インドネシアで5/10 ASEAN首脳会議開幕 ミャンマー情勢協議

東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議が5月10日、議長国を務めるインドネシアの、首都ジャカルタから東に1,500km離れた町、ラブアンバジョで開幕した。今回はクーデターで国軍が全権を掌握しているミャンマー問題に進展がみられるかが焦点。また、ASEANの一部加盟国と、強行に海洋進出を図る中国が争う南シナ海情勢などを協議するとみられる。

福島原発処理水 韓国視察団の現地派遣で日韓合意 懸念払拭へ

日韓両首脳は5月7日の会談で、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出計画に関し、韓国の専門家らによる視察団を現地に派遣することで合意した。日本政府は5月23日に受け入れる。韓国では処理水の海洋放出への懸念が強いことから、国際原子力機関(IAEA)の検証の下で行われる案件であることを確認してもらい、この懸念を払拭することが目的。

日韓首脳 未来志向で関係深化を 12年ぶりシャトル外交再開

岸田文雄首相と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は5月7日、ソウルの韓国大統領府で会談した。会談では①未来志向で関係を深める②福島原発の処理水放出をめぐり、韓国から視察団を派遣する③北朝鮮のミサイル対応で抑止力を強化するーなどを協議した。この結果、日韓関係について「改善の動きが軌道に乗った」との認識で一致した。また、核・ミサイル開発を推進する北朝鮮に対抗するため、安全保障協力を深める方針も確認した。尹大統領は「両国の歴史問題が完全に解決されない限り、未来の協力に一歩も踏み出せないという認識から抜け出さなければいけない」と述べ、歴史問題より未来の協力を強調した。
日韓首脳が互いの国を訪問し合う「シャトル外交」は12年ぶりの再開となった。岸田首相は尹大統領を5月19〜21日の主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)に招待した。

NATO 24年中に日本に拠点開設 中ロにらみ協力関係深める

NATO(北大西洋条約機構)は、サイバー防衛などの分野で日本と協力関係を深める。宇宙分野も含む安全保障のあらたな協力計画をつくり、2024年中に東京に連絡事務所を開設する。脅威が増す中国とロシアをにらみ、アジア太平洋地域の国々と提携の幅を広げる。日本経済新聞が報じた。

原子力協力で日仏が共同声明 次世代の高速炉開発も推進

訪仏中の西村康稔経済産業相は5月3日、フランス・パリで同国のパニエリュナシェ・エネルギー相と会談し、原子力分野の日仏強力に関する共同声明に署名した。
共同声明では、原子炉の安全性向上や使用済みのウラン・プルトニウム混合酸化物燃料の再処理研究など、多岐にわたる協力の枠組みが定められている。原子炉の部品や核燃料などの供給網の強化、次世代原子力発電の一つ、高速炉の研究開発でも協力を深める。

日本 モンゴルの若手行政官16名の留学所要費用を無償支援

日本政府は、各分野でモンゴルの将来を担う若手行政官の人材育成支援の一環として、日本の大学院で学位(修士・博士)を取得する留学をはじめとする所要費用、総額2億6,600万円を限度とする無償資金協力する。これにより、令和6年度に最大16名のモンゴルの若手行政官が日本の大学院に留学する。

G7農相会合 食料安保で途上国支援「宮崎アクション」公表

主要7カ国(G7)農相は4月22、23日、宮崎市で会合を開いた。途上国支援を通じて食料安全保障の強化を進めることで一致した。会合後に採択した閣僚声明で「持続可能な農業」「生産性向上」「イノベーションの活用」の3つを掲げた。
また、G7農相で初の行動計画「宮崎アクション」も公表した。このポイントは①国内農業資源を持続的に活用する②輸出の不当な制限措置を取らない③イノベーションで持続可能性を向上④温暖化ガス排出削減へ農業改革政策をーなど。

G7経済団体が会合,提言 グローバルサウスとの「強力不可欠」

経団連など主要7カ国(G7)の経済団体が4月20日、東京都内でビジネス版の首脳会議を開き、各国政府などへの提言をまとめた。この中で、グローバルサウス(南半球を中心とした途上国・新興国)を重要なパートナーと位置付け、気候変動問題など国際課題の解決に向けて「強力が不可欠」と明記した。
このほか、①G7に、機能不全に陥っている世界貿易機関(WTO)の改革②G7やEUを核としてハイレベルな貿易投資の枠組みの発足③国際的なデジタルトランスフォーメーション(DX)について、「信頼ある自由なデータ流通(DFFT)」の実現に取り組むべきーなど課題を提言。経団連の十倉会長らが岸田首相に提言を手渡した。

中国に「G7の懸念 直接表明」外相会合が共同声明に明記

長野県軽井沢町で4月16〜18日にわたり開かれていたG7(主要7カ国)外相会合が3日間の協議を終えて閉幕した。5月の首脳会議(広島サミット)に向けた議論の方向性をまとめた。
18日に採択された共同声明で、「G7として初めて法の支配に基づく国際秩序への関与を確認」し、「中国に懸念を直接表明する重要性を認識する」と明記した。
そのうえで議長を務めた林芳正外相は「世界のどこであれ、一方的な現状変更の試みに強く反対すると確認できた」と強調した。また、今回G7外相の共同声明に初めて「経済安全保障」の項目を設け、中国などの経済的威圧に対処するため「信頼性に基づく強靭なサプライチェーンを構築する」としている。このほか、気候変動などの国際課題には「中国と協働する必要性を認識する」とも指摘。中国に「国際社会の責任ある一員として行動するよう」求めている。

天然ガス段階的廃止で合意 G7気候・エネルギー・環境相

日本が議長国を務めたG7(主要7カ国)の気候・エネルギー・環境相は4月15〜16日、札幌市における会合で、二酸化炭素(CO2)削減への対策を講じていない化石燃料の使用の停止に向けた取り組みを強化することで合意した。今回天然ガスを対象に加え段階的な廃止に着手する。ただ、石炭火力発電所の廃止時期の明記は見送った。
再生可能エネルギーの導入目標として、洋上風力発電を2030年までに7カ国合計で2021年実績比約7倍の1.5億KWに引き上げる。太陽光発電は2030年までに現状の約3倍の10億KWに増強する。このほか、海洋プラスチックごみによる新たな汚染を2040年までにゼロにする目標でも合意した。これまでG20では2050までに汚染をゼロにすることで合意しているが、G7では10年前前倒しする。