G7貿易相会合 中国念頭「強制技術移転」に懸念

ドイツ・ベルリン郊外で9月14、15の両日開かれた主要7カ国(G7)貿易相会合は15日、中国を念頭に、企業が市場に参入する際に当該国の当局が技術開示を要求する「強制技術移転」に関する懸念を盛り込んだ共同声明を採択し、閉幕した。
議長国のドイツのハベック経済・気候相は「信頼できるパートナーとは限らない国への依存は世界貿易の脅威になる」と指摘。「厳格な貿易政策を確立していく」と強調した。日本から出席した西村康稔経済産業相は「経済的威圧に対し、G7で連携して対応するという方向性を確認した」と述べた。

IPEF初閣僚会合 14カ国4分野で交渉入りで合意

米国が主導し、14カ国が参加する新経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の初の閣僚会合が9月8、9日、米国ロサンゼルスで開かれ、4分野で正式な交渉入に合意した。
①貿易②半導体など重要物資のサプライチェーン(供給網)③エネルギー安全保障を含むクリーン経済④脱汚職など公正な経済−の4分野で、インド太平洋地域で影響力を強める中国を念頭に、対抗軸をつくる。インドは「貿易」に参加しないが、13カ国は4分野すべてに参加する。
IPEFには米国、日本、韓国、オーストラリア、インド、ASEAN主要国などが参加している。

日本 スリランカの医療サービス改善に5億円の無償支援

日本政府は、スリランカの保健医療サービスの質および医療アクセスの改善のため、5億円の無償資金協力する。同国の代表的総合病院の医療機材として、日本企業製品を含む医療関連機材(CTアンギア装置、歯科ユニット、白内障手術システム等)を供与する。
同国最大の人口を擁する西部州の代表的な国立病院、スリジャャワルダナプラ総合病院では最新医療機材不足で、適切な医療サービスが提供できない状態が続き、喫緊の課題となっている。

日本 東ティモールのインフラ復旧・人材育成に11億円を無償支援

日本政府は、東ティモールの洪水被災インフラ緊急支援対象に10億円、人材育成対象に1億7,200万円、合わせて11億7,200万円を無償資金協力する。
同国では2021年4月から発生した豪雨の影響による道路・橋梁、河川護岸、給水施設を含む生活基盤インフラに甚大な被害が発生。気候変動や自然災害に対して強靭な国家運営・インフラ整備の推進が優先課題となっている。

カンボジア・シアヌークビル港拡張に413億円の円借款

日本政府はカンボジア・シアヌークビル港(PAS)新コンテナターミナルの第1期設備拡張計画に対し、最大413億」8,800万円の円借款を供与する。首都プノンペンで8月6日、林芳正外相とカンボジアのプラック・ソコン副首相兼外相が円借款に関する交換公文に署名した。金利0.75%、償還期間30年(10年の据置期間含む)。
PASの設備拡張工事は、コンテナターミナルビルの拡張や荷役設備の調達など3期に分けて実施される。第1期工事はコンテナターミナルを長さ350m以上、水深14.5mに拡張する計画。2025年の完工目指し、2022年後半に始動する予定。

国連事務総長「原爆の日」首相や被爆者らと会談

国連のグテレス事務総長は8月6日、広島市で開かれた「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)に出席し、「核の脅威に対する唯一の解決策は、核兵器を一切持たないことだ」などと強い口調で演説した。岸田首相と会談し、被爆者と面会。グテレス氏はロシアによるウクライナ侵攻後、とくに核軍縮の必要性を訴えている。また同日、グテレス氏は岸田首相、松井一実広島市長らと広島記念資料館を視察した。

国連本部で「原爆展」開幕 NPT会議に合わせ9/2まで

核拡散防止条約(NPT)再検討会議が開かれている米ニューヨークの国連本部のロビーで8月5日、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)が主催する「原爆展」が始まった。原爆に関する写真やパネル、被爆資料などを展示。9月2日までの予定。
焼け焦げた女子学生の夏服や変形したガラス瓶、そして原爆投下直後の焼け野原となった広島と長崎の街の様子、放射線の影響で髪の毛が抜けた子どもなどの写真、約50点がパネル展示されている。

日本 パキスタンの下水・排水改善に12億円を無償支援

日本政府はパキスタン・パンジャブ州ムルタン市の下水・排水サービス改善計画に12億3,600万円を無償資金協力する。この資金はムルタン市の下水道機材の更新に充てられる。同国の下水道は普及率が低いことに加え、下水管や関連機材の老朽化により処理能力が低下、様々な衛生上の問題を抱えている。

首相 ペロシ米下院議長と「台湾」で日米間の連携確認

岸田首相は8月5日、ペロシ米下院議長と首相公邸で会談した。台湾周辺で大規模な軍事演習を実施した中国に対し、即刻中止を求めたと伝えた。会談で岸田氏は「中国の行動は地域、国際社会の平和と安定に深刻な影響を与える」と懸念を表明。両氏は台湾海峡の平和と安定の維持に向けた日米間の緊密な連携を確認した。

岸田首相 NPT会議で核戦力の情報開示を要請

岸田文雄首相は8月1日(日本時間2日未明)、ニューヨーク・国連本部で開かれた核拡散防止条約(NPT)再検討会議に出席して英語で演説した。この中で核兵器数のさらなる削減などに向けて、「全核兵器国に責任ある関与を求める」と述べ、各国に核戦力の情報開示を求めた。日本の首相が同会議に出席したのは初めて。
岸田氏は核兵器の危険性を世界に伝えるため、各国の若年層に被爆地への訪問を呼び掛けた。そのため、国連へ1,000万ドル(13億2,000万円)を拠出して基金を創設すると表明した。