ブイキューブなど 兵庫県養父市で11/7より遠隔診療の実証開始

ブイキューブ(本社:東京都港区)は10月24日、PHCホールディングス傘下のウィーメックス(本社:東京都渋谷区)とともに、兵庫県養父市の公民館「あけのべ憩いの家」に、リアルタイム遠隔医療システム「Doctor-Cart」が搭載された「TELECUBE」を設置し、11月7日よりオンライン診療の実証事業を開始すると発表した。
この実証事業は2023年5月18日、厚生労働省民政局による通知「へき地等において特例的に医師が常駐しないオンライン診療のための診療所の開設について」を受け、へき地における持続可能な地域医療の提供を目指すことを目的とした取り組み。
同実証事業を行うことにより、地域住民の医療アクセス向上に加えて、地域医療が住みたい場所で健康的に暮らせるための疾病の重症化予防や、医師の移動負担の軽減や診療の効率化など、患者・医師双方のニーズに適した地域医療への貢献を目指す。

働く高齢者 国負担で送迎 24年度から地方の就労支援 厚労省

厚生労働省は移動手段の少ない地方に居住する高齢者の就労を支援するため、国が費用を負担する形で職場への新たな送迎制度を設ける。全国シルバー人材センター事業協会に委託する。2024年度からモデル事業として開始。まず数十カ所で実施し、将来全国展開できるようにする予定。
近年、高齢ドライバーの交通事故が多発したことも加わって免許返納した人が大幅に増加。半面、これを理由に他に移動手段を持たない高齢者は、就業を諦めるケースが増えている。これをサポートし、希望者が通勤しやすい環境を整える。

技能実習に代わる新制度案を提示 政府有識者会議 転職要件緩和

外国人労働者のあり方を議論する政府の有識者会議は10月18日、技能実習に代わる新制度のたたき案を示した。
この要点は①1つの企業で1年を超えて働き、基礎的な技能と日本語能力試験「N5」に合格すれば別の会社に転職できる。ただ、農業から建設業といった業務分野を変える転職はできない②最初の在留期間は3年間とする③より高度な技能試験に合格し、日本語能力が下から2番目の「N4」相当になれば、同じ業務で「特定技能1号」の資格に移れる。これに伴い、さらに最長5年間働き続けられる④試験に不合格でも、最長1年在留できる救済措置を設ける⑤特定技能2号の試験に合格すれば在留資格の更新回数の制限はなくなり、長期就労が可能になる⑥外国人労働者が来日前に借金を背負わないように、受入企業が来日前の手数料を負担する仕組みの導入を検討する⑦人材受け入れを担う監理団体の要件を厳格化し、受入企業と役員の兼務を制限するーなど。
今秋の最終報告書を踏まえ、2024年1月の通常国会に提出する予定。

斉藤国交相 人手不足のバス運転手「特定技能」に追加検討

斉藤鉄夫国土交通相は10月10日、外国人労働者の在留資格「特定技能」の対象にバス運転手を追加するため、関係省庁と調整を進めていることを明らかにした。斉藤氏は運転手不足に伴い、バスの減便や路線廃止などが相次いで要ることに触れ、「地域住民や観光客の移動手段の確保の面から、国交省としても危機感を持って受け止めている」と語った。
関係者によると、政府は2023年度中にトラック、タクシー、バスの運転手など自動車運送業を、特定技能の対象に追加することを目指している。

サイバーダイン 新たに脊髄2疾患が「HAL」の保険対象に

装着型ロボット開発を手掛けるサイバーダイン(本社:茨城県つくば市)は10月5日、主力製品のHAL医療用下肢タイプ(以下、医療用HAL)について、2023年10月1日付で厚生労働省より新たに脊髄2疾患が保険対象になったと発表した。今回対象となったのは、HTLV-1関連脊髄症(HAM)と遺伝性痙性(けいせい)対麻痺の2疾患。これにより医療機関は医療用HALを導入しやすくなる。

22年の技能実習生の失踪者は9,000人超 過去2番目の多さ

関係者によると、技能実習生として日本に在留している外国人はおよそ32万人いるが、2022年に技能実習生として在留しながら行方が分からなくなった外国人が9,006人に上り、2018年の9,052人に次いで過去2番目の多さだったことが分かった。国籍別ではベトナムが最も多く、6,000人以上となっている。
技能実習生は原則、転職が禁止されているが、より高い賃金を求めたり、事前の約束と異なる職場環境・条件を嫌気し失踪したケース多い。
こうした状況を受け、政府の有識者会議では、既存の技能実習制度を廃止し、新たな制度を創設することで議論されている。

石川県能美市で3社が「IoT高齢者見守りサービス」提供 日本初

石川県能美市は10月2日、シャープ(本社:大阪府堺市)、三菱電機(本社:東京都千代田区)およびAIoTクラウド(本社:東京都港区)の3社の協力のもと、同市在住の高齢者100名を対象にした「IoT高齢者見守りシステムサービス」の構築事業を2023年10月に着手し、2024年にサービス開始を目指すと発表した。
今回、同市が採択された「デジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプTYPE2)」の計画に基づき、電子情報技術産業協会(JEITA)とエコーネットコンソーシアムが手掛けるプラットフォーム「イエナカデータ連携基盤およびエコーネットコンソーシアムが推進するメーカー共通API規格「ECHONET Lite Web API」を活用することで、複数メーカーのIoT家電を対象とした高齢者見守りシステムを国内で初めて構築する。

最低賃金 全国平均で時給1,004円に 10/1から順次引き上げ

最低賃金が10月1日から順次、全国の都道府県で引き上げられる。今年度は全国平均で過去最大の43円引き上げられ、時給1,004円となった。47都道府県一律に実施とはならないが、東京都や大阪府など29の都道府県で10月1日から適用される。
引き上げ後の時給は高い方から東京都の1,113円、神奈川県の1,112円、大阪府の1,064円などとなっている。低いのは岩手県の893円、徳島県と沖縄県の896円、秋田県、愛媛県、高知県、鹿児島県の897円などが続いている。東京都と岩手県で最高・最低で220円の差がある。

「年収の壁」対策 130万円超でも2年まで被扶養者 政府正式発表

厚生労働省は9月27日、年収が一定額を超えると社会保険料の支払いが生じて手取り額が減少する「年収の壁」対策に関する支援強化パッケージを正式に発表した。社会保険料の負担が発生する2種類の年収基準について、それぞれ対応策を示した。
まず、会社員ら厚生年金の被保険者に扶養される人で、従業員100人以下の企業に務める場合、現状は年収が130万円を超えると扶養から外れ、社会保険料を自ら支払うことになる。このケースの場合、厚労省は10月以降、一時的な増収であれば連続2年までは扶養にとどまることができるようにする。
次に、従業員101人以上の企業に務める被扶養者の場合、月額賃金8.8万円以上(年収換算でおよそ106万円以上)といった要件を満たすと、現状は厚生年金に入る必要がある。このケースでは、厚労省は賃上げや保険料の相当額を手当として支給し、労働者の厚生年金への適用を促した企業に1人あたり3年で最大50万円を助成する。
労働時間を延ばす場合にも対応する。週の所定内労働時間を4時間以上延長すると、1人あたり30万円を助成する。

高齢者と遠隔家族をつなぐデジタル同居サービスの研究開発開始

パナソニックホールディングス(本社:大阪府門真市)は9月26日、国際医療福祉大学、善光総合研究所(本社:東京都港区)とともに、高齢者と遠隔家族をつなぐデジタル同居サービスの研究開発を開始すると発表した。
これは内閣府総合科学技術・イノベーション会議が府省・分野の枠を超えて自ら予算配分し、基礎研究から出口(実用化・事業化)までを見据えた取り組みを推進する戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期(2023〜2027年度)における「包摂的コミュニティプラットフォームの構築」課題の研究テーマの一つとして採択されたもの。
老親(高齢者)と離れて暮らしている家族とがデジタル技術を用いて、あたかも同居しているようなつながりを実現し、高齢者の孤独感や遠隔家族の負担を軽減、双方のWell-being-最大化を目指す。