厚労省 発熱外来の診療報酬加算 23年3月末まで延長

厚生労働省は10月26日、発熱外来を持つ医療機関に対する診療報酬上の加算を2023年3月末まで延長すると発表した。発熱外来の体制を強化し今冬、予想される新型コロナウイルス”第8波”と季節性インフルエンザの同時流行に備えるのが狙い。
診療報酬加算は10月末が期限となっていた。診療時間を従来より長くするなど支給要件を新たに追加した。

22年上半期の外国人入国者 前年の7倍 水際緩和で

出入国在留管理庁は10月14日、2022年1〜6月の外国人新規入国者数が38万8,893人だったと発表した。前年同期の5万5,104人の7.1倍となった。新型コロナウイルス感染症の水際対策が段階的に緩和されたため。ただ、コロナ禍前の2019年1〜6月は1,498万5,170人に上ったから、まだまだ回復途上といえる。
2022年1〜6月の入国者数を国・地域別でみると、ベトナムが7万6,852人で最多だった。以下、中国の5万6,567人、ネパールの2万9,638人と続いている。資格別では「留学」が全体の27%に相当する10万5,032人でトップを占め、前年同期の7,078人の14.8倍となっている。

老人福祉・介護事業者の22年1〜9月倒産が最多に

東京商工リサーチのまとめにによると、老人福祉・介護事業者の2022年1〜9月倒産は100件(前年同期51件)と前年同期の2倍に急増し、過去最多を記録した。2000年以降1〜9月累計が100件に達したのは初めて。現在の状況が続くと、2022年の倒産は2020年の118件を抜き年間最多を更新する可能性がある。
2021年は、政府の無担保・無利子のいわゆる”ゼロゼロ融資”など、コロナ関連の資金繰り支援効果で倒産が抑制された。だが、2022年は光熱費や燃料費の高騰、人手不足の顕在化で経営環境が悪化。加えて、デイサービス運営のグループ7社の連鎖倒産や、長引くコロナ禍で関連倒産が43件発生し、全体の倒産件数を押し上げた。
業種別では、連鎖倒産が発生したデイサービスを含む「通所・短期入所介護事業」が45件(前年同期13件)と急増した。次いで「訪問介護」が36件(同30件)と増加。また「有料老人ホーム」も10件(同2件)に上った。

世銀 コロナ禍で極度の貧困人口 世界で7,000万人増

世界銀行は10月5日、新型コロナウイルス禍により、2020年に極度の貧困状態とされる人口が世界で7,000万人増加したと発表した。世界の貧困人口はコロナ禍前から減少し、年々その幅は縮小していた。ところが2020年は、それまでの脱貧困に向けた取り組み、進捗がコロナ禍で吹き飛び、逆行したことを示す結果となった。
世界銀行は現在、国際貧困ラインとして1日あたり2.15ドル(約311円)水準以下で生活している人を極度の貧困状態と定義している。

最低賃金10/1から順次引き上げ,全国平均時給961円

全国の都道府県で最低賃金引き上げが10月1日以降、順次引き上げられる。今年度の引き上げ額は都道府県ごとに30〜33円引き上げられ、全国平均で31円と過去最大。その結果、時給の平均は961円になる。
引き上げ後の時給の最も高いのは東京都で1,072円、次いで神奈川県で1,071円、大阪府で1,023円などとなっている。最も低いのは853円で青森、秋田、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄の計10県となっている。

8月の求人倍率1.32倍 8カ月連続上昇, 失業率2.5%

厚生労働省が9月30日発表した8月の有効求人倍率(季節調整値)は1.32倍で、前月に比べて0.03ポイント上昇した。8カ月連続で前月を上回った。持ち直しの傾向が続くものの、新型コロナウイルス流行前の水準には届いていない。
一方、総務省が同日発表した8月の完全失業率は2.5%で、前月比0.1ポイント低下し、4カ月ぶりに改善した。
景気の先行指標とされる8月の新規求人数は83万8,699人で、前年同月比15.1%増えた。宿泊・飲食サービスが51.1%増加した。生活関連サービス・娯楽も28.9%増となった。

トヨタ 既販車への後付け車いす収納装置を発売

トヨタ自動車は9月26日、既販車に後付けで装着できる福祉用品「いつでもウェルキャブ」の車いす収納装置を同日、全国のトヨタ車両販売店を通じて発売したと発表した。メーカー希望小売価格は消費税込み14万9,600円。
新型シエンタ向けをスタートに11月以降、従来型シエンタ、アクア、ヤリス、プリウス、ルーミー/タンクなど、既販車種に順次拡大シていく予定。

日本の65歳以上の就業者 21年に最多の909万人

総務省のまとめによると、2021年の65歳以上の就業者数は、2020年に比べ6万人増の909万人に上った。18年連続で増加し、過去最多を更新した。就業率は25.1%で、4人に1人の割合だが、65〜69歳に限ると50.3%に達し、初めて5割を超えた。
9月15日時点の人口推計によると、65歳以上の高齢者人口は前年比6万人増の3,627万人と過去最多だった。総人口に占める割合は前年から0.3ポイント上昇し、29.1%で過去最高となっている。70歳以上の人口は前年比39万人増の2,870万人、75歳以上の人口は前年比72万人増の1,937万人。

中国の介護需要40年に136兆円,約20年で5倍弱に拡大

中国の保険業界団体などのまとめによると、同国人口の高齢化の進行による要介護者の増大に伴い介護需要が急拡大している。このうち都市部の金額ベースの需要は2040年に6兆6,000億人民元(約136兆円)に上り、2021年の5倍近くに達する見通しだ。出生率の鈍化、高齢化の進行が加速する中、同国の介護問題は喫緊の課題となりそうだ。