クボタ 東京農工大と営農型太陽光発電で3年間の共同研究開始

クボタ(本社:大阪市浪速区)は6月6日、東京農工大学と営農型太陽光発電設備下での、最適な作物の栽培方法の確立を目指した共同研究を開始したと発表した。両者の共同研究の実施期間は2023年1月〜2025年12月。東京農工大学敷地内、約25aで行う。栽培作物はブルーベリーほか。

26年にもマイナンバー新カードへ移行 23年度版重点計画案

政府は6月6日、2026年にも新しい様式のマイナンバーカードを導入する方針を決めた。首相官邸で開かれたデジタル社会推進会議で2023年度版「デジタル社会の実現に向けた重点計画」案を決定した。搭載するICチップの暗号技術をより高度にして本人認証のなりすましやカードの偽造への対策を強める。プライバシーに配慮し住所や性別といった券面の記載情報の絞り込みを検討する。
新カードを検討するタスクフォースを近く立ち上げる。マイナンバー法などの改正が必要な場合は2024年の通常国会に改正法案を提出する。

シスメックス 網膜疾患の原因特定へ試薬 販売承認取得

血液検査機器大手のシスメックス(本社:神戸市中央区)は6月5日、医薬品医療機器総合機構(PMDA)から、眼の網膜の働きが損なわれて物が見えにくく鳴る「遺伝性網膜ジストロフィ」の原因遺伝子を特定する試薬や解析プログラムの製造販売承認を5月31日に取得したと発表した。
遺伝性網膜ジストロフィとは、遺伝性変異で網膜の機能に障害が生じる疾患の総称。代表的な病気には徐々に視野が失われる「網膜色素変性症」がある。

丸紅と富山地鉄 黒部市内路線バスで顔認証決済の実証実験

丸紅(本社:東京都千代田区)と富山地方鉄道(所在地:富山市、以下、富山地鉄)は6月1日、富山地鉄が運行する黒部市内路線バスの生地循環線で、顔認証技術とアプリ型プリペイドカードを連携させた顔認証決済の実証実験を同日開始したと発表した。期間は6月1日〜8月31日。
今回の実証実験を踏まえて、公共交通機関や利用者の手ぶらニーズが高い分野で顔認証決済の早期事業化を目指す。

健康保険証 24年秋に廃止 改正マイナンバー法成立 

行政のデジタル化を進めるための改正マイナンバー法が6月2日の参院本会議で可決、成立した。2024年秋に予定する現行の健康保険証の廃止に向けた制度を揃えた。政府はマイナンバーカードと保険証を一体にする「マイナ保険証」の普及を目指す。既存の保険証は2024年秋以降、1年の猶予期間を経て使えなくなる。
法改正によりカードを持たない人でも保険診療を受けられるようにする「資格確認書」の発行が健康保険組合などで可能になる。確認書の期限は1年とする方針。

安川電機 米Oishii社と資本業務提携し植物工場を完全自動化へ

安川電機(本社:福岡県北九州市)は5月31日、Oishii Farm Corporation(本社:米国ニュージャージー州、以下、Oishii社)と30日に資本業務提携したと発表した。
Oishii社は米国ニュージャージー州を拠点に、いちごを製造・販売するベンチャー企業。将来的にいちごの完全自動生産の実現を目指している。
今回の両社の資本業務提携で、Oishii社が今後建設予定の工場で行う全行程(播種・育苗〜収穫・検査〜箱詰め・出荷)の自動化の取り組みに対して、安川グループが持つロボットなどの製品およびソリューションを提供していく。

G7 年内に生成AIのルールで見解 実務者部会が初会合

主要7カ国(G7)による、責任あるAI(人工知能)の普及を話し合う「広島AIプロセス」作業部会の実務者によるオンライン初会合が、5月30日開かれた。その結果、生成AIを活用する利点やリスクを洗い出し、年内にG7の見解を示すことで一致した。会合には、経済協力開発機構(OECD)の担当者も加わった。
初会合では、偽情報や著作権侵害といった生成AIの課題や利点について各国の立場を確認する必要性を共有した。そのうえで閣僚級の会合を開いて、ルールの制定を目指す。G7が国際的なルールづくりを主導する構えだ。
ただ、厳しい法律で規制するのか、民間の自主的な規律によって活用を促すのかなど論点は多く、意見の集約は容易ではなく、時間がかかる可能性がある。

双日 次世代再生可能燃料のNEXTに出資, SAF製造事業に参画

双日(本社:東京都千代田区)は5月29日、100%子会社の双日米国を通じて、米国で環境負荷の少ない次世代再生可能燃料の製造を目指すNext Renewadle Fuels,Inc.(本社:米国テキサス州、以下、NEXT)に出資したと発表した。
NEXTがオレゴン州ポートウエストワードに建設を計画するプラントでは廃食油、植物油、動物油脂などを燃料として進めている、SAF(サステナブル・アビエーション・フューエル)の製造事業に参画する。2026年に商業運転を開始する予定。

トヨタの液体水素エンジン車 24時間耐久レースに初参戦

トヨタ自動車は5月27日、液体水素を燃料とするエンジン車を24時間耐久レースに出場させた。これまでは気体水素で出場しており、液体としてのレース参戦は初めて。また、液体水素を燃料として搭載した車両のレース参戦は世界で初めてという。過酷な環境のレース参戦で課題の洗い出し、量産車の開発に生かしていく。液体は航続距離を伸ばすことができるが、充填や貯蔵で高い技術が求められる。

経産省 航空燃料の1割をSAFに 石油元売りに義務化を公表

経済産業省は5月26日の官民協議会で、脱炭素社会に向け2030年に石油元売りが国際線に供給する燃料の1割をSAF(サステナブル・アビエーション・フューエル、廃食油の再生燃料)にすることを義務付ける案を正式に示した。SAFはジェット燃料と比べて二酸化炭素(CO2)の排出量を80%削減できるとされている。2023年度中にエネルギー供給構造高度化法の政令改正を目指す。