力を入れる。

日ASEAN友好50周年 若手経済人参加の協議体立ち上げ, 政策提言も

経済産業省は6月5日、経済界や研究者らがASEANでのビジネスの可能性について話し合う「日ASEANビジネスウィーク」で、日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の経済協力の強化策を公表した。日ASEAN友好協力50周年に合わせ、人材やサプライチェーン(供給網)などで協力を拡大する。
具体策の一環として、新たに若手経済人らが参加する協議体を立ち上げる。同協議体では、脱炭素や食料安全保障など共通で抱える課題を議論し、年末の日ASEAN首脳会議に向けて政策提言を目指す。

日本 ブータンの経済復興などで65.5億の円借款, 留学費を無償支援 

日本政府は、新型コロナ禍で甚大な影響を受けたブータンの経済復興および強靭性向上の財政支援で65億5,000万円を限度とする円借款を供与する。また、同国の将来を担う若手行政官等が日本の大学院で学位(修士・博士)を取得するために必要な留学・学費1億9,100万円を限度として無償資金協力する。

G7 年内に生成AIのルールで見解 実務者部会が初会合

主要7カ国(G7)による、責任あるAI(人工知能)の普及を話し合う「広島AIプロセス」作業部会の実務者によるオンライン初会合が、5月30日開かれた。その結果、生成AIを活用する利点やリスクを洗い出し、年内にG7の見解を示すことで一致した。会合には、経済協力開発機構(OECD)の担当者も加わった。
初会合では、偽情報や著作権侵害といった生成AIの課題や利点について各国の立場を確認する必要性を共有した。そのうえで閣僚級の会合を開いて、ルールの制定を目指す。G7が国際的なルールづくりを主導する構えだ。
ただ、厳しい法律で規制するのか、民間の自主的な規律によって活用を促すのかなど論点は多く、意見の集約は容易ではなく、時間がかかる可能性がある。

IPEF14カ国 供給網協定で合意 脱中国依存へ先行・始動

米国・デトロイトで開かれていた、米国が主導する新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の閣僚会合が5月27日(日本時間28日未明)、閉幕した。中国への依存度が高い重要鉱物などのサプライチェーン(供給網)を強化する協定に合意した。
IPEFには日米や東南アジア諸国など14カ国が参加しており、①貿易②サプライチェーン③エネルギー安全保障を含むクリーン経済④脱汚職など公正な経済ーの4分野で共通のルールづくりを目指して協議を進めている。

半導体の日米技術協力の深化へ行程表 担当相が会談, 共同声明

西村康稔経済産業相は5月26日(日本時間27日未明)、米国ミシガン州デトロイトで米国のレモンド商務長官と会談した。同日、共同声明を発表した。この中で両氏は「半導体サプライチェーンの強靭性を損なう生産の地理的集中を特定し、解決する」と強調し、経済安全保障に欠かせない半導体分野で技術協力を深める行程表を策定することを盛り込んでいる。

「透明で公平な債務再編が重要」日本・スリランカ首脳会談

岸田首相は5月25日、首相官邸でスリランカのウィクラマシンハ大統領と会談した。前政権時”債務の罠”にはめられ、経済危機に陥ったスリランカの債務問題をめぐり議論した。その結果、すべての債権国が参加する透明で公平な債務再編の重要性を確認した。ウィクラマシンハ氏は、11月までに債務再編に向けた協議が終了するとの見通しを表明した。