第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)は11月13日、合意文書「グラスゴー気候インパクト」を採択した。最大の焦点だった石炭火力発電の利用について、当初の文書案から表現を弱め、「段階的な廃止」から「段階的な削減」に変更した。議長国の英国は、石炭火力の”段階的な廃止”に強くこだわっていた。だが、インドなどの反発が強く、当初案に比べて表現を後退させた。
COP26は10月31日に開幕し、会期は11月12日までの予定だった。しかし交渉が難航し、会期を延長して議論を続けていた。議長国の英国が各国との協議を経て13日朝、新しい合意案を公表し、これを基に各国と交渉していた。
2022年のCOP27はエジプトで、2023年のCOP28はアラブ首長国連邦(UAE)で開くことも固まった。
「持続可能な回復を確保」APEC閣僚会議が共同声明
日本、米国、中国など21カ国・地域でつくるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の閣僚会議は11月9日、オンライン形式で2日間の協議を終え閉幕した。
共同声明では、コロナ下で電子決済や法的効力を持つ電子文書が普及したことに触れ、ペーパーレス化で貿易を円滑にする取り組みが進んだと評価。感染拡大防止のための渡航制限を受けた経済損失にも言及し、ウイルスを抑制しながら社会経済活動を再開するための道を開き続ける必要があると指摘。そのうえで、新型コロナで打撃を受けた経済などについて「強靭かつ持続可能な長期にわたる回復を確保する」との共同声明を発表した。
今回の閣僚級の合意を踏まえ、12日に首脳間で協議する。
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COP26 石炭火力廃止に46カ国賛同 日・米・中・印加わらず
RCEP 2022年1月発効へ TPP上回る経済効果に期待感
東アジアを中心に15カ国が参加する地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が2022年1月1日から発効することになった。オーストラリアとニュージーランドが11月2日、RCEP協定の批准手続きを終了した。外務省が3日発表した。この結果、世界経済の3割を占める巨大な自由貿易圏が誕生する。日本にとっては中国、韓国と初めて結ぶ自由貿易協定(FTA)が動き出す。
日本政府は協定発効に伴う関税撤廃・削減などで部品や素材の輸出が増え、日本の国内総生産(GDP)を約2.7%押し上げる効果があると試算する。環太平洋経済連携協定(TPP)と比べると、国有企業改革、環境、労働問題の協定を盛り込んでおらず、ルールの水準は低めだが、経済効果では米国が抜けたTPPを上回る。
参加国は日本、中国、韓国、東南アジア諸国連合(ASEAN10カ国)、オーストラリア、ニュージーランドの15カ国。
日本人商業所など日・比間の往来活発化へ入国緩和の要望書
JICA インドのDXスタートアップ支援で4.5億円出資
岸田首相 脱炭素で「アジアに1.1兆円追加支援」表明 COP26
岸田文雄首相は11月2日、第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の首脳級会合で、アジアなどの脱炭素を巡る技術革新に新たに5年間で最大100億ドル(約1兆1,400億円)を追加支援すると表明した。6月に決めた今後5年間で600億ドル規模の支援としていたのを増額する。
先進国は官民で年1,000億ドルの途上国への支援を約束している。ただ、経済協力開発機構(OECD)によると2019年時点の支援額は800億ドルに満たない。日本が率先して不足分を補う姿勢を示す。
岸田氏は政府目標として、温暖化ガス排出量を2030年度までに2013年度比で「46%削減を目指し、50%削減の高みに向け努力する」方針を表明した。岸田氏が国際会議で公表するのは就任後初。2050年までに実質ゼロを目指す「50年カーボンニュートラル」にも言及した。